chapter:58 拾い上げたのは小さな可能性
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エステルとラピードと再会し、一夜が開けた所で昨夜足を運ぼうとしていた広場に向かった所でユーリは上空を見上げる、そこにあるのは世界の外から襲来した澱み
澱みはザウデで見た時よりも巨大さを増し、世界を包み込まんと空を覆いつくしている、それを解放した人物の意志と反した存在は彼を嘲笑っているかの様だ
「それにしてもアレクセイのやつ、とんでもねえもん解放してきやがったな。世界の解放が聞いてあきれるぜ」
「星喰み……なんなんでしょう、あれ」
「さあなあ。けど災厄ってくらいだ、ロクなもんじゃねえのは確かだろ
今度は随分とでかい相手がきたもんだ」
「まあ。もうやっつける気でいるんです?」
「喧嘩っ早いなぁ……」
「やらなきゃ普通に暮らせそうもないからな」
「普通に暮らす……みんなで普通に暮らす。そのために戦うんですよね、わたしたち」
「ああ。それで十分だろ」
自分達の戦う意義にアレクセイの様な大層なものは必要ない、というニュアンスが込められた彼の言葉にエステルは頷き返す
満月の子という力を持った彼女も望む普通に生きる、という願望は二人の会話を傍で聞いていた少女の中にも息衝いている、そして彼女は夢見る様に呟く
「星喰みを倒したら、きっと普通に暮らせるんだよね」
「ああ、アルシアの願いも叶うはずだ」
「え?願い事ってどういう……」
「なんじゃ、聞き覚えのある声だと思ったら、やっぱりおまえさんか」
アルシアの願いとは何なのか、それを確かめようと首を傾げたエステルとアルシア達の背後からはザーフィアス城で再会したハンクスと下町の住人の姿が歩み寄ってきた
自分達に何か用事でもあるのかと思われたが、ハンクスはエステルを気遣っており、無理に連れ回すなと釘を刺しに来た様だ、そこまで言われてユーリが気付かない訳がなく、察した通りの言葉が投げられる
「戻ってきた怪我人を片っ端から治療してくれておるんじゃ、大変世話になっておるよ」
「わたしに出来る事なら、なんでも言ってくださいね」
「エステルったら……」
自分も陽月の子の力を抑制する術式を施されているのだから、エステルもそれを施されていない訳がない
あまり無茶をするとザウデのアルシアの時の様にリタが黙っていないだろうに、と苦笑しているアルシアにハンクスが向き合う
「アルシア、おまえさんも無事でよかったわい」
「うん、もう大丈夫!」
「お城で姿が見えなくて心配したのよ?ユーリ、ちゃんとアルシアのこと、見ててあげてね」
「分かってるって」
口数は少ないがその表情には確かにアルシアの安否が確認出来たことに対する安堵が浮かばれており、アルシアもそれに応える様に笑顔を浮かべて、自分が健在な事をはっきりとさせた
今度は女性にアルシアの事に対して釘を刺されたユーリは下町を見渡す、暴走したエアル内で閉ざされた下町は元の風景を取り戻していた、まるであの一件がなかったかの様に
「下町もすっかり元通りみたいだな」
「これであの空さえなければ、完璧なんじゃがの」
「心配すんなって、オレたち「凛々の明星」に任せときな」
「あの空のやつは私たちが何とかしてみせるよ」
「また大きく出おって、空の穴をどうやって塞ぐと言うんじゃ」
「いや、ユーリとアルシアならやりかねないよ」
「そうそう、できないことは言わないもの」
「おーっとそこまでだ」
誰よりも二人の性格を知っている下町の住人達と和やかに会話している中に聞き慣れた声と鎧が擦れる音が入り込んできた為に会話が中断される
振り返った先の下町の入り口には混乱状態の下町からハンクス達を城中へ非難させたシュヴァーン隊の彼らが揃っている、が今日はどうやら違う話の様だ
「今度はおまえらか、なんだ?」
「ふっふっふ、これを見るのであーる」
二人から離れたアデコールはその手に握っていた一枚の手配書をユーリに手渡してきた、訝しげにそれを開くと…
「ん?手配書……ってオレ?」
その手配書にはもはや見慣れた全くユーリと似使わない似顔絵が再び記されていた
だがおかしなことに手配書には彼だけが犯罪者として仕立て上げられ、他のメンバー達は全く触れられていない事に今度はエステルとアルシアが訝しむ番だった
「ユーリ……だけ?」
「え、今度は何の容疑で……」
「無法者を取り締まるのが騎士の務めなのであーる」
「おいおい、他はよくてオレだけ賞金首かよ」
「それはそれ、これはこれなのだ!」
