chapter:63 豪気なる脈動、誇りは譲らず
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カロルの姿を見て、張りつめていた糸が切れたのかその場に崩れ落ちたナンの元へカロルとエステルが駆け寄り、その怪我に眉を顰めながら、治癒術を施す
「ひどいケガ……」
「何でこんな所に一人で……?」
「しっかり!ナン!」
倒れた彼女が「魔狩りの剣」の幹部レベルの強さを持っているのはテムザ山で剣を交えた時に承知している、だがそれでも幼い少女をこんな所に一人で残していったという事実がどうも解せない
必死のカロルによる呼び掛けとエステルの治癒術により、怪我が完治したナンは目を覚ますとカロルに焦点を合わす
「カロル……」
「一人でどうしたんだよ!首領やティソンたちは?」
ここにいる誰もが思っていたであろう疑問をカロルが口にする、それに助けてくれた礼としてかナンはよろよろと未だ思う様に動けないだろう体を起こし、素直に口を開いた
「……師匠たちは奥に……」
「え!?ナンをおいて!?首領はともかく、ティソンがナンをつれてかないなんて……いったい、何があったのさ!」
「不意に標的とここで戦いになって、あたし、いつもみたいに出来なくて……師匠が、迷いがあるからだって」
「迷い?」
「魔物は憎い、許せない、その気持ちは変わらない
でも今はこんなとこにまで来て、魔物を狩ることよりもしなきゃいけないことがあるんじゃないかって……それを話したら……」
「置いて行かれたってか」
世界を覆い尽くさんと、喰らおうとせんばかりに突如として現れた星喰み、その出現にナンの中に迷いが生まれたのだろう、今は世界をあの得体のしれないものから守るべきではないのかと
だがその想いは彼女が信頼するティソンやクリントには届かず、こうしてここに置いて行かれたのだと彼女はここにいた理由を語った
彼女の抱く想いはアルシア達の持つものと同じく、逆に今もこうして魔物を狩ろうと先に行ったティソン達の思惑にアルシア達は怪訝な想いを吐露する
「愚かね。この期に及んで、生き方を見つめ直せないなんて」
「世界がこんな状況になっても、自分達の理念に酔いしれてるなんてね」
「ひどいよ!ナンは間違ってないのに!」
「ま、落ち着け、カロル
なぁ、「魔狩りの剣」の狙いは始祖の隸長だろ」
ユーリからの問いかけにナンは頷く、やはりここに自分達が追い求める始祖の隸長がいるのは間違いない様だ
「魔狩りの剣」に先を越され、始祖の隸長を処分され、聖核をも奪われてしまえば、ここまで来た理由も水の泡となる
「急いだ方が良さそうね」
「ああ」
次に行くべき場所は決まった、けれどここにティソン達と同じ様にナンを置いて行ける訳もなく、カロルはナンに歩み寄る
「さぁナン、歩ける?」
「え?う、うん。けど……」
「こんなところに一人でいては危険です」
「いつ魔物が襲って来るか分からないし、私達といた方がいいよ」
「一緒に行こう、ナン」
「カロル……、うん」
自分が知らない所でカロルの内面が変わったことに驚きながらもナンは立ち上がり、差し伸ばされたかつては自分が切り捨てた手を取ったのだった
ナンという同行者を迎え、アルシア達は奥に進む、先に敷かれた分かれ道を進むと地面が深紅に染まった場所が視界に広がる
「っ……」
依然程ではないといえど、微かに自分の術式が作動しようとする痛みはどうやっても慣れるものではないらしい、エステル達が先へ向かっているというのにアルシアはその為に動けずにいた
速く動かないと、と胸を抑えながら囃し立てながらもふらつく体を不意に肩を持つことで支えられ、自分が何より落ち着く声が彼女の心をも支える
「無理すんな、アルシア。お前が倒れたら心臓に悪いからな」
「……ありがとう、ユーリ。でも大丈夫、ウンディーネとイフリートがいるから」
「……無理だと思ったら、すぐに言えよ」
「うん……!」
念を押され、ユーリに手を引かれながらアルシアも先に向かったエステル達の元へ駆けつける
その視界の先に居るのは間違いなく始祖の隸長だが…これが初対面という訳ではなかった、否むしろ彼が始祖の隸長だとは思っても見なかった
「グシオス!」
「グシオスってあいつ!?確かカルボクラムで……」
「あの時、戦ったのが始祖の隸長だったなんて……」
「なるほど、「魔狩りの剣」にとっちゃ因縁の相手ってとこか」
「で、うちらの茶飲み相手はどっちかの」
「どっち、ってあのねえ」
この状況下でも天然発言を投下するパティに思わず意識が緩みそうになる一同、だがその発言に気を取られず、ジュディスはグシオスへと駆け寄ろうと足を踏み出す
どう見てもグシオスの様子が正常ではない事は目に見えて確か、今彼女がグシオスに近寄れば何が起こるか分からない
「待って、ジュディス。様子がおかしいです!」
「ベリウスの時と様子が似てる……?」
思い浮かばせられるのは無知なエステルの優しさが裏目に出てしまったあの夜の事、これはその夜の時のベリウスと同じくグシオスもまた暴走しているということなのか
何故彼が暴走しているのか分からないアルシア達の視界に同じく暴走するエアルが充満する中で思う様に動けないティソンとクリントがグシオスの前で膝をついている所だった
