第六十五幕 その娘の怒りに触れるべからず
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鬼憑で自分への認識をずらせば、心を読む事は出来ない――リクオのその意図は外れ、サトリは認識をずらされながらもまたもや次の行動を感取してしまった。読み通りにリクオは橋桁から鬼一口を奇襲しようと潜んでいた
本体を見つけた鬼一口は今、まさに橋桁に足をかけようとしていたリクオを喰らおうとその大きな口を開く。見る見る内にリクオが着地しようとしていた足場がその喉奥へと消えていく
「くそっ」
やっとの事で足場に着地出来たと思えば、鬼一口の下顎に足を取られてしまい。下顎と上顎が別々に行動していたのが幸いして、食べられる事がなかったのがせめての救いか
――鬼一口、それは蔵に住まう妖。かくまう為に女を蔵に入れておくと夜明けには消えてしまう、鬼一口がペロリとたいらげてしまったから。伝承通りに目の前の妖の口は人一人、容易く飲み込める程の大きさを所持していた
「ひきょうは~~いかんなぁ~~」
「ひきょうではないぞ、鬼一口。それがぬらりひょんの特性…"覚"と同じく妖の技
まぁ、こやつの曾祖父は欲深で卑怯な男じゃったがの…」
「何…?」
「桔梗姫…あれは美しい女だったなぁ…お前にもかすかに面影はあるようじゃ。あの姫には確か…そう、珱姫と呼ばれた妹がおったか
なるほど、それならば妹の姫をあやつが娶ったとしても、桔梗姫の面影が微かに現れても可笑しくないというわけか」
まるで四百年前の出来事を知っているかの様な口ぶりでサトリはリクオの顔を見て、笑む。身の毛がよだつ様な卑しい表情はリクオの顔立ちに桔梗という姫の美貌を思い出しているかの様だ
桔梗――その名をリクオは聞いた事があった。月夜見家の始祖の名前だと教えられた覚えがある。そんな人物の事を何故、サトリが知っているような風を取るのだろうか
「何をキョトンとしている?お前の祖母になりえた姫じゃよ。思えばワシらは…四百年前も美しい姫を何人も羽衣狐様にささげてきた
それがついに今…身を結ぶ時がやって…来たのだ…」
「…そーやって…ずっと罪もねぇ人間を殺め続けてんのか……?」
「だから何だ?」
見えてきた。何故、サトリが桔梗の事を知っているのか、その裏が。四百年前から美しい姫を何人も羽衣狐に捧げてきた――彼女も同じ様にサトリの手によって、羽衣狐の献上品となったのだろう。そして――
ただ、浮世離れした美貌を持って生まれただけで死んでいった姫達の無念はどれ程のものだったのだろう。だが残念な事に目の前の妖達はそれを理解する様な相手ではない
四百年という月日にマヒしたのか、それとも元々持ち合わせていないのか罪悪感さえも抱いていない様で怒りを通り越し、呆れてしまう。きっとこの場合は後者が正しいのだろう
「…あきれた妖怪だっつってんだよ…」
ーだが、どうやって戦ったらいい!?
