chapter:64 世界救済に近付く、あなたが遠のく
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程なくしてカロルの平衡感覚も取り戻した所でアルシア達は道なりに下っていく、細い小路を塞ぐ様に巨大な魔物が点在しており、それらの相手をしている内に体力がどんどんと消耗させられていく
そうこうしている内に漸く平面に辿り着き、仲間達の中でそこそこの年齢であるレイヴンの体力が限界だという様に膝が震え、彼はそれを抑える
「ほれ、がんばるのじゃ。進むのじゃ」
「ひいこら、こりゃ年寄りにゃ堪えるわ」
「しっかりしろよ、おっさん」
「結構道が険しいから、下りでも堪えるね…」
「そうよ、帰りはこれを登らなきゃならないんだから」
体力的にはまだ楽な下り坂でも帰りには上り坂へと変貌する、その事を忘れていたのかレイヴンは気が滅入ったのか後ろへと倒れ込んでしまった
「お、おじ様?!」
「あ、死んだ」
ユーリとリタが倒れ込んだレイヴンに呆れる中、ラピートが不意に前方からこちらに向かってくる気配に気付き、アルシア達に警戒を促す為に唸りをあげた
「誰か来ます!」
「こんなところに、人……?」
「あの人……」
前方に伸びる分かれ道の右側よりラピードが警戒していた気配、白色を携えた人物が現れると彼はアルシア達の姿に微かに目を見張った様だった
「おまえたち……!」
「デューク!あんたか。相変わらず神出鬼没だな」
「アルシアとユーリを助けてくれてありがとうなのじゃ」
敵や魔物ではなく、ザウデから落下したアルシアとユーリを助け出した恩人であるデュークだと知り、パティは警戒心を解き、笑顔を浮かべた
その簡単に解いた警戒心の緩さに同じく次々と警戒心を解いたリタは呆れ顔を浮かべ、パティの言動は本来なら二人が言うべきじゃないかと突っ込みを入れざるを得なかった
「なんであんたがお礼言うのよ……」
「どうして、あなたがここに?」
「……ここで何をしている?」
「ここに始祖の隸長がいるらしいんでな、精霊になってくれるよう頼みに来たのさ」
質問に質問を返されたものの彼からの質問にこちらが答えるが、デュークはその答案に口を噤んだ為に静寂が流れ、風が吹き抜ける
始祖の隸長に身を寄せた、とデュークは言った、なら自分達がしている事は彼から居場所を奪い取っている行為に当たるのではないだろうか
「精霊とは?」
「始祖の隸長を、聖核を経て転生させた存在よ」
「その精霊の力でエアルの問題を根本的に解決できるかもしれないんです」
「エアルをマナに変換してね」
「……そうか。だから……」
彼はアルシア達が行っている事で始祖の隸長が姿を消していっている事をも感知したのだろうか、デュークは初めて見る表情をアルシア達に見せた
「デューク……?」
「……転生……エアルを変換……おまえたち、世界を作り変えようとでもいうのか
元はと言えば人間が引き起こした問題のためになんという傲慢さだ」
人間達が引き起こした、生み出した星喰みの為に世界と始祖の隸長のあり方を変革させようと間接的にアルシア達がやっている事にデュークは許せないと言わんばかりに視線を鋭く閃かせる
デュークの言わんとする事は彼が見放した人間達の代表の様なものだ、今の世界で安定しているというのに何故その安定を捨てなければならないのかと
ーいつか来るとは思ってた、私達がやっている事に対する批判がこの人から言われるなんて…
「だが、エアルの問題を解決しなけりゃ星喰みが世界を滅ぼしちまうだろ」
「ベリウスもわかってくれたんです。ウンディーネとなって、わたしたちに力を貸してくれています」
「フェローも、そうよ。彼はイフリートとして生まれ変わったわ
それに星喰みは世界だけじゃない、陽月の子であるアルシアに何かしらの影響が出るかもしれない」
「テルカ・リュミレースのあるべき形。それは始祖の隸長を含む全ての生物が自然な形で生命を営めるもの
それはおまえたちもわかっていよう」
アルシア達のやっている事は自然の摂理を破壊しようとする反逆そのものだとデュークは言う、生態系に変化を求めるのは彼が言う生命の営みとは違うものなのだろう
だがその生態系の変化を、始祖の隸長から精霊に変化する事を望まなければ、グシオスはあのままエアルに呑まれ、星喰みになっていた事を容認する事になってしまっていた
「けど、エアルを調整しようと頑張ってくれたグシオスも限界を超えちゃって危なかったんだよ!」
「ああ、ノームに転生してなかったらどうなってたことか……」
「のじゃ。だから人も始祖の隸長も、いろんな生物の壁を越えて、ちゃんと分かり合えるのじゃ」
「……たとえそうであっても私は認める訳にはいかぬ、私はこの世界を守る」
「それともあなたはノーム…グシオスが死ぬことも自然の摂理だと納得できるの?」
「…………」
アルシアの言葉が止めとなったのか、デュークはその問いかけに答えずに口を噤んでしまった、彼と自分達は世界を守る意思を同じくして、決して相容れないと互いが分かったからか
