chapter:57 譲れないもの、ひとつ
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ザウデから足が離れた自分に息を呑み、必死の形相で彼女は自分に手を伸ばし、助ける為に危険も省みずに中空へ飛び込んできた
先程デュークは宙の戒典を海へ失う訳には行かないから、自分を助けたと言ったがその理由の中にアルシアを助ける為の様な気がする
「お前がいたから、デュークの奴、ついでにオレのことも助けたんだろうな」
「んぅ…?」
「お目覚めか?」
「ん…ユーリ……?……!」
人の気配に気付いたのか、もしくは自分の呟きに意識を燻られたのか目覚めたアルシアは寝ぼけ眼でユーリを認識した途端に目を見開く
飛び起きた体で彼の両腕を自身の両腕で捕らえた表情はユーリが先程思い返していたザウデの時に見た表情と酷使していた
「ユーリ、怪我……っ怪我、大丈夫?!痛くないっ?ううん痛いよねっ?!
治癒術…あ、リタにまだ使っちゃだめだって言われたんだった……どうしよう…」
「落ち着けって、アルシア」
ザウデから落ちていく自分を見たせいで余計に慌てふためくアルシアを何とか落ち着かせようとしながら、彼女の傷口にちゃんと処置が施されている事に気付き、ユーリは安堵する
彼が安堵するのと同時にアルシアも彼が目を覚ました事に安堵し、胸に手を置くと良かった、と一言零す
「……ユーリ、全然目を覚まさないから、このまま起きないんじゃないかって……」
「そんな柔じゃねぇことはお前が良く知ってるだろ?」
「うん、それでも……心配したの」
眉を下げ、力無く微笑むアルシアのその表情には様々な事に対する罪悪感などが含まれ、いつも通りの彼女の輝きには及ばない
いつまでそんな風にふさぎ込んでいるつもりだと独りでに苛立ち、ユーリはアルシアの額を指で弾く
「っ……?!え、な、なに…?」
「心配したってのはこっちの台詞だ。…アルシア。お前が死んで本当に全部が解決すると思ってたのか?」
そういえば彼女はいつもこうだ、ひとりでに抱かなくても良い余計なものを背負い、戻れない所まで落ち込み限界に至る
今回の至った限界は自分を殺して、と願った所、それを思い出し、ザウデでの延長としてアルシアの言動と行動を諌める
彼の怒りが拭えていないこと、そしてそれは他ならぬ自分が植え付けたものだということを知った上で俯きながらも応える
「……それでも私が死ぬ事でザウデは起動しないままでいたかもしれない、ザーフィアスだって……あんな風にならなかったかもしれない
私の力はあんな混乱を引き起こしてしまうんだって分かったから…あんな言葉が出てしまったの、私の命一つで少しでも何か解決出来るならって」
「……お前が死んで解決するって考え事態が間違いなんだって、まだ気付かねぇのかよ」
「え?」
「オレはアルシアが犠牲になった世界で、下町で生きたいだなんて思わない
お前がオレの隣にいる、んでバカみたいに笑ってるアルシアがいる世界の方が良いんだよ」
「……っ」
かけられた言動に弾かれた様に上げた視線に映った彼は窓の外の星空を見上げていた、自分は見られていないが今かけられた優しい言葉は自分の為に紡がれたもので
涙腺が緩んでいるのか、そんな彼にとってはとるに足らない言葉にも瞳には涙が溜まる
「……あの時、言ってたよな。『普通の女の子として幸せになりたい』『生きたい』って。……その言葉は、願いは今も変わってないか?」
「……うん、変わってないよ。変わる筈がない」
その願いだけはアレクセイに自我を失われても譲れない、心の底に隠し続け、守り続けていた唯一だから
「ならその願い、オレが叶えてやる」
「それってどういう……」
「惚れた女の願いを叶えさせたいって思うのは普通だろ」
「惚れっ……?!」
あっけらかんとそう言い切ったユーリとは裏腹にかぁっと顔を赤くし、目を見開くアルシアへ彼は真剣な眼差しを星空から彼女へ向き直した
一瞬ふざけてるのかとも思えた話題、それは違うと彼の視線によって認識を改めた
「アルシア、陽月の子としてじゃなくてお前が夢見た普通の女の子としてオレと一緒に生きてくれないか?絶対に幸せにしてやる、後悔なんてさせねぇ」
「っ……っ……」
口を両手で覆い、今度こそ瞳に溜まっていた涙をぽろぽろと大粒の真珠にも見間違える涙を少女は世界へ落としていく
乱れたエアルの中で彼と対峙して気付いたこと、こんなにも自分は彼が好きで必要としていて、ずっと一緒にいたくて、出来るなら彼と幸せになりたいと思っていた
あの時はそんな奇跡は残されていないのだと絶望したが、彼はまたこんな自分に手を差し伸べてくれた、普通の少女で良いのだと
「……っほんとに、本当に…私でいいの…っ?私、すぐに弱音はいちゃうし…ユーリに頼ってばっかりで、支えるって約束も守れなかったのに……」
「バカ、守れてるよ。いつもオレはアルシアに支えられてきた、そしてこれからも支えて欲しいから、お前ともザウデで戦ったんだぜ?
