chapter:59 鎮魂歌は未だ完成せず
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自分が時間をかけて見つけた策はたった一つ、また一から新しい方法を探す時間があるのかという不安と共に他にあるかも分からないものを考えると言うユーリにリタも呆れ顔だ
「他にって、そんな簡単なもんじゃないでしょうに……」
「なに、三日三晩寝ずに考えれば、いいことを思いつくのじゃ。がんばれ、リタ姐」
「また、あたし!?」
「え、えっとそうなったら私も夜食ぐらいは作ったり手伝うよ?」
まさかまた自分にその役が回ってくるとは思ってもおらず、驚きを露にするリタに心ばかりかの労りの言葉をかけるアルシアにも苦笑が滲む
そんな時、本部の方から現れるハリーに気付く、そしてその手に握られていたものを彼はユーリへと投げて寄越してきた
目を丸くし、自分の手中に渡ってきた蒼穹の水玉にくれるのか、と聞いたユーリだったがハリーはそれを馬鹿言え、と一蹴する
「こいつは盗まれるんだ」
「え?」
「……恩に着るぜ」
「他の連中に気取られる前に、さっさと行っちまいな」
「どういう風の吹き回しよ?」
「さあな。けど子供に説教されっぱなしってのもなんだかシャクだからな」
尖った言い回しながらも自分達に力を貸してくれたハリーはそのまま立ち去って行ってしまった
先程の本部でのカロルの言葉に思う所があったのか、心境に変化が起こったハリーの様子にレイヴンは感慨深そうに呟く
「あいつも少しは変わったかね」
「これで聖核も手に入った訳だけど、次はどうするのかしら?」
「うん、ゾフェル氷刃海に行くわ。活性化してないあそこのエアルクレーネを使うの」
「氷刃海?また寒いとこ行くの?おっさん、ここで待ってていい?」
「世界が滅ぶよりマシだろ、行こうぜ」
聖核も手に入り、リタの理論を確立させる為にゾフェル氷刃海へ向かう事に駄々をこねるレイヴンをあしらい、ユーリ達はダングレストの外へと歩き出した
「……アルシアちゃん」
「?どうしたの、おじ様」
ダングレストの出口でもある橋に差し掛かった所でレイヴンが自分の名前を呼び、立ち止まるものでアルシアも必然的に立ち止まる事となる
「あー……その、何だ…えっとね」
「?」
自分の言葉を待ち続けるアルシア、自分は彼女をアレクセイの命に従い、エステルを守ろうとする彼女を傷付け攫い、挙句の果てには自分がした事でユーリとフレンと戦わせた負い目が蘇る
「……色々さ、俺を切っ掛けでアルシアちゃん、色々な目にあったっしょ」
「あれは、」
「そう、シュヴァーンがやったこと。でもあいつはもう一人の俺
俺がちゃんと謝らないとって思ってさ、どんな罰でも受けるよ。それが俺の出来ることだと思ってね」
「……本当に、どんな罰でもいいの?」
「ん、男に二言はないよ」
それだけで自分がした事が帳消しになるとは思えない、だが少しはケジメをつけなければ、この先の旅で心残りばかりが残留するだろう
月明かりの逆光で顔が見えないアルシアはレイヴンに近づいていく、彼女に言っていた様に例えどんなケジメでも受け止めよう、それが自分にとっても彼女にとっても唯一の…
「――じゃあ、生きて下さい」
「……へ?」
「ただ生きるだけじゃなくて、幸せになって下さい」
「そんなの、」
出来る訳がない、出来ない、どんなケジメでも受け入れると決めたがそれだけは、
あの戦いで全てを失い、人形の様に生きてきた自分にそんな、今更なことを――
「出来ないとおじ様が思ってるからこそ、私はこの罰を選んだの。私はもう自分の夢を一緒に叶えてくれるひと、そのひとの傍にいられる幸せを得たから
だからおじ様も幸せになるって目的の為に生きてください、他ならない自分の為に。じゃなきゃ私はおじ様のした事を許しません」
久方ぶりに見る凛としたアルシアの瞳に貫かれ、告げられた自分への罰にレイヴンは目を丸くした後、困った様に笑みを零す
この生命力に満ちた瞳はどうにも昔から苦手で仕方がない、それでも焦がれてしまう――
「アルシアちゃんも容赦ないねえ……」
「どんな罰でも受けるっておじ様が言ったから、容赦しない様にしました」
「アルシア!」
「何してんのよ!早く行くわよ!」
「ふふ、行きましょ。おじ様」
「ん、そだね」
先を歩いていて、自分達がいない事に気付いたユーリ達に呼ばれ、アルシアはレイヴンの手を引いて駆けて行った
