chapter:60 蒼麗たる産声、汝が名は
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
活性化していないエアルクレーネがあると言うゾフェル氷刃海、初めてこの地を訪れたアルシアは刺す様な冷気に肩を震わせるがそれよりも酷い症状の男がここにいた
「あああ寒い寒い寒い、それにしても寒い寒い寒い」
「おじ様、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫じゃない、かも……」
手を擦り、温かさを求めるレイヴンの様子に自分が感じていた寒さもどこへやら、彼を気遣うアルシアを横目で見ながらもこの地のエアルクレーネを求めた理由をリタへ聞く事にするユーリ
その問いかけにユーリと同じ様にアルシアに背中を摩られているレイヴンへ呆れた視線を送っていたリタはエネルギー体で構成されたエアル変換機を作る為だと応えた
「エアルを効率よく物質化することで総量を減らすのが狙いなんだけど、そのためには変換機自体がエアルと物質の両方に近いエネルギーなのが理想なの」
「そのエネルギーってエアルとどう違うのじゃ?」
「属性分化したエアルは段階的に物質に移行して安定する
その途中の段階で固定して、それで変換機術式を構築しようってわけ」
「エアルでも物質でもないってこと?」
「エアルより物質に近い、でも物質にはなってない状態。あたしらは《マナ》って呼んでる」
「マナ……」
「つまりエアルと物質の中間にあるエネルギー?」
「そういうこと」
エアルクレーネでやろうとしていた事はマナで構成された変換機を作り出し、それによって世界中のエアルの総量を減らし、安定させる…短く纏めるとそういう事になるリタの理論
そこまで話し終わるとリタはユーリ達と同じ様に話を聞いていたアルシアに視線を投げ、ちなみに、と一拍置いた後に誰もが思ってもいなかった事を口にして来た
「アルシアが普段使ってるエネルギーよ」
「え、私が?!」
まさかここで自分の力が出てくるとは予想だにしていなかったアルシアは大袈裟にも感じ取られるリアクションで目を見開く
フェローと対峙した時にリタは確かにアルシアの術式はエアルクレーネを刺激しない、エアルを還元するとは言っていたのでいつか何らかの結論に至る予兆はあった
呆然と事実を受け入れるのに時間がかかるアルシアが戻ってくるまで、時間を稼ごうと同じ様に彼女の力の正体が明らかになった事で驚いていたユーリが繋ぐ
「それ、本当か?リタ」
「ええ、陽月の子はどうやらエアルをマナに還元して自分の力にすることが出来るみたい
だからアルシアの術式はその力を使おうと暴走したエアルを呼び寄せる……いわば自立型変換機って所かしら」
「私がマナを使ってた、なんて……」
もしも自分にそれが分かっていたら、こんな事態にならなかったのでは…抜け切らないネガティブ寄りの思考に浸りつつあるアルシアの頭を不意に誰かが小突く
こんな事をするのは彼しかいないなと顔を上げるとやはり予想通り、自分の心を見抜いた様に眉を寄せるユーリがいた
「寒い海の漁火よりも壮厳な雰囲気が短い言葉の中から、今にも溢れてくるのを感じるのじゃ」
「いや、まあ、本当はもっと長ったらしい名前なんだけど
ただ安定してるって言っても物質よりは不安定だから核になるものが必要なの」
「そこで聖核か」
「それと十分なエアルとそれの術式を組み替えるエステルの力とエアルを調整するアルシアの力」
「わたしが抑制術式なしで力を使うとエアルが乱れ、あふれ出してしまうけど……それに……」
言葉が続かない代わりにエステルはアルシアを伺って来た、事例がある為に自分の力を使うのを以前よりも躊躇っている様だ
それと共に自分の力によって乱れたエアルがアルシアを襲うのではないか、フェローの言葉が彼女に重く突き刺さり、結論を出せずにいる
「けど何もしないであいつをほっとくなんてできない。それに……」
「それに?」
「こういう賭けは嫌いじゃない、アルシアが覚悟決めてんのに逃げるわけにはいかねえだろ」
シニカルに笑い、こんな事態になっても尚余裕を崩さないユーリの言葉を聞くエステルに彼女が最も気にしている少女も微笑み、勇気づける
「大丈夫だよ、エステル。皆がいるんだから……今度は一人じゃない」
「アルシア……はいっ」
クリティア族の街で言われたこと、自分は一人だと思って背負い込むな
今度は自分も皆もいる、だから恐れる事なんかないんだと自分の力で何よりの被害を被った筈のアルシアに言われ、エステルも彼女を習って覚悟を決めた様だ
「私は立場上、止めるべきなんだけど……私も乗ってみたくなったわ。この賭けに」
「ユーリ、ジュディス……!」
「うちはその賭けに10億ガルド乗るのじゃ」
「大丈夫よ、理論に間違いはないんだから。その10億、何百倍にもして返してやるわ」
「おお、本当なのか?」
「ええ。さ、エアルクレーネに行こ」
自身の理論に絶対の信頼を置いたリタの言葉にアルシア達の中にも希望の光が大きく宿り、確かな足取りでエアルクレーネを目指し、前進を始める
だがいくら希望が宿り、躍動的になったといえ、自分達が置かれている状況は変わらず、冷気は依然と敵として足取りを重くする
「さ、さみぃなぁ……寒さしのぐ小屋とかねぇのか?」
「氷の上ですから、小屋はちょっとないんじゃ……」
「はっ……くしゅん!ああ、さみー……せめて火がありゃね……」
「そんなに寒いかなぁ?」
きょとり、とレイヴン達の様子に首を傾げるアルシアは暑さを交わすには効率的な薄着、それは逆を返せば寒さに弱い筈なのだが…そんな素振りは最初だけだった