「奴良くん!!」
「ゆら!」
「!」
「まて」
相克寺にやってきた時と同じ様に自身の式神に跨がり、ゆらがリクオの元へ駆けつける。人間である彼女は京妖怪達に恰好の餌食と攻撃の標的にされていたが、どうにか掻い潜ってきた様だ
戦いに乱入してきた人間に鬼一口も緊張を高めるも、サトリは冷静に乱入者の心を読み、次の行動に対する対処方を伝授する。心を読み、彼女もまたリクオと同じ様に真正面から攻撃を放つつもりらしい事が分かった
「あれには"直情型の意志"を感じる、何も考えずに"人型の式を飛ばす"ぞ、よけられい」
「武曲!! あいつら、斬ってしまい!」
落ち武者の式神 武曲を鬼一口とサトリ達の方へほぼ手癖で飛ばすゆらだが、武曲は異変に気付く。いないのだ、自分が滅するべき妖の影も形も
『ゆら様…?敵が…おりませぬ!』
「え…?」
「なんのことはない、こういう"直情型"が一番やりやすいものだ」
影も形もないのは当たり前だ、ゆらが攻撃として武曲を仕向ける寸前にその行動を把握していたサトリと鬼一口は上空へと逃げ延びていたのだから。それに気付けなかった動揺によって、ゆらに大きな隙が生まれる
開かれた隙に飛び込む形へ上空へ逃げ延びていた鬼一口が、無防備を晒すゆらの足に手痛い仕置きを与える。足一本、切断されたと錯覚する様な強烈な痛みにゆらの体が貪狼から転がり落ちた
「ガハッ」
『ゆらちゃん!!』
「ゆら!! 気をつけろ、そいつは心を読む妖怪だ」
「!?」
『"覚か"!! 無闇矢鱈に攻撃してもスキをついてくる…慎重にいかなアカン!』
ーえ、慎重に…?無闇に攻撃したらあかん…!?
じゃあ…私は…何をしたらいいんや…?
心を読む妖――ただ単純に攻撃が強いというだけではない、心理戦を得意とするタイプの妖を相手にするのはゆらにとってはこれが初めて。経験が浅い彼女にはサトリとどう戦えば良いのか分からずに戸惑いを招く
花開院ゆらという陰陽師はサトリが判断した様に直情型の攻撃に特化した人間だ、心で思った事をそのまま行動に出してしまう。けれどそれではサトリに効かないのだ、そうは分かっているのだが――
「惑うておるな、それもまた"意志"だ」
「いかんなー」
『ゆらちゃん!!』
「ハハハハ、今度は惑うて動けぬか。単純 だな、おぬし」
直情型の人間が心を封じられるという事は攻撃を封じられると同等の意味だ、まだ子供であるゆらには状況に応じて行動する力が足りない。今も背後から迫る鬼一口に目が行っていないのが、その証拠
自分に攻撃が迫っていた、と後になって無事に気付けたのは彼女の式神の活躍のおかげだ。思考を停止させてしまい、動く様子を見せなかった主を安全な場所へ移動させた貪狼の方がこの時は主より周りを見ていた様だ
本体を見つけた鬼一口は今、まさに橋桁に足をかけようとしていたリクオを喰らおうとその大きな口を開く。見る見る内にリクオが着地しようとしていた足場がその喉奥へと消えていく
「くそっ」
やっとの事で足場に着地出来たと思えば、鬼一口の下顎に足を取られてしまい。下顎と上顎が別々に行動していたのが幸いして、食べられる事がなかったのがせめての救いか
――鬼一口、それは蔵に住まう妖。かくまう為に女を蔵に入れておくと夜明けには消えてしまう、鬼一口がペロリとたいらげてしまったから。伝承通りに目の前の妖の口は人一人、容易く飲み込める程の大きさを所持していた
「ひきょうは~~いかんなぁ~~」
「ひきょうではないぞ、鬼一口。それがぬらりひょんの特性…"覚"と同じく妖の技
まぁ、こやつの曾祖父は欲深で卑怯な男じゃったがの…」
「何…?」
「桔梗姫…あれは美しい女だったなぁ…お前にもかすかに面影はあるようじゃ。あの姫には確か…そう、珱姫と呼ばれた妹がおったか
なるほど、それならば妹の姫をあやつが娶ったとしても、桔梗姫の面影が微かに現れても可笑しくないというわけか」
まるで四百年前の出来事を知っているかの様な口ぶりでサトリはリクオの顔を見て、笑む。身の毛がよだつ様な卑しい表情はリクオの顔立ちに桔梗という姫の美貌を思い出しているかの様だ
桔梗――その名をリクオは聞いた事があった。月夜見家の始祖の名前だと教えられた覚えがある。そんな人物の事を何故、サトリが知っているような風を取るのだろうか
「何をキョトンとしている?お前の祖母になりえた姫じゃよ。思えばワシらは…四百年前も美しい姫を何人も羽衣狐様にささげてきた
それがついに今…身を結ぶ時がやって…来たのだ…」
「…そーやって…ずっと罪もねぇ人間を殺め続けてんのか……?」
「だから何だ?」
見えてきた。何故、サトリが桔梗の事を知っているのか、その裏が。四百年前から美しい姫を何人も羽衣狐に捧げてきた――彼女も同じ様にサトリの手によって、羽衣狐の献上品となったのだろう。そして――
ただ、浮世離れした美貌を持って生まれただけで死んでいった姫達の無念はどれ程のものだったのだろう。だが残念な事に目の前の妖達はそれを理解する様な相手ではない
四百年という月日にマヒしたのか、それとも元々持ち合わせていないのか罪悪感さえも抱いていない様で怒りを通り越し、呆れてしまう。きっとこの場合は後者が正しいのだろう
「…あきれた妖怪だっつってんだよ…」
ーだが、どうやって戦ったらいい!?
