第三十八幕 神辺に向かうは雨衣なき草枕
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「て…てめぇ…」
「リクオ…お前には――何も教えてこなかったな、妖とは――"畏れ"をうばうもの、本来なら畏怖を与え…戦わずして勝つことが"理想"
しかし妖同士の戦いとならば、それは"畏れ"のうばいあい。ま…言うなれば"化かし合い"じゃ、機先を制すれば――それはもう勝負の決する時、それが妖の戦いの…"第一段階"じゃ」
「………」
妖の戦い方を語るぬらりひょんの視線の先で倒れたリクオは祢々切丸を何とか抜く
「そうだ、見せてみろ」
残った力を振り絞り、ぬらりひょん目掛けて振るうが…剣閃は見抜かれている様で簡単にそこから抜けられてしまう
「ほれほれ、そっちじゃないぞい。リクオや
うむ…お前はどうやら見よう見まねでそこまではできとるのう、でも…それだけでは無理じゃ
古の妖は次の段階をふむ」
「そ…総大将ー!?な…何を――――――!!」
「リ、クオ…逃げて!」
今まで外野に置かれていたカラス天狗と花雪はぬらりひょんの変わりように声を上げたが、その声が彼らを引き止められる事なく…
リクオはその一瞬で何が起こったか理解出来ぬまま、気付けば地面に倒されていた
「ガッ…ハッ…」
「今のお前じゃ京都に行ってもどーしょもない、わかったらねてろ」
「総大将…」
「しっかりして…!リクオ…ッ」
ドスを鞘に治め、戦いが終わった為に花雪は縁側から飛び出し、リクオへ駆け寄り、傷へ手を翳し治療を始める
カラス天狗の横を通り、室内へ戻ろうとするぬらりひょんの脳裏には幼い日に自分の様な総大将になると言っていたリクオの思い出が過った
「………これでええ…」
「!まだ動かないで…っ」
「……今のそいつを覚えれば、京都に行けんだな……?」
「…ほう……なまくら刀とはいえ起きてくるとは……なぜそこまで京都にこだわる?」
「…"親父"と花雪の両親のことだよ、京都にいるんだろ…「羽衣狐」ってのは」
「はごろも、ぎつね…って…」
「だから教えろ、じじい」
その名は花雪にとっては先刻聞いた桔梗を彼の目の前で殺した相手、そして…自分の両親の死に関わりがあるかもしれないと考えていた相手
二代目の死の真相を知らない筈のリクオから発せられた「羽衣狐」という単語に目を見開き、虚を衝かれたぬらりひょんへ花雪の手を退け、リクオは切り掛かる、だが…
「ムウ!!」
「!リク…ッ、…っ」
勢い良く切り掛かったが傷の所為で思う様に力が出ないリクオは再びドスで池へと薙ぎ払われ…今度こそ立ち上がりはしなかった
あぶくを頼りに袿を脱ぎ捨て池へ飛び込んだ花雪の後にこの騒動に気圧されていたカラス天狗が静かに口を開いた
「……孫相手に刃傷ざたなど……やりすぎです、いくらか厳しすぎやしませんか」
―リクオ…お前は何も知らなくていい、お前まで失うわけにはいかん…
「……いや……ワシは少しリクオに過保護すぎた」
「へ……」
「おいカラス……あいつらを呼べ……」
「な……なんですと!?まさか!! リクオ様をあそこに…!?無茶です!!
それにそうなったら花雪様も着いて行くに決まってます!殺す気ですか!?総大将!!」
「うるさい、だまれカラス天狗」
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