第三十二幕 曹司より抱くは泡盛草
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時は移ろい変わり陽が照る午後、離れにて珱姫は桔梗の阿国歌舞伎を見ていた
月を模した鈴を手に緩やかに、且つ繊細に美しく舞う姉の姿はいつもより麗しく珱姫の自慢であり誇りだ
「…凄いですっ
桔梗姉様、またお上手になっていて驚きました」
「ありがとうございます、珱姫
貴女にそこまで喜んで貰えると私も嬉しいですよ」
自分だけに見せる微笑の優越感、ずっと自分だけに微笑んでいてもらいたいと思う一方で他の人にも心を開いて貰いたいという思いが珱姫にはあった
そんな時入口から桔梗を呼ぶ声が聞こえ、彼女は直ぐに表情を殺す
「是光様、如何致しましたか」
「当主より文を」
「…ありがとうございます、有難く読ませて頂きますね」
文を届け終わると是光はすぐに警備に戻る、文を手に桔梗は瞳を伏せ、溜息をついた
「姉様…」
「会われた事もない方に想いを寄せられても困ります、ね」
「桔梗姉様、嫌な時は嫌と言って良いのですよ?父上が勝手に決めた事です」
「良いのですよ、珱姫…呪詛を受けた私は花開院に行った方が良いのでしょう」
「私は桔梗姉様とまだ離れたくありません…」
「ふふ、気が早いですね…私はまだ嫁ぐと決めていませんよ、私が嫁ぐのは貴女が幸せになったのを見届けた後です」
「ね、姉様ったら…!」
桔梗と花開院家現当主である秀元は桔梗と珱姫の父が勝手に進めている縁談の相手だ、文は何度も届けてもらっているが顔も見た事がない
何時になったら、自分の大切な姉を確かに渡せる人物が現れ、幸せにしてくれる存在が現れるのかと珱姫は指折り数えるが当の桔梗は諦めてしまっている
「(どうか桔梗姉様に幸せがあります事を…)」
そんな珱姫の願いを知らず、桔梗には最近困っている事があった
「姫様、お加減は大丈夫でしょうか」
「………何もありません、ありがとうございます…私より珱姫をお気遣い下さい」
夜の見回りに来た是光へとそう促し、立ち引いたのを気配で確認すると本日二回目の溜息をついた
「毎日…息のつまる日々が続きます事…」
「今夜もごくろうなこった、陰陽師どもは」
「それは父上のキセルでは…一体どこから…」
「いい品だ、そうとう金があるとお見受けする
おかげであんたと妹はカゴの鳥………か」
「…………その様な言い方、しかたのないことです、これはこの力と呪詛を受けた私らしい運命です」
無表情に諦めきった心で放った言葉は本音、誰も助けてくれる存在はいない、唯一の自分を慕う珱姫を守る為に彼女は心を閉ざした
そんな桔梗と視線を合わせ、キセルを吹かしていたぬらりひょんは刹那の間を置くと瞳を鋭くさせた
「あんたは氷みたいだな、決して妹以外には心を溶かさない」
「良く言われます」
「なあ…外に出ないか?ここは"息がつまる"んだろ?」
「な、にをっ…、…突然その様な事…困ります、私は……呪詛を受けた身で外に出ることは許されぬのです
この家のために…お父上…いいえ珱姫のためにも…この家に居続けなくては、…それに見張りもいるのですから軽く仰らないで下さい」
「いて!! 切られた腕の傷痕が!!」
「!痛むのですか」
微かに目を見開きつつも言葉を拒否した桔梗にぬらりひょんは昨日、彼女が傷付けた腕に手を当て、顔を歪める
他ならば嘘だと気付くが桔梗は気付かずに不用意に近付くとその手を取られ、彼に捕らえられると姫抱きにされる
月を模した鈴を手に緩やかに、且つ繊細に美しく舞う姉の姿はいつもより麗しく珱姫の自慢であり誇りだ
「…凄いですっ
桔梗姉様、またお上手になっていて驚きました」
「ありがとうございます、珱姫
貴女にそこまで喜んで貰えると私も嬉しいですよ」
自分だけに見せる微笑の優越感、ずっと自分だけに微笑んでいてもらいたいと思う一方で他の人にも心を開いて貰いたいという思いが珱姫にはあった
そんな時入口から桔梗を呼ぶ声が聞こえ、彼女は直ぐに表情を殺す
「是光様、如何致しましたか」
「当主より文を」
「…ありがとうございます、有難く読ませて頂きますね」
文を届け終わると是光はすぐに警備に戻る、文を手に桔梗は瞳を伏せ、溜息をついた
「姉様…」
「会われた事もない方に想いを寄せられても困ります、ね」
「桔梗姉様、嫌な時は嫌と言って良いのですよ?父上が勝手に決めた事です」
「良いのですよ、珱姫…呪詛を受けた私は花開院に行った方が良いのでしょう」
「私は桔梗姉様とまだ離れたくありません…」
「ふふ、気が早いですね…私はまだ嫁ぐと決めていませんよ、私が嫁ぐのは貴女が幸せになったのを見届けた後です」
「ね、姉様ったら…!」
桔梗と花開院家現当主である秀元は桔梗と珱姫の父が勝手に進めている縁談の相手だ、文は何度も届けてもらっているが顔も見た事がない
何時になったら、自分の大切な姉を確かに渡せる人物が現れ、幸せにしてくれる存在が現れるのかと珱姫は指折り数えるが当の桔梗は諦めてしまっている
「(どうか桔梗姉様に幸せがあります事を…)」
そんな珱姫の願いを知らず、桔梗には最近困っている事があった
「姫様、お加減は大丈夫でしょうか」
「………何もありません、ありがとうございます…私より珱姫をお気遣い下さい」
夜の見回りに来た是光へとそう促し、立ち引いたのを気配で確認すると本日二回目の溜息をついた
「毎日…息のつまる日々が続きます事…」
「今夜もごくろうなこった、陰陽師どもは」
「それは父上のキセルでは…一体どこから…」
「いい品だ、そうとう金があるとお見受けする
おかげであんたと妹はカゴの鳥………か」
「…………その様な言い方、しかたのないことです、これはこの力と呪詛を受けた私らしい運命です」
無表情に諦めきった心で放った言葉は本音、誰も助けてくれる存在はいない、唯一の自分を慕う珱姫を守る為に彼女は心を閉ざした
そんな桔梗と視線を合わせ、キセルを吹かしていたぬらりひょんは刹那の間を置くと瞳を鋭くさせた
「あんたは氷みたいだな、決して妹以外には心を溶かさない」
「良く言われます」
「なあ…外に出ないか?ここは"息がつまる"んだろ?」
「な、にをっ…、…突然その様な事…困ります、私は……呪詛を受けた身で外に出ることは許されぬのです
この家のために…お父上…いいえ珱姫のためにも…この家に居続けなくては、…それに見張りもいるのですから軽く仰らないで下さい」
「いて!! 切られた腕の傷痕が!!」
「!痛むのですか」
微かに目を見開きつつも言葉を拒否した桔梗にぬらりひょんは昨日、彼女が傷付けた腕に手を当て、顔を歪める
他ならば嘘だと気付くが桔梗は気付かずに不用意に近付くとその手を取られ、彼に捕らえられると姫抱きにされる