第六十八幕 鬼の住まいし衛門の府
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修行?と花雪は首を傾げる、彼女にとっては修行というのも初耳だったが、その中で業という単語が特に引っかかった。一体、それは何か見当もつかない。唯一分かるのは氷麗の協力が必要だという一点だけだった
相克寺で一度は断った要請に慌てて氷麗は応える、畏の解放という形で。氷麗が解き放った畏がリクオの方へ流れ込むのを花雪も、そして鬼童丸も感じていた
「ムッ」
この業を初めて魅せた土蜘蛛の時は敵側が待ってくれていたが、今回の敵である鬼童丸はそうはいかない。その足は見た事のないリクオの業を前にしても止まる事なく、逆に一歩踏み込んでいく
氷麗が全力で畏を解放し、リクオの刃に乗る瞬間に大きな隙は生まれる。そこを狙った鬼童丸の放った一閃は見事、二人の間を断つ事に成功した
今までに防がれた事のない業の発動を無効にされた事により、リクオと氷麗の目が大きく見開かれる。動揺によって、二人は体勢を立て直す事も出来ない
「え……」
「!つららちゃんっ!!」
ー朔望・亀甲の盾
中でもリクオの背中に今まさに被ろうとした氷麗の体は地面へ真っ逆さま、落ちる眼に映ったのは自分を斬ろうと反転して来た鬼童丸と鈍色に光る刃。このままでは斬られる、そんな時に柔らかながら、芯の通った声が叫ぶ
代わりにガキン、と鳴り響いた音から氷麗が斬られる事は阻止されたのだと分かる。目まぐるしく変わる視界の中でいる筈のない人の着物の袖がたなびく、そしてその奥では弦で出来た二匹の亀が鬼童丸の刀を受け止めていた
「ひ、姫様…!」
「間一髪、だったね…怪我がなくてよかった」
「花雪、つらら!大丈夫か」
「うん、私達は大丈夫。だけど…」
「土蜘蛛が真っ二つにされたと聞いて、「まさか」と思ったが…そうか
おぬし、父親の業をも身につけたか…」
その鬼憑で花雪が鬼童丸の刀を受け止めたおかげで二人は無傷で済んだ。鬼童丸も今はリクオによる払いで彼女達から離れ、こちらを一瞥している
一時の中断の中へこぼされた言葉、鬼童丸が自身の父親を知っている事に対する驚愕によって、微かに目を剥くリクオ。羽衣狐が父親を殺したとなるとその配下が知っていても可笑しくない話ではある
ー鬼纏をさまたげられた―――
「…親父を知っているのか!?」
「…なぜ忘れていたのだろう、奴とは何度も畏をぶつけあった」
「花雪、つらら。下がってろ」
「その業…鬼纏といったか…?やはり、お前はあなどれん」
どうやら、羽衣狐が鯉伴を殺害する以前から鬼童丸は彼と何度も刀を混じり合っていたとその話の中から読みとれる。だからこそ鬼纏の脆い部分も知っていたのだろう
同時に土蜘蛛すらも倒した鬼纏を習得したリクオをこのままにしておけないとも判断したらしく、彼はその腰に指していた二本目の刀をついに抜く。動作や言葉にはリクオに対する敬意さえも見て取れた
「ワシの本気の畏でここで…"断つ"!!」
ー剣戟 梅の木
鬼童丸から放たれる畏が獰猛な獣の形から無数に枝を伸ばす梅の木へと変化し、本体である鬼童丸の剣戟と合わせてリクオへと襲いかかる
どうにか受け止めようとするリクオの腕は二本しかなく、対する相手は無数の手数を誇る。彼の手数でこの猛攻全てを防ぎ切る事は出来ず、見る見る内にリクオの体に新たな傷が植え付けられていく
「くっ…」
「"梅の木"は無限に広がる枝葉のごとき剣、貴様の手数ではふせげんぞ!!」
「リクオッ!!」
このままでは鬼童丸に一つも傷を負わせる事も出来ずに彼が倒れてしまう、と案じる花雪の隣を二つの影が横切る。その影は迷いなく、成長を続ける剣戟の中へ飛び込んでいった
無数の剣戟が相手ならば、こちらは無限に迫る剣がリクオを苦しめる鬼童丸の剣戟を喰い止める。否、剣だけでない、強靭な弦すらも無限の剣を前に止められた鬼童丸の刀を封じ込めている。首無と黒田坊が助けに入ったのだ
「!! ムムッ…」
「リクオ様…"鬼纏"を習得なされていたのですね
