chapter:59 鎮魂歌は未だ完成せず
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こちらが呼び掛けるよりも早く、ユーリとアルシアの姿を視認したカロルが一目散に走り寄ってくるものでその姿に微笑ましいものを感じ、エステルは微笑ましそうに慈愛に満ちた笑顔を浮かべる
二人に駆け寄ってきたカロルだったが先程までの元気はどこへやら、一瞬にして泣きそうな表情の上に更に影を落とし、振り絞る様に声を出す
「……ひどいよ、無事だったんならひと言くらい……」
「心配かけたな、でも戻ってきたぜ」
「戻ってくるのが遅くなってごめんね、カロル」
下町で再会したエステルの様にカロルもまた自分達の安否を心配していたのだろう、不貞腐れている様にも見えるその姿にアルシアは思わず小さな頭を撫でた
遠い所でその様子を見ていて、ほとぼりが冷めた所で歩み寄ってきたレイヴンはカロルと違い、ユーリの生還を敢えて茶化す事で場の雰囲気を和ませようと動く
「おたくも良いしぶとさねぇ。さすが、俺様の見込んだ男」
「ユーリを見込んだのはうちが先なのじゃ」
「おや、パティちゃんには渡さないわよ」
「むぅ」
「アルシアちゃんも無事でなにより、心配してたのよ?」
「おじ様も心配かけちゃってごめんなさい、もう大丈夫ですっ」
ザウデで彼の制止を振り切り、ユーリの元へアルシアを行かせてしまったことに責任を感じていたのか、レイヴンの表情には微かな安堵が見えた
これで一人を覗いては自分達の生還を報告出来た、ゆっくりと二人の生還を喜びたいのは山々だが二人と再会する前に見かけた人物の事がどうも気掛かりで仕方ない
「バカやってんなよ、んなことより……今、ハリー見かけたけど、なにかあったのか?」
「それがちょっとばかしうまくなくてねえ、いまユニオンは船頭不在だからねぇ」
「中核となるものがいないとまとまらない……というワケ?」
「中核……」
中核であり今までユニオンを引っ張ってきたドンの席は未だ埋まらず、ドンがいたからこそ纏まっていたユニオンはバラバラのまま
このまま、この状態が続く事に不安に狩られているカロルとは違い、レイヴンの言葉を復唱していたリタの脳裏にある思考と今の言葉が結びつき、理論が組み上がる
「!そうか!」
「な、なになに?」
「分かったわ、聖核よ。あれ使えばうまくいくわ
つまりエアルを安定係数が変化し続けていっても、それを結びつけ……」
「まてまてまて、どうせ理解できないから説明はパスな」
周りを置いてけぼりに自身の理論をマシンガントークで展開していくリタを止めようと苦い表情を浮かべたユーリが適当な所で切り上げさせる
折角リタの中で理論が組み上がったというのにそれをスルーするユーリに久しぶりにアルシアの頭が痛む
「もう、ユーリったら……!」
「ま、まぁいいわ
とにかく、ドンに渡した聖核があったはずよね?」
「……ベリウスの聖核、蒼穹の水玉ね」
「リタがエアルを制御する方法を見つけたんです」
「ほんとに!?すごい!」
ユーリの言葉に噛み付かず、逆に彼の言い分も尤もだと納得したリタと事情を知っているアルシア達とは違い、事情を知らないレイヴンとカロルは顔を見合わせてしまう
この事は二人に関係のない話ではなく、瞳を瞬かせる二人の内心を悟ったエステルが自分達もついさっき知ったリタの思惑を伝える事で漸く彼らの中でも話が繋がった
「ドンが亡くなった後、蒼穹の水玉がどうなったか知ってるか?」
「さあなぁ……」
「ハリーはどうかの?ドンの孫なら知っとるんじゃないのか?」
「ちょうどいいわ、やっこさん連れ戻すとこだったんだ
ユニオンの本部行っててよ、すぐ戻るからさ」
走り去ったハリーを探しに向かったレイヴンの言葉に従い、カロルを連れ、ユニオン本部へ向かったものの内部の雰囲気は暗く落ち込んでいた
まるでドンがケジメをつけた時のまま、この空間が時を進めるのを拒んでいるかの様に
「なんか妙な雰囲気だな」
「最近はずっとこうなの?」
「うん……ユニオンは今、バラバラだから……」
「誰もドンの後釜に座りたくないのよ」
口にされずともこの場にいる者達の心情を察したのはハリーを連れ戻してきたレイヴン
確かに偉大過ぎた先代の後釜、というのは周りの期待も大きいのは見て取れる、プレッシャーに押し潰されながら、先代と見合う成果を出さなければいけない責任はまだ彼らにはないのだろう
「なんせあのドンの後だからねえ。ほれ、しゃんとしなって」
「オレはじいさんを死に追いやった張本人だ。そんなやつがドンみたいになれる訳がねえだろ」
「誰もあのじいさんみたくなれ、なんて言ってねえでしょうが。跡目会議くらいちゃんと出とけって言ってんの」
「ねえあんた、ドンの聖核を譲って欲しいんだけど」
