第三十二幕 曹司より抱くは泡盛草
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「っ…」
突然現れた妖に押し倒され、桔梗の頬には冷や汗が流れる
きっとこの存在も自分、否自分は良いが珱姫の生き肝を狙う存在なのだろう
「っお離し下さい、無礼ですよ、退かぬとあれば…っ」
「フン…カラス天狗の言う通り、否それ以上のいい女じゃ…」
「忠告は致しましたよ」
自分の言葉は彼の右の耳から左へと抜けているのだろう、聞く耳を持ってはくれない
余裕の笑みを見せる妖へと桔梗は珱姫から預かった小太刀を妖の左手へと切り抜いた
「……」
「(効いて、ない…)、!」
「……おいおい……それは妖刀か」
左腕には一線の傷が出来るが妖は表情を崩さない、だがその瞬間、傷口から血と共に彼の妖力が吹き出て行くもので二人は目を見開いた
その光景を呆然と見ていた桔梗は我に帰ると彼の傷口に手を翳す、翳した箇所から光が集まり、放出を止めるに至る
「………」
「ハァ、ハァ…後は…」
「!」
「これで止まりましたね…」
「お前…何だ…?」
「姫君!! ごぶじですか!?」
「桔梗姉様!」
「あッ……」
妖力の放出の停止に加え、桔梗は自分の指を切った傷口の血を彼の傷に垂らす事で怪我をも癒した
全てにおいて特別な存在の彼女に目を奪われていると外から陰陽師と珱姫の声が聞こえ、彼は煙管を持ち、窓際に立つ
「"ぬらりひょん"、人はワシをそう呼ぶ」
「…」
「あんたおもしろいな、また来るぞ」
「困ります」
「姫君!何かございましたか!?」
「………大丈夫です、何も…ありません、お騒がせ致しました」
「……」
「姉様入っても良いですか?」
「ええ、どうぞ」
「失礼します…、!桔梗姉様!怪我を…っ」
「琴の糸に触れてしまっただけですよ、貴女が気に病む事ではありません」
「姉様…でも治させて下さい」
「ごめんなさい…寝ていたのでしょう?」
「いいえ!姉様の為なら平気です!」
何とか彼ーぬらりひょんの事を隠し通せた安堵、そして珱姫の笑顔に桔梗の先程までの無表情は崩れ、穏やかに綻ぶ