確かにいっつもオレ達に頼らないで抱え込み過ぎるけど、そんなアルシアだから誰より甘やかしたい、愛したいってオレは思える」
本当に彼はこんな自分がいい、と言ってくれている、受け止めようと両腕を広げてくれている
ならもうこんなまどろっこしく、彼を信じていない様にも思わせる問いかけは止めようとアルシアは涙を強引に拭うとユーリを見上げる
先程デュークは宙の戒典を海へ失う訳には行かないから、自分を助けたと言ったがその理由の中にアルシアを助ける為の様な気がする
「お前がいたから、デュークの奴、ついでにオレのことも助けたんだろうな」
「んぅ…?」
「お目覚めか?」
「ん…ユーリ……?……!」
人の気配に気付いたのか、もしくは自分の呟きに意識を燻られたのか目覚めたアルシアは寝ぼけ眼でユーリを認識した途端に目を見開く
飛び起きた体で彼の両腕を自身の両腕で捕らえた表情はユーリが先程思い返していたザウデの時に見た表情と酷使していた
「ユーリ、怪我……っ怪我、大丈夫?!痛くないっ?ううん痛いよねっ?!
治癒術…あ、リタにまだ使っちゃだめだって言われたんだった……どうしよう…」
「落ち着けって、アルシア」
ザウデから落ちていく自分を見たせいで余計に慌てふためくアルシアを何とか落ち着かせようとしながら、彼女の傷口にちゃんと処置が施されている事に気付き、ユーリは安堵する
彼が安堵するのと同時にアルシアも彼が目を覚ました事に安堵し、胸に手を置くと良かった、と一言零す
「……ユーリ、全然目を覚まさないから、このまま起きないんじゃないかって……」
「そんな柔じゃねぇことはお前が良く知ってるだろ?」
「うん、それでも……心配したの」
眉を下げ、力無く微笑むアルシアのその表情には様々な事に対する罪悪感などが含まれ、いつも通りの彼女の輝きには及ばない
いつまでそんな風にふさぎ込んでいるつもりだと独りでに苛立ち、ユーリはアルシアの額を指で弾く
「っ……?!え、な、なに…?」
「心配したってのはこっちの台詞だ。…アルシア。お前が死んで本当に全部が解決すると思ってたのか?」
そういえば彼女はいつもこうだ、ひとりでに抱かなくても良い余計なものを背負い、戻れない所まで落ち込み限界に至る
今回の至った限界は自分を殺して、と願った所、それを思い出し、ザウデでの延長としてアルシアの言動と行動を諌める
彼の怒りが拭えていないこと、そしてそれは他ならぬ自分が植え付けたものだということを知った上で俯きながらも応える
「……それでも私が死ぬ事でザウデは起動しないままでいたかもしれない、ザーフィアスだって……あんな風にならなかったかもしれない
私の力はあんな混乱を引き起こしてしまうんだって分かったから…あんな言葉が出てしまったの、私の命一つで少しでも何か解決出来るならって」
「……お前が死んで解決するって考え事態が間違いなんだって、まだ気付かねぇのかよ」
「え?」
「オレはアルシアが犠牲になった世界で、下町で生きたいだなんて思わない
お前がオレの隣にいる、んでバカみたいに笑ってるアルシアがいる世界の方が良いんだよ」
「……っ」
かけられた言動に弾かれた様に上げた視線に映った彼は窓の外の星空を見上げていた、自分は見られていないが今かけられた優しい言葉は自分の為に紡がれたもので
涙腺が緩んでいるのか、そんな彼にとってはとるに足らない言葉にも瞳には涙が溜まる
「……あの時、言ってたよな。『普通の女の子として幸せになりたい』『生きたい』って。……その言葉は、願いは今も変わってないか?」
「……うん、変わってないよ。変わる筈がない」
その願いだけはアレクセイに自我を失われても譲れない、心の底に隠し続け、守り続けていた唯一だから
「ならその願い、オレが叶えてやる」
「それってどういう……」
「惚れた女の願いを叶えさせたいって思うのは普通だろ」
「惚れっ……?!」
あっけらかんとそう言い切ったユーリとは裏腹にかぁっと顔を赤くし、目を見開くアルシアへ彼は真剣な眼差しを星空から彼女へ向き直した
一瞬ふざけてるのかとも思えた話題、それは違うと彼の視線によって認識を改めた
「アルシア、陽月の子としてじゃなくてお前が夢見た普通の女の子としてオレと一緒に生きてくれないか?絶対に幸せにしてやる、後悔なんてさせねぇ」
「っ……っ……」
口を両手で覆い、今度こそ瞳に溜まっていた涙をぽろぽろと大粒の真珠にも見間違える涙を少女は世界へ落としていく
乱れたエアルの中で彼と対峙して気付いたこと、こんなにも自分は彼が好きで必要としていて、ずっと一緒にいたくて、出来るなら彼と幸せになりたいと思っていた
あの時はそんな奇跡は残されていないのだと絶望したが、彼はまたこんな自分に手を差し伸べてくれた、普通の少女で良いのだと
「……っほんとに、本当に…私でいいの…っ?私、すぐに弱音はいちゃうし…ユーリに頼ってばっかりで、支えるって約束も守れなかったのに……」
「バカ、守れてるよ。いつもオレはアルシアに支えられてきた、そしてこれからも支えて欲しいから、お前ともザウデで戦ったんだぜ?
確かにいっつもオレ達に頼らないで抱え込み過ぎるけど、そんなアルシアだから誰より甘やかしたい、愛したいってオレは思える」
本当に彼はこんな自分がいい、と言ってくれている、受け止めようと両腕を広げてくれている
ならもうこんなまどろっこしく、彼を信じていない様にも思わせる問いかけは止めようとアルシアは涙を強引に拭うとユーリを見上げる