第三十一幕 夢路通い人と芽吹き枳柑華
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『あなたは、だぁれ?』
「っ!」
月が空の上に昇りきった頃、花雪は閉ざしていた瞳を勢い良く開き、起き上がった
最近見る様になった両親が死んだ時の映像、それが自分の心を寂しさで蝕む
「他の事、考えよう…私にはリクオやつららちゃん達がいるから、もう寂しくない筈なのに…」
額の冷や汗を拭い、自分を戒める言葉を発し心を鎮める
他の事と言ってもそれもずっと気になっていた事、自分の血筋とぬらりひょんの関係
ー『月夜見家の始祖であるかぐや姫の事は総大将に聞いた方が良いでしょうな』
ー『ここで月詠姫を保護するぞ』
ー『"さっさと月詠姫を解放しろ…!"以上、その刀…大事にしろよ』
「…ぬらおじい様に最初の月詠姫の事、聞かなきゃ
もうこれ以上聞かないままはいけない気がする…今、聞いておかないときっと後悔する」
そう呟くと花雪は寝間着から普通の着物に着替え、ぬらりひょんの部屋へ、そこに彼の妖気を感じたからだ
「ぬらおじい様」
「おお花雪か、花雪はワシのキセルを知らんか?」
「え?いいえ…キセルがどうかなさったのですか?」
「いつの間にかなくなってしまってな…そういえば花雪、この様な夜更けにどうした?」
「あ、その…私の家の始祖と言われている月詠姫の事はぬらおじい様に聞けと牛鬼に以前言われた事があって…」
「!」
「ぬらおじい様?」
「いいや、そうか…もうそんな時期か、ふむ…花雪ももうこの話を聞いても理解出来るじゃろうしな、そこに座りなさい」
「あ、ありがとうございますっ」
花雪の言葉に驚愕した表情を見せたぬらりひょんだったが直ぐにその表情を穏やかなものにすると彼女を目の前に座らせる
珱姫の仏壇の前で彼は酷く穏やかな口調で口を開く、まるで物語でも綴るかの様に
「"アイツ"はな…ワシが惚れた女じゃった」
「え…?」
「あの頃は誰よりも月が似合う存在だと本気で思った、だが…アイツはワシの前で隠れた」
「それって…つまり…」
「…今でも忘れられんよ、時折見せる微笑とアイツの香、姿…ずっとワシの心を捕らえて離さん」
「…おじい様はそれ程までにその方を思ってらっしゃるのですね」
「ああ、時は数百年前にまで遡る、そこでワシはアイツと出会った」
ー始祖たる月詠姫の名は「桔梗姫」、珱姫の姉に当たる存在じゃった…
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