第四十一幕 足引きの喧噪を共に郷地へと
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「む」
「世話になりやした、これにて失礼」
河童犬を躱したリクオは赤河童に近付き、その手に持っていた杯に酒を注ぎ、屋敷を後にして行った
「もうリクオッ
私、挑発しちゃダメだって言ったよねっ?」
「悪い悪い、夏だってのに寒いな…花雪、良く風邪を引かなかったな」
「色々精一杯だったから…体調も引き締まったんじゃないかな」
「そうかい、………」
「寂しい…?」
「そんな事…」
先程の一件を見ていた花雪は頬を膨らませ、自分を叱る彼女にリクオは悪いと言いながらも満足げに笑っていたがふと表情を消す
その表情の背後に寂しさがある様な気がして、それを言葉にして訪ね、彼からの答えが聞ける時、何かが投げ渡された
「祢々切丸!」
「この里を出てゆくときに戻せと言われてたの…すっかり忘れてたが~」
「なまはげ…」
「礼を言うなら今のうちだが、さっそく雑用おしつけられちゃったわ…ワシら」
「ああ…今までありがとな」
「本当にお世話になりました」
「リクオ、花雪、オレたちは誰とも杯は交わさねぇがそれでも力が足んねぇお願いします、助けて下さい!!ってことだったら…考えてやっても――」
「ああ!! 頼む!!」
「お願いしますっ」
「え?」
洗濯籠を持ち、見送りに来たのはなまはげだけと思いきや…その背後には淡島の姿
そしてその言葉を遮る様にリクオと花雪は笑みを弾けさせ、素直にその言葉を頼りとし、淡島はずっこける
「京都の妖はそうとう強えみたいだ…オレは戦力がほしい!! おめーらがオレの百鬼に加わりゃ最高だ!」
「皆さんがいれば、どんなに強い京都の妖が現れても太刀打ち出来る筈なんです、だから力を貸して下さいっ」
「おいおい…リクオ…花雪…」
「まあ素直な子たち…」
「どーする」
「どーするって…リクオと花雪がそう言ったら行くって…約束だぜ?」
「私、お化粧道具もってきてない…」
「ほらどーすんだ、さっさとしたくしな。行くぜ」
「え?」
「なんで立場逆転してんのー!?」
「……イタクは来てねーか」
「あ」
「花雪?」
「つねに畏を解くなっていってんだろ」
淡島だけでなく遠野で世話になった冷麗達を仕切り、準備を急かすリクオの背後を見た花雪の一言に気がついた彼の首にイタクの鎌が突きつけられていた
「イタク…」
「これでおめーはもう遠野で二百回は死んでるぞ、危なっかしーんだよ、おめーと花雪はよ
てめーの教育係はまだ終わってねぇ!! ただし…てめーと杯は交わさねーからな!!」
「………ありがとよ」
「おい、その刀…祢々切丸は使わねーのかい」
「こいつは…もっとでっけえ妖を斬る刀だ、ここの里の畏なんて……この相棒で十分だ
いくぜ、さよならだ、遠野!!」
「いやっほう!京都京都、楽しみ~」
「え!!まさか雨造、外は初めて!?」
「あったりめ~よ!! どんな世界か楽しみだぜ~~」
「花雪、来い!」
「は、はいっ」
花雪を片手に抱き締め、イタクも引き入れた遠野の者達を連れ、リクオは遠野の里の畏を断ち切り飛び出した…
足引きの喧噪を共に郷地へと
(対等に見向かう力を手に最後の難関へ)