第七十四幕 朔月の内に秘められしもの
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三尾から太刀が引き抜かれ、このままでは自分の命が危ぶまれる事をリクオは知っている。だがここで祢々切丸を捨ててはいけない、最後の一瞬までリクオは祢々切丸の奪還に勤めた
――それが叶った頃には妖気の雲間から覗く月下、羽衣狐の太刀による一撃が彼の体を切り裂き、激しく噴き出した鮮血が足場を赤く濡らしていた
「この刀でお前らの血を絶やすことを、夢見てきたわ!!」
四百年前ー今日と同じ様に鵺誕生を阻止されてから、あの日の無念や怨嗟達を一日たりと忘れた事はなかった。祖父のした事を孫に償わせんとばかりに羽衣狐はその怒りをリクオへとぶつける
体を切り裂かれ、体勢を整える事もできないリクオへと羽衣狐は勢いをつけた太刀で彼の体の中心を穿つ。中心ーそこにある心臓が太刀に貫かれ、外へと飛び出した
「生き肝をいただくぞ」
心臓を貫いた筈の太刀は寸出の所で彼の手に阻まれていた、生き肝を手に入れたと笑みを浮かべていた羽衣狐の表情が真表情に戻る。切り裂いた筈の体もまた、右腕に軌道をずらされて無事だ
水面に映った月を掴もうともそれは手に出来ない幻――鏡花水月を発動し、事なきを得たリクオは羽衣狐が呆気に取られている間に祢々切丸を振るい、間合いから離脱する
―――ずらされた?
「おかしいのう…心の臓をつらぬいたと思うたがな…
ぬらりくらりとやりすごしおって…血も生き肝も喰ろうてやると言うとるのに」
「リクオ様」
ーくそっ、失敗か…!!
「奴良くん!! 魔魅流君、行くで!!」
「待ちな」
「奴良くん?」
大怪我を負ったリクオにこれ以上、一人で戦わせる訳にはいかないと魔魅流を連れ立って戦闘に加わろうとするゆらを制止したのは荒く呼吸する彼自身。何故、止めるのか分からない。まだ他に手があるという事だろうか
破けた着物の部分を破り取ったリクオは犠牲にした利き腕から流れる血によって、零れ落とさぬ様に祢々切丸ごと手に巻き付ける。どうしても羽衣狐に聞かなければいけない事がある以上、ゆらにも手を出させる訳にはいかなかった
「よぅ、あんた。いつから羽衣狐になったんだ?人間のあんたに質問してんだぜ」
ー!?
朔月の内に秘められしもの
(夜の帳は黎明へ上がり)
(隠匿されたものは浮き彫りに)
――それが叶った頃には妖気の雲間から覗く月下、羽衣狐の太刀による一撃が彼の体を切り裂き、激しく噴き出した鮮血が足場を赤く濡らしていた
「この刀でお前らの血を絶やすことを、夢見てきたわ!!」
四百年前ー今日と同じ様に鵺誕生を阻止されてから、あの日の無念や怨嗟達を一日たりと忘れた事はなかった。祖父のした事を孫に償わせんとばかりに羽衣狐はその怒りをリクオへとぶつける
体を切り裂かれ、体勢を整える事もできないリクオへと羽衣狐は勢いをつけた太刀で彼の体の中心を穿つ。中心ーそこにある心臓が太刀に貫かれ、外へと飛び出した
「生き肝をいただくぞ」
心臓を貫いた筈の太刀は寸出の所で彼の手に阻まれていた、生き肝を手に入れたと笑みを浮かべていた羽衣狐の表情が真表情に戻る。切り裂いた筈の体もまた、右腕に軌道をずらされて無事だ
水面に映った月を掴もうともそれは手に出来ない幻――鏡花水月を発動し、事なきを得たリクオは羽衣狐が呆気に取られている間に祢々切丸を振るい、間合いから離脱する
―――ずらされた?
「おかしいのう…心の臓をつらぬいたと思うたがな…
ぬらりくらりとやりすごしおって…血も生き肝も喰ろうてやると言うとるのに」
「リクオ様」
ーくそっ、失敗か…!!
「奴良くん!! 魔魅流君、行くで!!」
「待ちな」
「奴良くん?」
大怪我を負ったリクオにこれ以上、一人で戦わせる訳にはいかないと魔魅流を連れ立って戦闘に加わろうとするゆらを制止したのは荒く呼吸する彼自身。何故、止めるのか分からない。まだ他に手があるという事だろうか
破けた着物の部分を破り取ったリクオは犠牲にした利き腕から流れる血によって、零れ落とさぬ様に祢々切丸ごと手に巻き付ける。どうしても羽衣狐に聞かなければいけない事がある以上、ゆらにも手を出させる訳にはいかなかった
「よぅ、あんた。いつから羽衣狐になったんだ?人間のあんたに質問してんだぜ」
ー!?
朔月の内に秘められしもの
(夜の帳は黎明へ上がり)
(隠匿されたものは浮き彫りに)