「おおりゃあああ!!」
それでも尚、「魔狩りの剣」としてグシオスを狩ろうと信条でティソンはグシオスへと駆け出すもその巨体の前では容易く跳ね飛ばされてしまう
「ひどいケガ……」
「何でこんな所に一人で……?」
「しっかり!ナン!」
倒れた彼女が「魔狩りの剣」の幹部レベルの強さを持っているのはテムザ山で剣を交えた時に承知している、だがそれでも幼い少女をこんな所に一人で残していったという事実がどうも解せない
必死のカロルによる呼び掛けとエステルの治癒術により、怪我が完治したナンは目を覚ますとカロルに焦点を合わす
「カロル……」
「一人でどうしたんだよ!首領やティソンたちは?」
ここにいる誰もが思っていたであろう疑問をカロルが口にする、それに助けてくれた礼としてかナンはよろよろと未だ思う様に動けないだろう体を起こし、素直に口を開いた
「……師匠たちは奥に……」
「え!?ナンをおいて!?首領はともかく、ティソンがナンをつれてかないなんて……いったい、何があったのさ!」
「不意に標的とここで戦いになって、あたし、いつもみたいに出来なくて……師匠が、迷いがあるからだって」
「迷い?」
「魔物は憎い、許せない、その気持ちは変わらない
でも今はこんなとこにまで来て、魔物を狩ることよりもしなきゃいけないことがあるんじゃないかって……それを話したら……」
「置いて行かれたってか」
世界を覆い尽くさんと、喰らおうとせんばかりに突如として現れた星喰み、その出現にナンの中に迷いが生まれたのだろう、今は世界をあの得体のしれないものから守るべきではないのかと
だがその想いは彼女が信頼するティソンやクリントには届かず、こうしてここに置いて行かれたのだと彼女はここにいた理由を語った
彼女の抱く想いはアルシア達の持つものと同じく、逆に今もこうして魔物を狩ろうと先に行ったティソン達の思惑にアルシア達は怪訝な想いを吐露する
「愚かね。この期に及んで、生き方を見つめ直せないなんて」
「世界がこんな状況になっても、自分達の理念に酔いしれてるなんてね」
「ひどいよ!ナンは間違ってないのに!」
「ま、落ち着け、カロル
なぁ、「魔狩りの剣」の狙いは始祖の隸長だろ」
ユーリからの問いかけにナンは頷く、やはりここに自分達が追い求める始祖の隸長がいるのは間違いない様だ
「魔狩りの剣」に先を越され、始祖の隸長を処分され、聖核をも奪われてしまえば、ここまで来た理由も水の泡となる
「急いだ方が良さそうね」
「ああ」
次に行くべき場所は決まった、けれどここにティソン達と同じ様にナンを置いて行ける訳もなく、カロルはナンに歩み寄る
「さぁナン、歩ける?」
「え?う、うん。けど……」
「こんなところに一人でいては危険です」
「いつ魔物が襲って来るか分からないし、私達といた方がいいよ」
「一緒に行こう、ナン」
「カロル……、うん」
自分が知らない所でカロルの内面が変わったことに驚きながらもナンは立ち上がり、差し伸ばされたかつては自分が切り捨てた手を取ったのだった
ナンという同行者を迎え、アルシア達は奥に進む、先に敷かれた分かれ道を進むと地面が深紅に染まった場所が視界に広がる
「っ……」
依然程ではないといえど、微かに自分の術式が作動しようとする痛みはどうやっても慣れるものではないらしい、エステル達が先へ向かっているというのにアルシアはその為に動けずにいた
速く動かないと、と胸を抑えながら囃し立てながらもふらつく体を不意に肩を持つことで支えられ、自分が何より落ち着く声が彼女の心をも支える
「無理すんな、アルシア。お前が倒れたら心臓に悪いからな」
「……ありがとう、ユーリ。でも大丈夫、ウンディーネとイフリートがいるから」
「……無理だと思ったら、すぐに言えよ」
「うん……!」
念を押され、ユーリに手を引かれながらアルシアも先に向かったエステル達の元へ駆けつける
その視界の先に居るのは間違いなく始祖の隸長だが…これが初対面という訳ではなかった、否むしろ彼が始祖の隸長だとは思っても見なかった
「グシオス!」
「グシオスってあいつ!?確かカルボクラムで……」
「あの時、戦ったのが始祖の隸長だったなんて……」
「なるほど、「魔狩りの剣」にとっちゃ因縁の相手ってとこか」
「で、うちらの茶飲み相手はどっちかの」
「どっち、ってあのねえ」
この状況下でも天然発言を投下するパティに思わず意識が緩みそうになる一同、だがその発言に気を取られず、ジュディスはグシオスへと駆け寄ろうと足を踏み出す
どう見てもグシオスの様子が正常ではない事は目に見えて確か、今彼女がグシオスに近寄れば何が起こるか分からない
「待って、ジュディス。様子がおかしいです!」
「ベリウスの時と様子が似てる……?」
思い浮かばせられるのは無知なエステルの優しさが裏目に出てしまったあの夜の事、これはその夜の時のベリウスと同じくグシオスもまた暴走しているということなのか
何故彼が暴走しているのか分からないアルシア達の視界に同じく暴走するエアルが充満する中で思う様に動けないティソンとクリントがグシオスの前で膝をついている所だった
「おおりゃあああ!!」
それでも尚、「魔狩りの剣」としてグシオスを狩ろうと信条でティソンはグシオスへと駆け出すもその巨体の前では容易く跳ね飛ばされてしまう