第四十一幕 足引きの喧噪を共に郷地へと
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「ム…折れちまってる…さすがに木の棒で妖怪倒すのは無理か…」
遠野に訪れていた京妖怪の一人である鬼童丸とその配下達に見つかったリクオは窮地の中でぬらりひょんという妖を理解する事に成功した
彼の祖父であるぬらりひょんは幼い頃のリクオの問いにこう返したという、「ぬらりひょんとは"鏡にうつる花、水にうかぶ月"」すなわち鏡花水月…夢幻を体現する妖だと
それはあからさまな説明をせずにただその姿を読者の心に思い浮かばせる様に表現する漢文の文体の一つ…「鏡花水月法」、認識をズラし畏を断つ…それが彼の技
「畏をとくな、リクオ!!」
だが配下を倒す事に成功し尚かつただの木の棒は直ぐに折れてしまった為、リクオは警戒を解いてしまう
そんな彼に叫んだイタクがリクオに駆け寄るよりも先に鬼童丸が彼へと刀を引き抜く動作と共に襲いかかる、が…
「…何だ、これは…、!」
―ズシャアアアッ
「な……氷」
「遅いと思ったら、イタク…あなたリクオの教育係でしょ?間の抜けたことしちゃダメよ」
刀がリクオの顔面を抉る寸前、リクオを守る様に白く輝く衣が彼の代わりに一閃を受けると同時に氷の檻が完全に動きを封じた
騒ぎを聞きつけて現れたのは冷麗や淡島のリクオと接点が多い遠野の者達
「おじさん…この氷のとりでからは出られない、待っているのは凍死ね…
それが嫌なら、この遠野であばれたことを大声で悔いてごらんなさいな」
「お前ら…」
「イタク!!こいつら京妖怪だろ!?どーいうことだよ、説明しろ」
冷麗自身がそう自信を持って告げた氷のとりでの強度に安心するのも束の間、そのとりでは中から一太刀で破壊されてしまう
驚きを露に、そして戦闘へ発展するかと警戒する淡島達をよそに鬼童丸はリクオを捕らえた視線をそのままに告げる
「…私のやることは遠野を全滅させることではないのだよ、だが…ぬらりひょんの孫に手をかしたことはおぼえておく、奴良組とつるめば…花開院のように皆殺しだ
二週間以内に京は陰陽師と共に…羽衣狐様の手に落ちるのだ、月の姫もその時に献上するとしよう」
「…誰がさせるかよ」
京を落とす、端から見れば高言を吐いているだけに過ぎない言葉も見せつけられた実力で現実のものとしてしまうのではないか
それでもリクオにはその言葉を現実にさせられない理由があった、先ずは言葉で先制すると鬼童丸は目を覚ました部下を引き連れ、今度こそ遠野を後にした
「リクオ…!」
「花雪、一緒に来てたのか」
「さっきの人がいたから隠れてる様にって言われてたから…怪我はしてない?イタクさんも…」
「…ああ」
「その羽衣、もしかしてさっきのは…」
「そーだぜ、リクオ!オレとの手合わせで作り上げた花雪の鬼憑でお前は助かったってわけだ」
「本当か、花雪」
「う、うんっ」
「花雪が先に鬼憑取得したって言って悔しがるリクオの顔見たかったぜ」
「オイ」
「あはは…」
口を尖らせ言う淡島に突っ込むリクオに花雪が苦笑する、この時までは京妖怪達がどこまで洛中に手を伸ばしていたか知らずにいた
翌日の日没に差し掛かった頃、演習場では鬼發を使った実戦がリクオとイタクが行っていた
「ハッ、ハッ」
「そーだ、鬼發を持続させろ。戦闘中は決して解くなよ」
「ハア、ハア」
「鬼發を習得しただけでこんなに戦いが変わるものなんだ…」
「花雪も見とれてるだけじゃだめよ?」
「は、はいっ」
「それにしても…淡島遅いわね」
「ピュイイ―――リクオ、やるね」
最初こそ鬼發を知らずに薙ぎ倒されたリクオだが自身も鬼發を習得した事でイタクと張り合っている、彼の成長を花雪は素直に賞賛していた
そんな彼女の実戦を今日も淡島に頼んでいたのだが…まだ来ていない事で花雪は二人の実戦を見学していたのだ
「たいへんだぜ、花雪!リクオォォ!!」
「!!淡島」
「何かあったんですか?」
「京都方面に行ってる遠野モンから連絡があった、陰陽師は壊滅だ!!」
「!?」
「京都が……羽衣狐の手に落ちるぞ!!」
「ゆら、ちゃん…」
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