chapter:66 銀弾装飾に隠したプレッジ
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執政官の屋敷へ向かい、裏に回った所にある船着き場でパティが麗しの星を手に夜空の果てにある水平線を見つめていた
その視線は砂漠の中から一粒の宝石を見つけようとする様に細められている
「…………」
不意にパティが夜空へ返す様に麗しの星を翳すと遠く離れた何かを指し示すかの様に水平線の果てへ一筋の光が放たれる、自分の居場所を相手に知らしめる様に
それから暫くし、輝く麗しの星を目掛けて水平線の彼方より紫の光が呼び掛けに答え、パティの居場所を補足したのかその光の先よりアーセルム号が突如として出現した
「あ、あれって……!」
「行くぞ!」
アーセルム号にパティが乗り込むよりも前にアルシア達は姿を隠すのも忘れ、パティへと急ぎ、駆け寄る
「パティ、待ってください!」
呼び止められた声に振り返ったパティの表情はどうしてここに、と言うかの様に驚きに満ち溢れ、アルシア達の存在に狼狽えていた
「みんな……どうして……」
「それはこっちの台詞よ、一人で何してんのよ」
「精霊もそろった……この先は命を賭けた大仕事なのじゃ
でも、その大仕事の前に自分の中の決着をつけようと思ったのじゃ」
「それはアイフリードのことか?」
「最近、悩んでいたふうなのはこのことだったんだね」
「これはうちの問題なのじゃ。誰にも任せられない、うちの……」
誰の手も借りてはいけない自分自身と向き合わなければならない、自分一人の手で終わらせなければならない問題があの船に残ったままなのだ
それに気付いたから、星喰みを倒すまでに後悔を残さない為にこれ以上、先延ばしに出来ないと仲間に何も言わずにパティはここに赴いた
「だからって、一人で行かなくても」
「…………」
パティの気持ちは分からないでもないのだ、ここにいる者達は何かしらの過去を、言えない事を一人で抱え込んできた人物ばかりだから
それでも多少なりとも事情を説明してもらいたかったというパティの水臭さに対して軽い咎めの言葉が口から漏れる、何かあったらどうするのかと続く言葉に対する答えが浮かばず、パティは俯いてしまった
「あれ……アーセルム号、よね……?」
「どうしてここに……?」
「パティ、お前が呼び出したのか?」
「そういえばパティちゃん、麗しの星かかげてなかった?」
「つまり麗しの星ってのは、あいつを呼び出す道具だったってことか」
「ただのお宝ってだけじゃなかったんだね、一体どういう仕組みであの船が……」
アーセルム号を彼方より呼び出した麗しの星、それは旅人の道標として夜空で輝く北極星の様にアーセルム号をここまで導いたということなのだろうか
「こいつの片割れと引き合っておるのじゃ」
「つまり、その片割れがあの船の中にあるってことね」
「でも、麗しの星って……あれ?」
「そ、それはあんたの言う問題ってのと何か関係あんの?」
リタが微かに怯えている様子を見せるのはあの船で今も現世を彷徨う魔物がいるからだろう、そんな彼女の言葉にパティは深く頷く
あの船にある麗しの星と対になる片割れが引き合う様に、パティ自身とアーセルム号も因縁で結び合い、決着の時を望んでいた
「のじゃ」
「じゃ、行こうぜ」
「え……?」
ここまで自分の問題だから、と言い続けたのにそれでも踏み込んでくるユーリとアルシア達に驚いた様に目を丸くし固まるパティを見て、不思議そうにユーリは首を傾げる
「行かないのか?」
「ついてきてくれるのか……?」
「オレたちと一緒にいて、一人で行かせてもらえないのはわかってるだろ?」
「ここまで一緒だったんだもの、ここでパティに悔いが残らないようにする為に手伝わせてよ」
「……ありがとうなのじゃ」
一人で背負い込むつもりでこの問題を抱え続けた内に余計な気を張っていたのか、あれ程に他の力を借りようとしなかったパティの心に巣食っていた緊張が仲間の存在によって解れて行く
仲間からの申し出に最初こそ驚いたものの、今は素直に有り難みを感じたパティの表情に笑みが灯るも直ぐさま、解れた心を引き締める様に表情は張りつめる
「だが、最後の決着だけはうちがつけるのじゃ」
「ああ、わかってるさ」
「あそこにボートがあるわ、乗っていきましょ」
いつの間にか止めていたボートに先回りしているラピードに続き、エステル達もボートに乗り込む
パティが決着をつけたいという話は彼女の旅の目的であるアイフリードに関すること、もしくはアイフリードそのものとの終決だろうか、だとしたらあの船には…
「ねぇ、もしかして……あの船にアイフリードがいるってことかな?」
