chapter:61 今は遠き無垢な日々に思いもせず
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予想だにしていなかった新たなエアルの抑制力となれる可能性を秘めた精霊の誕生を見届け、各地の始祖の隸長に接触する為にアルシア達は氷刃海の出口を目指す
自分の前を歩き、談笑するアルシアとエステルの背中を見ていた、二人の力の抑制に力を注いでくれたリタは隠し切れずに笑みをついに零した
「ふふふふ」
「なんだ?リタ、嬉しそうだな」
「ユーリもね」
「アルシアとエステルを縛るものが何も無くなったのよ
もう力を使っても命を削る事もない、エアルを乱す事も、大量に呼び寄せる事も、調整する事もない、嬉しいに決まってるでしょ」
「アルシアとエステルはホントに自由になったんだね!」
「ああ、けどおかげでまた無茶するだろうから……」
「しっかり見ておかないとね、ぶっ倒れるまで人を治し続けちゃうかも」
「さっきこれでまた戦えるって言ってたしな、アルシア。目光らせておかねぇと……」
二人を拘束するものがウンディーネの存在によってなくなり、アレクセイの件が在る前までと何ら変わりのない自由を手にした事は仲間として喜ばしい事ではある
だが放っとけない病である二人がそれによって無茶をするのでは、という可能性を危惧している途端に二人の前に魔物が現れ、アルシアがジェミニに手をかけ、嬉しそうに体を動かし始めた
「皆、敵が来たよ!一気に畳み掛けちゃおう!」
「あ、おい、ちょっと待て、アルシア!」
突っ走ろうとしたアルシアを間一髪で食い止める事、出口に向かうまで数回、彼女は抑制したままでも良かったなと思う者が一人いたのは彼女の知る所ではなかった
氷刃海出口で立ち止まるとカロルはエステルとアルシアへ他が気にかけているであろう事を代表して疑問を投げかけた
「ウンディーネ、ホントに居るの?」
「はい。うまく言えませんけど一緒にいます、感じます」
「姿は見えないけど、ちゃんと私達の傍にいてくれているみたい」
「エステルかアルシアの体の中に入っとるのかもしれんの」
「二人を通じて誕生したことでなにかつながりが生じたのかも、興味深い……」
「リ、リタ?何か……目が怖い、よ?」
精霊という存在は未だ未知数だ、研究者としてこれ以上ない研究対象にリタの探究心も燻られているのだろう
それらを含んだ視線を穴が空く程に見つめて来るリタに身の危険を感じ、ウンディーネと縁を持つアルシアとエステルは寒さとは違うものに怯えてしまうので呆れたユーリがすかさずフォローへ回る
「研究はまたにしてくれよ」
「分かってるわよ、そんな……」
そんなこと、と続こうとしたのだろうか、その言葉に被る様に地響きがアルシア達を襲って来た
「な、なに、今の!?」
「あの方角は確か……」
「ザウデの方角ね」
「何か起こったの…?!」
地響きの発生源であるザウデがある方角へ目を向けると海中より放たれた複数の光柱が空目掛け飛び立ち、次々に星喰みから世界を守っていた結界が綻んで行く
穿たれた結界の穴の外から星喰みとその眷属達が次々と世界へ帰還する中、海へと落下したザウデの魔核が海面で爆発、その振動が自分達を襲った地響きの発生源だった様だ
「空が……」
「星喰みが……まさかザウデが停止した……?」
「あちゃー、どっか下手なとこいじりでもしたのかね」
「あれが本当の災厄……」
「なるほど、世界を喰いかねねえな」
淀んだ色に侵蝕された空と本格的に始まった星喰みによる世界の捕食、本性を現した災厄にカロルの声も思わず恐怖に竦む
「あんなの、どうしたらいいんだろう」
「……ちょいと包丁で三枚におろすには大きすぎるようじゃの」
「なあリタ、あの星喰みってのはエアルから生まれたってデュークが言ってたんだが」
「え?」
「精霊はエアルを物質に変えるってんなら
もし十分な精霊がいたら、星喰みもどうにかできないか?」
「つ、つまり星喰みを精霊の力を借りて、物質化して分解するってこと?そんなの、出来るの?ううん、けど……!」
あまりにも都合が良すぎる話の流れ、精霊の力だってまだどこまで確かなものかも分かっていない状況で弾かれた対抗策
けれど世界を覆う結界が解かれた今、他に頼るものはない、時間だって待ってはくれない、ならば自分達が生み出した新たな可能性に運命を託そうか
「分からない、そんなの分からない。でも……やってみる価値はあると思う」
「やりましょう、ユーリ!」
「簡単なことじゃないけど、私達ならきっと出来るよ!」
「決まりだな」
リタにもやってみる価値はある、というお墨付きを貰い、続々とユーリの提案に賛成の声を上げる仲間達
上空では増殖した星喰み達が世界に新たな恐怖を植え付けていたが、その暗がりの中でも希望は見つけた、精霊を生み出す為にも始祖の隸長達の元へ向かわなければ
「バウル!?……そう、分かったわ。ありがとう」