いやはや驚きました…齢十二にしてこの成長振り。だがまだまだ不慣れなご様子」
「!!」
「御教授しんぜよう…鬼退治は我らと共に!!」
鬼の住まいし衛門の府
(心せよ)
(ここは最早)
(人の世にならず)
相克寺で一度は断った要請に慌てて氷麗は応える、畏の解放という形で。氷麗が解き放った畏がリクオの方へ流れ込むのを花雪も、そして鬼童丸も感じていた
「ムッ」
この業を初めて魅せた土蜘蛛の時は敵側が待ってくれていたが、今回の敵である鬼童丸はそうはいかない。その足は見た事のないリクオの業を前にしても止まる事なく、逆に一歩踏み込んでいく
氷麗が全力で畏を解放し、リクオの刃に乗る瞬間に大きな隙は生まれる。そこを狙った鬼童丸の放った一閃は見事、二人の間を断つ事に成功した
今までに防がれた事のない業の発動を無効にされた事により、リクオと氷麗の目が大きく見開かれる。動揺によって、二人は体勢を立て直す事も出来ない
「え……」
「!つららちゃんっ!!」
ー朔望・亀甲の盾
中でもリクオの背中に今まさに被ろうとした氷麗の体は地面へ真っ逆さま、落ちる眼に映ったのは自分を斬ろうと反転して来た鬼童丸と鈍色に光る刃。このままでは斬られる、そんな時に柔らかながら、芯の通った声が叫ぶ
代わりにガキン、と鳴り響いた音から氷麗が斬られる事は阻止されたのだと分かる。目まぐるしく変わる視界の中でいる筈のない人の着物の袖がたなびく、そしてその奥では弦で出来た二匹の亀が鬼童丸の刀を受け止めていた
「ひ、姫様…!」
「間一髪、だったね…怪我がなくてよかった」
「花雪、つらら!大丈夫か」
「うん、私達は大丈夫。だけど…」
「土蜘蛛が真っ二つにされたと聞いて、「まさか」と思ったが…そうか
おぬし、父親の業をも身につけたか…」
その鬼憑で花雪が鬼童丸の刀を受け止めたおかげで二人は無傷で済んだ。鬼童丸も今はリクオによる払いで彼女達から離れ、こちらを一瞥している
一時の中断の中へこぼされた言葉、鬼童丸が自身の父親を知っている事に対する驚愕によって、微かに目を剥くリクオ。羽衣狐が父親を殺したとなるとその配下が知っていても可笑しくない話ではある
ー鬼纏をさまたげられた―――
「…親父を知っているのか!?」
「…なぜ忘れていたのだろう、奴とは何度も畏をぶつけあった」
「花雪、つらら。下がってろ」
「その業…鬼纏といったか…?やはり、お前はあなどれん」
どうやら、羽衣狐が鯉伴を殺害する以前から鬼童丸は彼と何度も刀を混じり合っていたとその話の中から読みとれる。だからこそ鬼纏の脆い部分も知っていたのだろう
同時に土蜘蛛すらも倒した鬼纏を習得したリクオをこのままにしておけないとも判断したらしく、彼はその腰に指していた二本目の刀をついに抜く。動作や言葉にはリクオに対する敬意さえも見て取れた
「ワシの本気の畏でここで…"断つ"!!」
ー剣戟 梅の木
鬼童丸から放たれる畏が獰猛な獣の形から無数に枝を伸ばす梅の木へと変化し、本体である鬼童丸の剣戟と合わせてリクオへと襲いかかる
どうにか受け止めようとするリクオの腕は二本しかなく、対する相手は無数の手数を誇る。彼の手数でこの猛攻全てを防ぎ切る事は出来ず、見る見る内にリクオの体に新たな傷が植え付けられていく
「くっ…」
「"梅の木"は無限に広がる枝葉のごとき剣、貴様の手数ではふせげんぞ!!」
「リクオッ!!」
このままでは鬼童丸に一つも傷を負わせる事も出来ずに彼が倒れてしまう、と案じる花雪の隣を二つの影が横切る。その影は迷いなく、成長を続ける剣戟の中へ飛び込んでいった
無数の剣戟が相手ならば、こちらは無限に迫る剣がリクオを苦しめる鬼童丸の剣戟を喰い止める。否、剣だけでない、強靭な弦すらも無限の剣を前に止められた鬼童丸の刀を封じ込めている。首無と黒田坊が助けに入ったのだ
「!! ムムッ…」
「リクオ様…"鬼纏"を習得なされていたのですね
いやはや驚きました…齢十二にしてこの成長振り。だがまだまだ不慣れなご様子」
「!!」
「御教授しんぜよう…鬼退治は我らと共に!!」
鬼の住まいし衛門の府
(心せよ)
(ここは最早)
(人の世にならず)