自分達よりも露出が些か多めの彼女がこの冷気に弱音をはかないことはユーリ達にとっては予想外のことである種の歓心が言葉として溢れる
「あああ寒い寒い寒い、それにしても寒い寒い寒い」
「おじ様、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫じゃない、かも……」
手を擦り、温かさを求めるレイヴンの様子に自分が感じていた寒さもどこへやら、彼を気遣うアルシアを横目で見ながらもこの地のエアルクレーネを求めた理由をリタへ聞く事にするユーリ
その問いかけにユーリと同じ様にアルシアに背中を摩られているレイヴンへ呆れた視線を送っていたリタはエネルギー体で構成されたエアル変換機を作る為だと応えた
「エアルを効率よく物質化することで総量を減らすのが狙いなんだけど、そのためには変換機自体がエアルと物質の両方に近いエネルギーなのが理想なの」
「そのエネルギーってエアルとどう違うのじゃ?」
「属性分化したエアルは段階的に物質に移行して安定する
その途中の段階で固定して、それで変換機術式を構築しようってわけ」
「エアルでも物質でもないってこと?」
「エアルより物質に近い、でも物質にはなってない状態。あたしらは《マナ》って呼んでる」
「マナ……」
「つまりエアルと物質の中間にあるエネルギー?」
「そういうこと」
エアルクレーネでやろうとしていた事はマナで構成された変換機を作り出し、それによって世界中のエアルの総量を減らし、安定させる…短く纏めるとそういう事になるリタの理論
そこまで話し終わるとリタはユーリ達と同じ様に話を聞いていたアルシアに視線を投げ、ちなみに、と一拍置いた後に誰もが思ってもいなかった事を口にして来た
「アルシアが普段使ってるエネルギーよ」
「え、私が?!」
まさかここで自分の力が出てくるとは予想だにしていなかったアルシアは大袈裟にも感じ取られるリアクションで目を見開く
フェローと対峙した時にリタは確かにアルシアの術式はエアルクレーネを刺激しない、エアルを還元するとは言っていたのでいつか何らかの結論に至る予兆はあった
呆然と事実を受け入れるのに時間がかかるアルシアが戻ってくるまで、時間を稼ごうと同じ様に彼女の力の正体が明らかになった事で驚いていたユーリが繋ぐ
「それ、本当か?リタ」
「ええ、陽月の子はどうやらエアルをマナに還元して自分の力にすることが出来るみたい
だからアルシアの術式はその力を使おうと暴走したエアルを呼び寄せる……いわば自立型変換機って所かしら」
「私がマナを使ってた、なんて……」
もしも自分にそれが分かっていたら、こんな事態にならなかったのでは…抜け切らないネガティブ寄りの思考に浸りつつあるアルシアの頭を不意に誰かが小突く
こんな事をするのは彼しかいないなと顔を上げるとやはり予想通り、自分の心を見抜いた様に眉を寄せるユーリがいた
「寒い海の漁火よりも壮厳な雰囲気が短い言葉の中から、今にも溢れてくるのを感じるのじゃ」
「いや、まあ、本当はもっと長ったらしい名前なんだけど
ただ安定してるって言っても物質よりは不安定だから核になるものが必要なの」
「そこで聖核か」
「それと十分なエアルとそれの術式を組み替えるエステルの力とエアルを調整するアルシアの力」
「わたしが抑制術式なしで力を使うとエアルが乱れ、あふれ出してしまうけど……それに……」
言葉が続かない代わりにエステルはアルシアを伺って来た、事例がある為に自分の力を使うのを以前よりも躊躇っている様だ
それと共に自分の力によって乱れたエアルがアルシアを襲うのではないか、フェローの言葉が彼女に重く突き刺さり、結論を出せずにいる
「けど何もしないであいつをほっとくなんてできない。それに……」
「それに?」
「こういう賭けは嫌いじゃない、アルシアが覚悟決めてんのに逃げるわけにはいかねえだろ」
シニカルに笑い、こんな事態になっても尚余裕を崩さないユーリの言葉を聞くエステルに彼女が最も気にしている少女も微笑み、勇気づける
「大丈夫だよ、エステル。皆がいるんだから……今度は一人じゃない」
「アルシア……はいっ」
クリティア族の街で言われたこと、自分は一人だと思って背負い込むな
今度は自分も皆もいる、だから恐れる事なんかないんだと自分の力で何よりの被害を被った筈のアルシアに言われ、エステルも彼女を習って覚悟を決めた様だ
「私は立場上、止めるべきなんだけど……私も乗ってみたくなったわ。この賭けに」
「ユーリ、ジュディス……!」
「うちはその賭けに10億ガルド乗るのじゃ」
「大丈夫よ、理論に間違いはないんだから。その10億、何百倍にもして返してやるわ」
「おお、本当なのか?」
「ええ。さ、エアルクレーネに行こ」
自身の理論に絶対の信頼を置いたリタの言葉にアルシア達の中にも希望の光が大きく宿り、確かな足取りでエアルクレーネを目指し、前進を始める
だがいくら希望が宿り、躍動的になったといえ、自分達が置かれている状況は変わらず、冷気は依然と敵として足取りを重くする
「さ、さみぃなぁ……寒さしのぐ小屋とかねぇのか?」
「氷の上ですから、小屋はちょっとないんじゃ……」
「はっ……くしゅん!ああ、さみー……せめて火がありゃね……」
「そんなに寒いかなぁ?」
きょとり、とレイヴン達の様子に首を傾げるアルシアは暑さを交わすには効率的な薄着、それは逆を返せば寒さに弱い筈なのだが…そんな素振りは最初だけだった
自分達よりも露出が些か多めの彼女がこの冷気に弱音をはかないことはユーリ達にとっては予想外のことである種の歓心が言葉として溢れる