「奴良くん!!」
「ゆら!」
「!」
「まて」
相克寺にやってきた時と同じ様に自身の式神に跨がり、ゆらがリクオの元へ駆けつける。人間である彼女は京妖怪達に恰好の餌食と攻撃の標的にされていたが、どうにか掻い潜ってきた様だ
戦いに乱入してきた人間に鬼一口も緊張を高めるも、サトリは冷静に乱入者の心を読み、次の行動に対する対処方を伝授する。心を読み、彼女もまたリクオと同じ様に真正面から攻撃を放つつもりらしい事が分かった
「あれには"直情型の意志"を感じる、何も考えずに"人型の式を飛ばす"ぞ、よけられい」
「武曲!! あいつら、斬ってしまい!」
落ち武者の式神 武曲を鬼一口とサトリ達の方へほぼ手癖で飛ばすゆらだが、武曲は異変に気付く。いないのだ、自分が滅するべき妖の影も形も
『ゆら様…?敵が…おりませぬ!』
「え…?」
「なんのことはない、こういう"直情型"が一番やりやすいものだ」
影も形もないのは当たり前だ、ゆらが攻撃として武曲を仕向ける寸前にその行動を把握していたサトリと鬼一口は上空へと逃げ延びていたのだから。それに気付けなかった動揺によって、ゆらに大きな隙が生まれる
開かれた隙に飛び込む形へ上空へ逃げ延びていた鬼一口が、無防備を晒すゆらの足に手痛い仕置きを与える。足一本、切断されたと錯覚する様な強烈な痛みにゆらの体が貪狼から転がり落ちた
「ガハッ」
『ゆらちゃん!!』
「ゆら!! 気をつけろ、そいつは心を読む妖怪だ」
「!?」
『"覚か"!! 無闇矢鱈に攻撃してもスキをついてくる…慎重にいかなアカン!』
ーえ、慎重に…?無闇に攻撃したらあかん…!?
じゃあ…私は…何をしたらいいんや…?
心を読む妖――ただ単純に攻撃が強いというだけではない、心理戦を得意とするタイプの妖を相手にするのはゆらにとってはこれが初めて。経験が浅い彼女にはサトリとどう戦えば良いのか分からずに戸惑いを招く
花開院ゆらという陰陽師はサトリが判断した様に直情型の攻撃に特化した人間だ、心で思った事をそのまま行動に出してしまう。けれどそれではサトリに効かないのだ、そうは分かっているのだが――
「惑うておるな、それもまた"意志"だ」
「いかんなー」
『ゆらちゃん!!』
「ハハハハ、今度は惑うて動けぬか。
直情型の人間が心を封じられるという事は攻撃を封じられると同等の意味だ、まだ子供であるゆらには状況に応じて行動する力が足りない。今も背後から迫る鬼一口に目が行っていないのが、その証拠
自分に攻撃が迫っていた、と後になって無事に気付けたのは彼女の式神の活躍のおかげだ。思考を停止させてしまい、動く様子を見せなかった主を安全な場所へ移動させた貪狼の方がこの時は主より周りを見ていた様だ