chapter:69 荒野の果てに耀う光は三つに連なって
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「まあいいんじゃないか?シンプルで」
「バウルでも下手に近づくと危険ね、少し離れたところで降りるわ」
「よし、いっちょいくか」
ジュディスが言った様にバウルには戦いに巻き込まれぬ様に遠くで待機してもらい、現場へ駆けつけたアルシア達の視界は魔物の群れの暴走とそれから逃げようとする人々によって作られた土煙に覆われる
魔物の侵攻を阻もうとする騎士団と逃げ惑う難民で混戦状態に陥っている状況はこちらの予想を遥かに上回る形を作り上げていた
「すごい状態……」
呆気に取られるリタが発した言葉はアルシア達も言える事だった
まさかこんな事態にまで発展していたなんて思いもしなかったのだから、放心状態になっても可笑しくない
「あの中に突っ込むんだ……」
「フレンはどこに……」
「見て、あそこ!」
「フレン!」
声を上げたエステルはこの状況を冷静に見つめ、渦中からフレンを探そうと眼を凝らしていた様だ、その甲斐あって逸早く魔物と対峙するフレンの背中を発見する事が出来た
騎士団長である彼がここまで後退を余儀なくされているという事に騎士団が相当に追い込まれている状況が見受けられる
「おいおい。相当追い込まれてるぜ」
「見えなくなってしまったのじゃ」
「急いだ方がよさそうね、思い切って突っ切りましょう」
「行くぞ!はぐれるなよ!」
物怖じする事なく飛び込んだアルシア達は逃げ惑う難民達の姿を横目に捕らえながら、視界を閉ざそうとする土煙の中をフレン目指し、駆け抜けて行く
その頃、再び防衛戦の最前線に舞い戻ったフレンは共に戦う騎士達の戦意を損ねぬ様にと声高らかに名誉を掲げる、その声援は自分を奮い立たせる為にも張り上げられた
「騎士団の名にかけて踏み止まるんだ!!」
「こ、これはもう駄目なのであーる」
戦っても戦ってもキリなく現れる魔物の群れに難民を逃がしながらも、アデコールは及び腰になってしまっていた
「限界なのだ~」
「ばかも~ん!弱音を吐くんじゃない!」
部下がつい漏らした弱気の発言を見過ごせず、戦いの手を緩め叱咤するルブランの不意をつき、魔物が攻撃を振るってきた事により、一気に戦況は最悪へとなだれ込む
「ぐおっ!?」
「しまった!!」
魔物の攻撃にルブランが倒れた事により、何とか保っていた防波堤は崩れ、逃げ惑う難民達へと魔物の群れが溢れ、戦況は更なる混乱へと落ち込んでしまった
人々を守る為、再び立て直す為に魔物を追いかけるフレンの目の前で魔物が何者かの攻撃に吹き飛び、その追撃に見慣れた体躯が走り抜けた
「生きてるか?」
「フレン、無事?!」
「ユーリ!アルシア!どうしてここに!?」
「上官想いの副官に感謝しろよ」
「すごく心配して、私達を探してくれたの」
ラピードの姿にまさか、と予想はしていたが、現に目の前に頭に思い浮かべていた人物達が現れた事に驚愕の余韻に浸るフレンにユーリとアルシアは自分達にこの状況を知らせたソディアへと花を持たせたのだった
「ソディアが!?そうか……だが、こんな状況だ。このままではいつかやられてしまう」
「まだ諦めるには早いよ」
「切り札は我にありってね」
「なんだって?」
最前線で張り、懸命に守り続けていた防波堤も崩れた現状にフレンの心も折れかかっている、だが折らせる訳にはいかない、まだ現状をひっくり返す事は出来るのだから
この状況をどうにか出来る、魔法の様な言葉を発したレイヴンへ振り返り、信じ難いという表情を見せるフレンへユーリは明星壱号を取り出してみせた
「こいつを敵の真っ直中でスイッチポン。するとボン!ってわけだ」
「敵の中心で、か。この数だ、簡単じゃないよ」
説明になっていない説明だったが、伊達に長年彼の幼馴染みをしてきた訳ではないフレンはその言葉をあっさり理解するもその作戦へのリスクに顔を曇らせてしまう
そう簡単にこの魔物の群れの中をあっさりと突破出来ないのはこの場で最前線で指揮を取り続けるフレンが一番良く分かっていた、アルシア達もまたここに来るまでにその脅威は理解しているつもりだ
だが、それでも――彼の幼馴染み達は余裕を、自信を見失ってなどいなかった
「簡単さ、オレとおまえがやるんだぜ?」
「私達ならどんなことでもやってのけられるよ」
「ワォン!」
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