第三十一幕 夢路通い人と芽吹き枳柑華
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「ぅおおお珱姫、桔梗姫~!! どこかケガはないかい~~~~!?
お前達はワシの宝…お前達が死んだら、ワシは……!!」
「父上、珱姫も無事ですから落ち着いて下さいまし」
「高い金を払っているのに"こんなもの"を屋敷に入れては困る!! 花開院殿!!」
『生き肝…生き肝…』
「……わかりました…………さらに花開院の手練を呼び、結界を強く張らせましょう」
「…」
「桔梗姉様、お怪我を…」
「平気ですよ、擦り傷です、貴女が気に病む事はありません」
「いけません!私に治させて下さい」
「本当に優しい子ですね、珱姫は」
二人だけになった珱姫に桔梗は彼女だけに見せる微笑を見せるので、珱姫は自分の姉ながら顔を赤く染めてしまう
切り捨てられた妖に手を合わせ、夜が更けた頃に桔梗の姿が花雪と同じ様に変化する
「姉様、どうかこのお刀を所持して下さいませ」
「何故?これは貴女に渡されたものですよ?」
「私なら花開院の方がいますから…姉様はお綺麗で私よりも力があるのです、夜這でもかけられたらと思うと…!」
「ふふ大丈夫ですよ、私は珱姫の事が心配です、貴女は優しいから妖に付け入られるのではないかと思って…さ、もう夜も遅いのですからお部屋に戻りなさい」
「はい…桔梗姉様、お休みなさい」
「ええお休みなさい」
未だに心配する表情を見せる珱姫に微笑み、桔梗は珱姫から預かった護身刀を手に持ち、溜息をつく
父は自分と彼女の力で金儲け、そのおかげで自分達は守るという言葉とは逆に籠の鳥状態、唯一の心が安らぐ時は珱姫だけだ
「こんな…かぐやの姫の呪詛をかけられた私を慕ってくれるのは珱姫だけ…父上も変わられて…」
「思い詰めた憂い顔がこれ程、月夜にはえるとはな」
「!何奴!?ここから立ち退き…あ…」
気付けば妖気が漂う部屋にいる存在に振り返り、護身刀を抜こうとするがその顎を掴まれ、押し倒される
月夜に映し出されるのは自身の白い髪と棚引く長髪と煙管を口に加えた伊達男の妖、その男は桔梗を見て、妖しく微笑む
「成程、噂どおり…イヤそれ以上のこの世の者とは思えない程の絶世の美女だ、ワシはお前が欲しい」
ーそれがワシと桔梗との馴れ初めだったよ
カラン、と虚しく抜かれた刀の鞘が音を立てた
夢路通い人と芽吹き枳柑華
(それでも"変わらぬ愛"はいつもこの胸に、)
***
枳柑華=桔梗(花)の造語
花言葉=「変わらぬ愛」「気品」「誠実」「従順」