時間が惜しいのか、ユニオンの内状など知ったこっちゃないと言わんばかりに会話へ横槍をを突いたリタにエステルとアルシア、カロルも彼女の直球さに意表を衝かれ、目を見張る
二人に駆け寄ってきたカロルだったが先程までの元気はどこへやら、一瞬にして泣きそうな表情の上に更に影を落とし、振り絞る様に声を出す
「……ひどいよ、無事だったんならひと言くらい……」
「心配かけたな、でも戻ってきたぜ」
「戻ってくるのが遅くなってごめんね、カロル」
下町で再会したエステルの様にカロルもまた自分達の安否を心配していたのだろう、不貞腐れている様にも見えるその姿にアルシアは思わず小さな頭を撫でた
遠い所でその様子を見ていて、ほとぼりが冷めた所で歩み寄ってきたレイヴンはカロルと違い、ユーリの生還を敢えて茶化す事で場の雰囲気を和ませようと動く
「おたくも良いしぶとさねぇ。さすが、俺様の見込んだ男」
「ユーリを見込んだのはうちが先なのじゃ」
「おや、パティちゃんには渡さないわよ」
「むぅ」
「アルシアちゃんも無事でなにより、心配してたのよ?」
「おじ様も心配かけちゃってごめんなさい、もう大丈夫ですっ」
ザウデで彼の制止を振り切り、ユーリの元へアルシアを行かせてしまったことに責任を感じていたのか、レイヴンの表情には微かな安堵が見えた
これで一人を覗いては自分達の生還を報告出来た、ゆっくりと二人の生還を喜びたいのは山々だが二人と再会する前に見かけた人物の事がどうも気掛かりで仕方ない
「バカやってんなよ、んなことより……今、ハリー見かけたけど、なにかあったのか?」
「それがちょっとばかしうまくなくてねえ、いまユニオンは船頭不在だからねぇ」
「中核となるものがいないとまとまらない……というワケ?」
「中核……」
中核であり今までユニオンを引っ張ってきたドンの席は未だ埋まらず、ドンがいたからこそ纏まっていたユニオンはバラバラのまま
このまま、この状態が続く事に不安に狩られているカロルとは違い、レイヴンの言葉を復唱していたリタの脳裏にある思考と今の言葉が結びつき、理論が組み上がる
「!そうか!」
「な、なになに?」
「分かったわ、聖核よ。あれ使えばうまくいくわ
つまりエアルを安定係数が変化し続けていっても、それを結びつけ……」
「まてまてまて、どうせ理解できないから説明はパスな」
周りを置いてけぼりに自身の理論をマシンガントークで展開していくリタを止めようと苦い表情を浮かべたユーリが適当な所で切り上げさせる
折角リタの中で理論が組み上がったというのにそれをスルーするユーリに久しぶりにアルシアの頭が痛む
「もう、ユーリったら……!」
「ま、まぁいいわ
とにかく、ドンに渡した聖核があったはずよね?」
「……ベリウスの聖核、蒼穹の水玉ね」
「リタがエアルを制御する方法を見つけたんです」
「ほんとに!?すごい!」
ユーリの言葉に噛み付かず、逆に彼の言い分も尤もだと納得したリタと事情を知っているアルシア達とは違い、事情を知らないレイヴンとカロルは顔を見合わせてしまう
この事は二人に関係のない話ではなく、瞳を瞬かせる二人の内心を悟ったエステルが自分達もついさっき知ったリタの思惑を伝える事で漸く彼らの中でも話が繋がった
「ドンが亡くなった後、蒼穹の水玉がどうなったか知ってるか?」
「さあなぁ……」
「ハリーはどうかの?ドンの孫なら知っとるんじゃないのか?」
「ちょうどいいわ、やっこさん連れ戻すとこだったんだ
ユニオンの本部行っててよ、すぐ戻るからさ」
走り去ったハリーを探しに向かったレイヴンの言葉に従い、カロルを連れ、ユニオン本部へ向かったものの内部の雰囲気は暗く落ち込んでいた
まるでドンがケジメをつけた時のまま、この空間が時を進めるのを拒んでいるかの様に
「なんか妙な雰囲気だな」
「最近はずっとこうなの?」
「うん……ユニオンは今、バラバラだから……」
「誰もドンの後釜に座りたくないのよ」
口にされずともこの場にいる者達の心情を察したのはハリーを連れ戻してきたレイヴン
確かに偉大過ぎた先代の後釜、というのは周りの期待も大きいのは見て取れる、プレッシャーに押し潰されながら、先代と見合う成果を出さなければいけない責任はまだ彼らにはないのだろう
「なんせあのドンの後だからねえ。ほれ、しゃんとしなって」
「オレはじいさんを死に追いやった張本人だ。そんなやつがドンみたいになれる訳がねえだろ」
「誰もあのじいさんみたくなれ、なんて言ってねえでしょうが。跡目会議くらいちゃんと出とけって言ってんの」
「ねえあんた、ドンの聖核を譲って欲しいんだけど」
時間が惜しいのか、ユニオンの内状など知ったこっちゃないと言わんばかりに会話へ横槍をを突いたリタにエステルとアルシア、カロルも彼女の直球さに意表を衝かれ、目を見張る