自分に対する待遇の悪さに思わず不満が漏れるユーリを諭した所でルブランが話題を切り替える為か咳払いを行い、物は相談なんだがな、と新たな話題を切り出してきた
澱みはザウデで見た時よりも巨大さを増し、世界を包み込まんと空を覆いつくしている、それを解放した人物の意志と反した存在は彼を嘲笑っているかの様だ
「それにしてもアレクセイのやつ、とんでもねえもん解放してきやがったな。世界の解放が聞いてあきれるぜ」
「星喰み……なんなんでしょう、あれ」
「さあなあ。けど災厄ってくらいだ、ロクなもんじゃねえのは確かだろ
今度は随分とでかい相手がきたもんだ」
「まあ。もうやっつける気でいるんです?」
「喧嘩っ早いなぁ……」
「やらなきゃ普通に暮らせそうもないからな」
「普通に暮らす……みんなで普通に暮らす。そのために戦うんですよね、わたしたち」
「ああ。それで十分だろ」
自分達の戦う意義にアレクセイの様な大層なものは必要ない、というニュアンスが込められた彼の言葉にエステルは頷き返す
満月の子という力を持った彼女も望む普通に生きる、という願望は二人の会話を傍で聞いていた少女の中にも息衝いている、そして彼女は夢見る様に呟く
「星喰みを倒したら、きっと普通に暮らせるんだよね」
「ああ、アルシアの願いも叶うはずだ」
「え?願い事ってどういう……」
「なんじゃ、聞き覚えのある声だと思ったら、やっぱりおまえさんか」
アルシアの願いとは何なのか、それを確かめようと首を傾げたエステルとアルシア達の背後からはザーフィアス城で再会したハンクスと下町の住人の姿が歩み寄ってきた
自分達に何か用事でもあるのかと思われたが、ハンクスはエステルを気遣っており、無理に連れ回すなと釘を刺しに来た様だ、そこまで言われてユーリが気付かない訳がなく、察した通りの言葉が投げられる
「戻ってきた怪我人を片っ端から治療してくれておるんじゃ、大変世話になっておるよ」
「わたしに出来る事なら、なんでも言ってくださいね」
「エステルったら……」
自分も陽月の子の力を抑制する術式を施されているのだから、エステルもそれを施されていない訳がない
あまり無茶をするとザウデのアルシアの時の様にリタが黙っていないだろうに、と苦笑しているアルシアにハンクスが向き合う
「アルシア、おまえさんも無事でよかったわい」
「うん、もう大丈夫!」
「お城で姿が見えなくて心配したのよ?ユーリ、ちゃんとアルシアのこと、見ててあげてね」
「分かってるって」
口数は少ないがその表情には確かにアルシアの安否が確認出来たことに対する安堵が浮かばれており、アルシアもそれに応える様に笑顔を浮かべて、自分が健在な事をはっきりとさせた
今度は女性にアルシアの事に対して釘を刺されたユーリは下町を見渡す、暴走したエアル内で閉ざされた下町は元の風景を取り戻していた、まるであの一件がなかったかの様に
「下町もすっかり元通りみたいだな」
「これであの空さえなければ、完璧なんじゃがの」
「心配すんなって、オレたち「凛々の明星」に任せときな」
「あの空のやつは私たちが何とかしてみせるよ」
「また大きく出おって、空の穴をどうやって塞ぐと言うんじゃ」
「いや、ユーリとアルシアならやりかねないよ」
「そうそう、できないことは言わないもの」
「おーっとそこまでだ」
誰よりも二人の性格を知っている下町の住人達と和やかに会話している中に聞き慣れた声と鎧が擦れる音が入り込んできた為に会話が中断される
振り返った先の下町の入り口には混乱状態の下町からハンクス達を城中へ非難させたシュヴァーン隊の彼らが揃っている、が今日はどうやら違う話の様だ
「今度はおまえらか、なんだ?」
「ふっふっふ、これを見るのであーる」
二人から離れたアデコールはその手に握っていた一枚の手配書をユーリに手渡してきた、訝しげにそれを開くと…
「ん?手配書……ってオレ?」
その手配書にはもはや見慣れた全くユーリと似使わない似顔絵が再び記されていた
だがおかしなことに手配書には彼だけが犯罪者として仕立て上げられ、他のメンバー達は全く触れられていない事に今度はエステルとアルシアが訝しむ番だった
「ユーリ……だけ?」
「え、今度は何の容疑で……」
「無法者を取り締まるのが騎士の務めなのであーる」
「おいおい、他はよくてオレだけ賞金首かよ」
「それはそれ、これはこれなのだ!」
自分に対する待遇の悪さに思わず不満が漏れるユーリを諭した所でルブランが話題を切り替える為か咳払いを行い、物は相談なんだがな、と新たな話題を切り出してきた