まるでそれはこれからの人生を引っ張っていく様に、灯りを示す様な確かな力で
鎮魂歌は未だ完成せず
(彼の者の遺言は今も難しく)
「他にって、そんな簡単なもんじゃないでしょうに……」
「なに、三日三晩寝ずに考えれば、いいことを思いつくのじゃ。がんばれ、リタ姐」
「また、あたし!?」
「え、えっとそうなったら私も夜食ぐらいは作ったり手伝うよ?」
まさかまた自分にその役が回ってくるとは思ってもおらず、驚きを露にするリタに心ばかりかの労りの言葉をかけるアルシアにも苦笑が滲む
そんな時、本部の方から現れるハリーに気付く、そしてその手に握られていたものを彼はユーリへと投げて寄越してきた
目を丸くし、自分の手中に渡ってきた蒼穹の水玉にくれるのか、と聞いたユーリだったがハリーはそれを馬鹿言え、と一蹴する
「こいつは盗まれるんだ」
「え?」
「……恩に着るぜ」
「他の連中に気取られる前に、さっさと行っちまいな」
「どういう風の吹き回しよ?」
「さあな。けど子供に説教されっぱなしってのもなんだかシャクだからな」
尖った言い回しながらも自分達に力を貸してくれたハリーはそのまま立ち去って行ってしまった
先程の本部でのカロルの言葉に思う所があったのか、心境に変化が起こったハリーの様子にレイヴンは感慨深そうに呟く
「あいつも少しは変わったかね」
「これで聖核も手に入った訳だけど、次はどうするのかしら?」
「うん、ゾフェル氷刃海に行くわ。活性化してないあそこのエアルクレーネを使うの」
「氷刃海?また寒いとこ行くの?おっさん、ここで待ってていい?」
「世界が滅ぶよりマシだろ、行こうぜ」
聖核も手に入り、リタの理論を確立させる為にゾフェル氷刃海へ向かう事に駄々をこねるレイヴンをあしらい、ユーリ達はダングレストの外へと歩き出した
「……アルシアちゃん」
「?どうしたの、おじ様」
ダングレストの出口でもある橋に差し掛かった所でレイヴンが自分の名前を呼び、立ち止まるものでアルシアも必然的に立ち止まる事となる
「あー……その、何だ…えっとね」
「?」
自分の言葉を待ち続けるアルシア、自分は彼女をアレクセイの命に従い、エステルを守ろうとする彼女を傷付け攫い、挙句の果てには自分がした事でユーリとフレンと戦わせた負い目が蘇る
「……色々さ、俺を切っ掛けでアルシアちゃん、色々な目にあったっしょ」
「あれは、」
「そう、シュヴァーンがやったこと。でもあいつはもう一人の俺
俺がちゃんと謝らないとって思ってさ、どんな罰でも受けるよ。それが俺の出来ることだと思ってね」
「……本当に、どんな罰でもいいの?」
「ん、男に二言はないよ」
それだけで自分がした事が帳消しになるとは思えない、だが少しはケジメをつけなければ、この先の旅で心残りばかりが残留するだろう
月明かりの逆光で顔が見えないアルシアはレイヴンに近づいていく、彼女に言っていた様に例えどんなケジメでも受け止めよう、それが自分にとっても彼女にとっても唯一の…
「――じゃあ、生きて下さい」
「……へ?」
「ただ生きるだけじゃなくて、幸せになって下さい」
「そんなの、」
出来る訳がない、出来ない、どんなケジメでも受け入れると決めたがそれだけは、
あの戦いで全てを失い、人形の様に生きてきた自分にそんな、今更なことを――
「出来ないとおじ様が思ってるからこそ、私はこの罰を選んだの。私はもう自分の夢を一緒に叶えてくれるひと、そのひとの傍にいられる幸せを得たから
だからおじ様も幸せになるって目的の為に生きてください、他ならない自分の為に。じゃなきゃ私はおじ様のした事を許しません」
久方ぶりに見る凛としたアルシアの瞳に貫かれ、告げられた自分への罰にレイヴンは目を丸くした後、困った様に笑みを零す
この生命力に満ちた瞳はどうにも昔から苦手で仕方がない、それでも焦がれてしまう――
「アルシアちゃんも容赦ないねえ……」
「どんな罰でも受けるっておじ様が言ったから、容赦しない様にしました」
「アルシア!」
「何してんのよ!早く行くわよ!」
「ふふ、行きましょ。おじ様」
「ん、そだね」
先を歩いていて、自分達がいない事に気付いたユーリ達に呼ばれ、アルシアはレイヴンの手を引いて駆けて行った
まるでそれはこれからの人生を引っ張っていく様に、灯りを示す様な確かな力で
鎮魂歌は未だ完成せず
(彼の者の遺言は今も難しく)