「さあな……ま、行ってみりゃわかるさ」
銀弾装飾に隠したプレッジ
(長き時間に今、終止符を)
その視線は砂漠の中から一粒の宝石を見つけようとする様に細められている
「…………」
不意にパティが夜空へ返す様に麗しの星を翳すと遠く離れた何かを指し示すかの様に水平線の果てへ一筋の光が放たれる、自分の居場所を相手に知らしめる様に
それから暫くし、輝く麗しの星を目掛けて水平線の彼方より紫の光が呼び掛けに答え、パティの居場所を補足したのかその光の先よりアーセルム号が突如として出現した
「あ、あれって……!」
「行くぞ!」
アーセルム号にパティが乗り込むよりも前にアルシア達は姿を隠すのも忘れ、パティへと急ぎ、駆け寄る
「パティ、待ってください!」
呼び止められた声に振り返ったパティの表情はどうしてここに、と言うかの様に驚きに満ち溢れ、アルシア達の存在に狼狽えていた
「みんな……どうして……」
「それはこっちの台詞よ、一人で何してんのよ」
「精霊もそろった……この先は命を賭けた大仕事なのじゃ
でも、その大仕事の前に自分の中の決着をつけようと思ったのじゃ」
「それはアイフリードのことか?」
「最近、悩んでいたふうなのはこのことだったんだね」
「これはうちの問題なのじゃ。誰にも任せられない、うちの……」
誰の手も借りてはいけない自分自身と向き合わなければならない、自分一人の手で終わらせなければならない問題があの船に残ったままなのだ
それに気付いたから、星喰みを倒すまでに後悔を残さない為にこれ以上、先延ばしに出来ないと仲間に何も言わずにパティはここに赴いた
「だからって、一人で行かなくても」
「…………」
パティの気持ちは分からないでもないのだ、ここにいる者達は何かしらの過去を、言えない事を一人で抱え込んできた人物ばかりだから
それでも多少なりとも事情を説明してもらいたかったというパティの水臭さに対して軽い咎めの言葉が口から漏れる、何かあったらどうするのかと続く言葉に対する答えが浮かばず、パティは俯いてしまった
「あれ……アーセルム号、よね……?」
「どうしてここに……?」
「パティ、お前が呼び出したのか?」
「そういえばパティちゃん、麗しの星かかげてなかった?」
「つまり麗しの星ってのは、あいつを呼び出す道具だったってことか」
「ただのお宝ってだけじゃなかったんだね、一体どういう仕組みであの船が……」
アーセルム号を彼方より呼び出した麗しの星、それは旅人の道標として夜空で輝く北極星の様にアーセルム号をここまで導いたということなのだろうか
「こいつの片割れと引き合っておるのじゃ」
「つまり、その片割れがあの船の中にあるってことね」
「でも、麗しの星って……あれ?」
「そ、それはあんたの言う問題ってのと何か関係あんの?」
リタが微かに怯えている様子を見せるのはあの船で今も現世を彷徨う魔物がいるからだろう、そんな彼女の言葉にパティは深く頷く
あの船にある麗しの星と対になる片割れが引き合う様に、パティ自身とアーセルム号も因縁で結び合い、決着の時を望んでいた
「のじゃ」
「じゃ、行こうぜ」
「え……?」
ここまで自分の問題だから、と言い続けたのにそれでも踏み込んでくるユーリとアルシア達に驚いた様に目を丸くし固まるパティを見て、不思議そうにユーリは首を傾げる
「行かないのか?」
「ついてきてくれるのか……?」
「オレたちと一緒にいて、一人で行かせてもらえないのはわかってるだろ?」
「ここまで一緒だったんだもの、ここでパティに悔いが残らないようにする為に手伝わせてよ」
「……ありがとうなのじゃ」
一人で背負い込むつもりでこの問題を抱え続けた内に余計な気を張っていたのか、あれ程に他の力を借りようとしなかったパティの心に巣食っていた緊張が仲間の存在によって解れて行く
仲間からの申し出に最初こそ驚いたものの、今は素直に有り難みを感じたパティの表情に笑みが灯るも直ぐさま、解れた心を引き締める様に表情は張りつめる
「だが、最後の決着だけはうちがつけるのじゃ」
「ああ、わかってるさ」
「あそこにボートがあるわ、乗っていきましょ」
いつの間にか止めていたボートに先回りしているラピードに続き、エステル達もボートに乗り込む
パティが決着をつけたいという話は彼女の旅の目的であるアイフリードに関すること、もしくはアイフリードそのものとの終決だろうか、だとしたらあの船には…
「ねぇ、もしかして……あの船にアイフリードがいるってことかな?」
「さあな……ま、行ってみりゃわかるさ」
銀弾装飾に隠したプレッジ
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