第六十四幕 仁義切りを前にいざ、開門
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「鬼童丸様!!」
「!?」
「ほ、堀川通りが……百鬼で…うまっています!!」
焦った様子を隠そうともせず、訴える部下の視線を追わんと鬼童丸自身も目先の事から、新たに城へ起こった異変へと目を向ける。彼はたった今、この城に潜入していた輩が逃げ込んだ掘を取り囲めと指示をしたばかり
その侵入者を捕らえようと行動していた時でさえ、冷静さを欠かなかった彼の体が部下と同じ様に手摺からギリギリの位置まで乗り出される。堀川通りに群れを成す畏の数の規模にその目が見張る
「な…なんだこれは…」
震える声にも気付かず、釘付けとなる眼下には悠然と畏の家紋を背負い、自身の百鬼夜行と共に進軍を続ける若き総大将が先陣を切っていた
花雪を救い出す為、そして何より鵺の出産を止める為に弐條城へリクオは視線を向けていた。全ては長きに渡る因縁に決着をつける為に、羽衣狐と話をつけに
『リクオはそこで見てな
ほら、てめぇら行くぜ。出入りだ』
『リクオ…危ないから下がりなさい…』
静かに一人過去に思いを馳せる、二代目の時代――父が率いていた百鬼夜行の畏の規模と強さを幼い頃に何度も見上げた。そのせいか、強く目の奥に焼き付いている記憶が今も鮮明に蘇る
だからこそ、リクオは信じられなかった。組の最強を誇った時代を引率して来た父を、最強であった二代目が殺された事実が。その真実を握る鍵、全てが始まった桜散る夜を羽衣狐に聞きただす事を強く望んでいた
ーあれほど強かった親父を…誰が殺せたって言うんだ、あの時に何があった…!?
オレはそれが知りてぇ、花雪の両親の死の真相とともに
「なんじゃい、てめぇらぁぁ」
最強であった父の更に上をいく者、それが花雪の母親である楓だった。良く鯉伴が楓に茶々をいれ、背負い投げからの薙刀での追い打ちを止める役はいつも彼女の夫である錫兎だった
楓が父性の持ち主だとするなら、錫兎は母性の持ち主だったのだろう。そんな二人は月夜見の家と共に襲撃を受け、そのまま。未だに二人の死因も不明だ、襲撃された理由と共に
二人の殺害される所を見ていたという花雪の記憶もあやふやで様々な臆測が立てられた、けれどその二人の殺害に誰の意図が動いたのか、花雪と同じ様にリクオもそれを知りたがっていた
「二条城 東大手門々番ガイタロウ」
「同じくガイジロウ」
「おんどりゃ、ここをどこだと思っとんじゃい!! ハァァン!!」
「二条城だぞ、死にてぇのかくるるぁあ!!」
逸早く城に近付く不届きものの気配を察知し、二人の鬼が地響きと咆哮を伴い、リクオ達の目の前に降り立った。その反応の速さから元々、ここの門番として設置された者達と考えられる
息遣い荒く、こちらを威嚇する二匹の鬼を見定めるリクオの目は彼らには生意気に映った様で、一斉に攻撃的な反応を示す。気のせいか、持ち主の高まる畏に比例し黒い金棒も凶悪さが浮き立つ様だ
「何じゃいその目はぁぁああ!?」
「何とか言えやごるぁぁあギャホ―――」
「ひゃっひゃっひゃっ、なんじゃこいつは~~~!?」
「皮みてぇにベロンベロンになって、消えちまったぁ~~」
鬼の金棒の一振りによって、弾けたリクオの姿に鬼達の笑いが止まらない。あんなにも生意気な目をしていた癖に、正面道々に乗り込んできた割りには何ともあっけない、浅はかさに腹がよじれそうだと言わんばかりに
大将を失い、恐怖で体が動かなくなった百鬼の何とも見かけ倒しな事か。これで自分達の大将である羽衣狐に挑もうとは笑止千万。けれどその笑う時間が油断と慢心を生み出す事になろうとは思うまい
「こっちだ」
「あんー?」
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