chapter:66 銀弾装飾に隠したプレッジ
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「ついに四属性の精霊がそろったね」
「ああ、あとは……」
「世界中の魔導器の魔核を精霊に転生させる、ですね」
シルフの働きにより、気流が安定した事でアルシア達は呼び出されたバウルの手でレレウィーゼより足を離れた
これで星喰みに対抗するのに必要最低限の力を持つ精霊は揃い、後はエステルが言う様に魔核を精霊に転生すれば、星喰みを倒す事も夢ではない、否そこまでしなければ倒せない相手なのだ
「……そうね。四精霊の力だけで星喰みを抑えられれば、その必要はないんだけど」
「中途半端で挑める相手じゃないでしょーよ、万全を期すべきよね。失敗できねぇもの」
「わかってるけど……」
星喰みは魔導器の消失を代償にしなければ、倒せない相手だとこの中では誰よりも明敏なリタが存じ上げている事だろう
そしてそれと比例する様にこの世界、人々から魔導器を星喰みを倒す為とはいえ、取り上げる事がどんなに責任重大な事も熟知している、リタだけではない、アルシア達も違う観点から重々承知していた
「リタ……」
「精霊を生み出すというだけでもテルカ・リュミレースのあり方を変えてしまっている。世界のためとはいえ、ね」
「確かにわたしたちの判断だけで世界の人々の生活すら変えてしまうのは問題だと思います」
「そうかもだね……」
「オレたちがやろうとしてることを理解してもらわなきゃ、やってることはアレクセイと変わらねぇのかもしれねぇ。けど、理解を求めてる時間もねぇ」
「でも帝国騎士団やギルドのみんなにちゃんと話しておくことはできるんじゃないかな」
「それで私たちのやり方を否定されてしまったら、私たちはホントに人々に仇なす大悪党よ?」
それでも説明する時間を割くのか、と聞かれれば、臆病風に吹かれ、アルシア達は俯き閉口してしまう
話した所で何人の人に自分達のやり方を肯定してもらえるか分からない、否誰もが首を横に振り、自分達を糾弾するかもしれない
「…………オレはこのまま世界が破滅しちまうのは我慢できねぇ、デュークがやろうとしてることで世界が救われても普通に暮らしてる奴らが消えちまっちゃ意味がねぇ
だからオレは大悪党と言われても、魔導器を捨てて星喰みを倒したい。みんな、どうする?降りるなら今だぜ」
世界を救う為に世界中から見放されても構わない、そう言うユーリは決して仲間を巻き込もうとはしない、今もこうして逃げ口を与えている
彼はきっと一人になったとしても星喰みに立ち向かっていくだろう
「俺様はついてくぜ。なんせ、俺の命は「凛々の明星」のもんだしな」
「私も。フェローやベリウスが託してくれた気持ちがあるもの。それに……中途半端は好きじゃないわ」
「やらないと後悔するってのを知っちゃったし、ここでやめても後悔するし」
「うん。ボクも後悔したくない」
「はい。自分で選択したことなら、どんな結果になっても受け入れられる……この旅で学んだことです」
皆、それぞれに違う方向性ながら、その意思の根底には後悔しない様にしようとする行動力が成り立っていた
後悔しない為にも自分達がやってきた事をやり遂げる、そう決めた仲間の声を聞くユーリの手を不意に細い指が引っ張る、彼女もまた自分の意志を貫くと決めた一人だった
「アルシア」
「星喰みが帰還したことは少なからず私も関わってるから、その償いに全力を尽くすよ
それに最後まで皆とやりきりたいって想いが強いから、ここで降りたりしない。結果、世界中に後ろ指さされる結果になったとしても……もう現実から眼を反らしたりしない」
自分の力が暴走した時、この力は世界を混乱に貶めると知り、認められなくて現実から逃げ出した過去、それをもう二度と繰り返さないという強い意志が紫の瞳に宿り、宝石の様な輝きを放つ
彼女の透き通る様な意思に仰ぎ見られ、その瞳にユーリは微笑を落とす、誰一人この船から降りるものはいないと曇りのない表情が告示していた
「アルシアならそう言うと思ったぜ」
「それに……世界のみんなもわかってくれる。変わっていく世界を受け入れられないほど、弱くないよ!」
「そうだな。明日笑って暮らすためのことだ、そう信じたい」
「ワンワン!ワォン!」
「……パティはどうする?」
唯一、今の会話の中で返事がなかったパティに視線が向かう、彼女には自分達とは違い、自分の記憶探しというものが残っている、ここで降りると言っても不思議はないが…
「うちも……当然、ついていくのじゃ!」
もうこれから先、逃げ口は用意されずに済むだろう、何度も確認はいらない、この仲間達は自身の選択に後悔しない様にこの言葉を撤回する日が来ることはないのだから
相当な頑固者が集ったなと苦笑するのと併せ、星喰みやデュークに対抗するのにこんなに心強いことはないな、と仲間の存在という有り難みにも再度気付かされる時が来た様だ
「わかった。みんな、最後まで一緒にいこう」
「じゃあ準備が全部できたら、ヨーデル殿下やユニオンの人たちに話をしに行こう」
「出来れば、フレンにもこのことを伝えられたらいいんだけど」
「今、どこにいるんでしょうね……」
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