けれど一つの疑問が浮かぶ、現状では精霊以外にエアルを制御出来る方法も存在もない、けれどそれはデュークが拒む、ならば彼はどうやって星喰みから世界を守ろうというのか
そうこうしている内に漸く平面に辿り着き、仲間達の中でそこそこの年齢であるレイヴンの体力が限界だという様に膝が震え、彼はそれを抑える
「ほれ、がんばるのじゃ。進むのじゃ」
「ひいこら、こりゃ年寄りにゃ堪えるわ」
「しっかりしろよ、おっさん」
「結構道が険しいから、下りでも堪えるね…」
「そうよ、帰りはこれを登らなきゃならないんだから」
体力的にはまだ楽な下り坂でも帰りには上り坂へと変貌する、その事を忘れていたのかレイヴンは気が滅入ったのか後ろへと倒れ込んでしまった
「お、おじ様?!」
「あ、死んだ」
ユーリとリタが倒れ込んだレイヴンに呆れる中、ラピートが不意に前方からこちらに向かってくる気配に気付き、アルシア達に警戒を促す為に唸りをあげた
「誰か来ます!」
「こんなところに、人……?」
「あの人……」
前方に伸びる分かれ道の右側よりラピードが警戒していた気配、白色を携えた人物が現れると彼はアルシア達の姿に微かに目を見張った様だった
「おまえたち……!」
「デューク!あんたか。相変わらず神出鬼没だな」
「アルシアとユーリを助けてくれてありがとうなのじゃ」
敵や魔物ではなく、ザウデから落下したアルシアとユーリを助け出した恩人であるデュークだと知り、パティは警戒心を解き、笑顔を浮かべた
その簡単に解いた警戒心の緩さに同じく次々と警戒心を解いたリタは呆れ顔を浮かべ、パティの言動は本来なら二人が言うべきじゃないかと突っ込みを入れざるを得なかった
「なんであんたがお礼言うのよ……」
「どうして、あなたがここに?」
「……ここで何をしている?」
「ここに始祖の隸長がいるらしいんでな、精霊になってくれるよう頼みに来たのさ」
質問に質問を返されたものの彼からの質問にこちらが答えるが、デュークはその答案に口を噤んだ為に静寂が流れ、風が吹き抜ける
始祖の隸長に身を寄せた、とデュークは言った、なら自分達がしている事は彼から居場所を奪い取っている行為に当たるのではないだろうか
「精霊とは?」
「始祖の隸長を、聖核を経て転生させた存在よ」
「その精霊の力でエアルの問題を根本的に解決できるかもしれないんです」
「エアルをマナに変換してね」
「……そうか。だから……」
彼はアルシア達が行っている事で始祖の隸長が姿を消していっている事をも感知したのだろうか、デュークは初めて見る表情をアルシア達に見せた
「デューク……?」
「……転生……エアルを変換……おまえたち、世界を作り変えようとでもいうのか
元はと言えば人間が引き起こした問題のためになんという傲慢さだ」
人間達が引き起こした、生み出した星喰みの為に世界と始祖の隸長のあり方を変革させようと間接的にアルシア達がやっている事にデュークは許せないと言わんばかりに視線を鋭く閃かせる
デュークの言わんとする事は彼が見放した人間達の代表の様なものだ、今の世界で安定しているというのに何故その安定を捨てなければならないのかと
ーいつか来るとは思ってた、私達がやっている事に対する批判がこの人から言われるなんて…
「だが、エアルの問題を解決しなけりゃ星喰みが世界を滅ぼしちまうだろ」
「ベリウスもわかってくれたんです。ウンディーネとなって、わたしたちに力を貸してくれています」
「フェローも、そうよ。彼はイフリートとして生まれ変わったわ
それに星喰みは世界だけじゃない、陽月の子であるアルシアに何かしらの影響が出るかもしれない」
「テルカ・リュミレースのあるべき形。それは始祖の隸長を含む全ての生物が自然な形で生命を営めるもの
それはおまえたちもわかっていよう」
アルシア達のやっている事は自然の摂理を破壊しようとする反逆そのものだとデュークは言う、生態系に変化を求めるのは彼が言う生命の営みとは違うものなのだろう
だがその生態系の変化を、始祖の隸長から精霊に変化する事を望まなければ、グシオスはあのままエアルに呑まれ、星喰みになっていた事を容認する事になってしまっていた
「けど、エアルを調整しようと頑張ってくれたグシオスも限界を超えちゃって危なかったんだよ!」
「ああ、ノームに転生してなかったらどうなってたことか……」
「のじゃ。だから人も始祖の隸長も、いろんな生物の壁を越えて、ちゃんと分かり合えるのじゃ」
「……たとえそうであっても私は認める訳にはいかぬ、私はこの世界を守る」
「それともあなたはノーム…グシオスが死ぬことも自然の摂理だと納得できるの?」
「…………」
アルシアの言葉が止めとなったのか、デュークはその問いかけに答えずに口を噤んでしまった、彼と自分達は世界を守る意思を同じくして、決して相容れないと互いが分かったからか
けれど一つの疑問が浮かぶ、現状では精霊以外にエアルを制御出来る方法も存在もない、けれどそれはデュークが拒む、ならば彼はどうやって星喰みから世界を守ろうというのか