自分達が取るべき方向性を決めた瞬間に届いたバウルの言葉を聞き届け、ジュディスは険しい顔つきで星喰みによる被害をアルシア達へ寄越した
自分の前を歩き、談笑するアルシアとエステルの背中を見ていた、二人の力の抑制に力を注いでくれたリタは隠し切れずに笑みをついに零した
「ふふふふ」
「なんだ?リタ、嬉しそうだな」
「ユーリもね」
「アルシアとエステルを縛るものが何も無くなったのよ
もう力を使っても命を削る事もない、エアルを乱す事も、大量に呼び寄せる事も、調整する事もない、嬉しいに決まってるでしょ」
「アルシアとエステルはホントに自由になったんだね!」
「ああ、けどおかげでまた無茶するだろうから……」
「しっかり見ておかないとね、ぶっ倒れるまで人を治し続けちゃうかも」
「さっきこれでまた戦えるって言ってたしな、アルシア。目光らせておかねぇと……」
二人を拘束するものがウンディーネの存在によってなくなり、アレクセイの件が在る前までと何ら変わりのない自由を手にした事は仲間として喜ばしい事ではある
だが放っとけない病である二人がそれによって無茶をするのでは、という可能性を危惧している途端に二人の前に魔物が現れ、アルシアがジェミニに手をかけ、嬉しそうに体を動かし始めた
「皆、敵が来たよ!一気に畳み掛けちゃおう!」
「あ、おい、ちょっと待て、アルシア!」
突っ走ろうとしたアルシアを間一髪で食い止める事、出口に向かうまで数回、彼女は抑制したままでも良かったなと思う者が一人いたのは彼女の知る所ではなかった
氷刃海出口で立ち止まるとカロルはエステルとアルシアへ他が気にかけているであろう事を代表して疑問を投げかけた
「ウンディーネ、ホントに居るの?」
「はい。うまく言えませんけど一緒にいます、感じます」
「姿は見えないけど、ちゃんと私達の傍にいてくれているみたい」
「エステルかアルシアの体の中に入っとるのかもしれんの」
「二人を通じて誕生したことでなにかつながりが生じたのかも、興味深い……」
「リ、リタ?何か……目が怖い、よ?」
精霊という存在は未だ未知数だ、研究者としてこれ以上ない研究対象にリタの探究心も燻られているのだろう
それらを含んだ視線を穴が空く程に見つめて来るリタに身の危険を感じ、ウンディーネと縁を持つアルシアとエステルは寒さとは違うものに怯えてしまうので呆れたユーリがすかさずフォローへ回る
「研究はまたにしてくれよ」
「分かってるわよ、そんな……」
そんなこと、と続こうとしたのだろうか、その言葉に被る様に地響きがアルシア達を襲って来た
「な、なに、今の!?」
「あの方角は確か……」
「ザウデの方角ね」
「何か起こったの…?!」
地響きの発生源であるザウデがある方角へ目を向けると海中より放たれた複数の光柱が空目掛け飛び立ち、次々に星喰みから世界を守っていた結界が綻んで行く
穿たれた結界の穴の外から星喰みとその眷属達が次々と世界へ帰還する中、海へと落下したザウデの魔核が海面で爆発、その振動が自分達を襲った地響きの発生源だった様だ
「空が……」
「星喰みが……まさかザウデが停止した……?」
「あちゃー、どっか下手なとこいじりでもしたのかね」
「あれが本当の災厄……」
「なるほど、世界を喰いかねねえな」
淀んだ色に侵蝕された空と本格的に始まった星喰みによる世界の捕食、本性を現した災厄にカロルの声も思わず恐怖に竦む
「あんなの、どうしたらいいんだろう」
「……ちょいと包丁で三枚におろすには大きすぎるようじゃの」
「なあリタ、あの星喰みってのはエアルから生まれたってデュークが言ってたんだが」
「え?」
「精霊はエアルを物質に変えるってんなら
もし十分な精霊がいたら、星喰みもどうにかできないか?」
「つ、つまり星喰みを精霊の力を借りて、物質化して分解するってこと?そんなの、出来るの?ううん、けど……!」
あまりにも都合が良すぎる話の流れ、精霊の力だってまだどこまで確かなものかも分かっていない状況で弾かれた対抗策
けれど世界を覆う結界が解かれた今、他に頼るものはない、時間だって待ってはくれない、ならば自分達が生み出した新たな可能性に運命を託そうか
「分からない、そんなの分からない。でも……やってみる価値はあると思う」
「やりましょう、ユーリ!」
「簡単なことじゃないけど、私達ならきっと出来るよ!」
「決まりだな」
リタにもやってみる価値はある、というお墨付きを貰い、続々とユーリの提案に賛成の声を上げる仲間達
上空では増殖した星喰み達が世界に新たな恐怖を植え付けていたが、その暗がりの中でも希望は見つけた、精霊を生み出す為にも始祖の隸長達の元へ向かわなければ
「バウル!?……そう、分かったわ。ありがとう」
自分達が取るべき方向性を決めた瞬間に届いたバウルの言葉を聞き届け、ジュディスは険しい顔つきで星喰みによる被害をアルシア達へ寄越した