第六十幕 流寓の民は篝火に集う
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いつの間にか、土蜘蛛に挑んでいた雨造と淡島が飛び退く。幾ら単身で力が強くてもその方向性がバラバラだと意味はない、一つの方向に集中する事で初めて土蜘蛛に立ち打ち出来る力が生まれるのだから
それこそが氷麗とリクオが生み出した鬼纏、やはり土蜘蛛を倒すにはその業…自分達しかいないと確信した氷麗が名乗り出る。自分ともう一度と、力にさせて欲しいのだと
「行きましょう、リクオ様!! "鬼纏"…お願いします!!」
「何?鬼纏?何かあんの?」
「あの土蜘蛛の腕を破壊した"業"だ」
「はあ!?まぁじかよ!?」
「リクオ!! そんな技もってんなら、さっさとやれよ!!」
「どーやんだ、それ?」
「…自分の畏を解放して、リクオにあずけるんだ
信頼関係が無けりゃ無理だが、そーすりゃ何倍もの力が得られる」
共に信じ合う者の畏を纏い、折り重なる力を身につける業――それこそがリクオが鞍馬山の修行で得た刃、鬼纏。かつて最強を誇った父から継承したともいえる、百鬼夜行の主の御業
それを使うのに必要なのはただ一つ、高い信頼関係を持つ仲間だけ。生まれた時から彼を見守り続けて来た氷麗にそれがあるかと問うのは愚問、寧ろこの中では一番の信頼関係があると自負してもいいだろう
ー私が、リクオ様を信頼することができる力…
「よし!! じゃあオレがやってやるよ!! オレ、リクオ好きだから大丈夫だな」
「……!?へえ!?」
どこからどんな自信が沸いてくるのか、そんな事を言いながら淡島はリクオに詰め寄る。自分をまとえと、力を貸してやると頼もしくも、けれど氷麗にとっては横槍気味の言い分を主張してきた
弾かれた様にそちらの方へ振り向く氷麗の抗議の念も露知らず、自分の力を売り出す淡島に他意はないのだろう。氷麗と同じくただ純粋にリクオの力になりたいだけで
「それ…おめーが修行で得た業だろ、どんなものか見せてくれよ」
「あ…?あのっ…」
「おい…淡島、本気か」
「おうよ!! ったりめーよ。よしリクオ、オレをまとえ!!」
「ブァ…」
ー何言ってんの、この娘は――――?
満面の笑顔で自身の本気度を現す淡島の言葉が、氷麗に大きな衝撃を頭に叩き付けた。まるで鐘木で鐘を打ち鳴らすかの様にそれは彼女の脳内で、木霊の様な衝撃として刻まれる
何とも図々しく、憎たらしいのか。幼い頃から一緒にいて、京都に来るまでの出入りを共にして来た自分を差し置いて、リクオと鬼纏なんて――
「無理です!! "鬼纏"は私とリクオ様だけができる業で…」
「大丈夫か…リクオ、"鬼纏"は何度も出せんのか?オレはきつかったぜ」
「そりゃあ、お前が体力ないだけだろ。気にすんな」
「~~~~え?え!?」
ここで氷麗は鴆やリクオ達と自分の間に食い違いがある事に気付く、というより何か重大な勘違いをしているのでは……?鬼纏というのは自分とリクオだけが成し得る業ではないのか
それがどうした事か、自分と鬼纏をする以前に鴆と鬼纏を使ったというではないか。そりゃあ確かに鴆とリクオは義兄弟の杯を交わし、信頼関係もお墨付きだろう
けれど、けれど…そんな、自分はただ自惚れて大きな勘違いをしていただけ?そう答えを突き詰めた氷麗の頬がこれ以上になく、熱を帯びる。雪女である彼女がそこまで熱を出しては溶けたりしないのか、心配になるくらいに
ー鴆様…ともま、ま、鬼纏を…!?私だけじゃなかったの…!!
ちょ…ちょっと待って下さい、リクオ様ぁ――――!?
「だがオレは淡島の畏を見てねぇ、どーなるか想像できねぇのにやれねぇな」
それが土蜘蛛に太刀打ちできる鬼纏ならいいが、淡島の畏を知らない状態で彼女を纏うにはあまりにもリスクが大きすぎる。やはり纏うなら、畏共に良く知った人物の方が好ましい
そうとなればとリクオは振り返る、彼の瞳が選んだのは誰が見ても納得する人物――自分を強く信頼し、ここまでついて来てくれた氷麗。彼女との鬼纏 雪の下紅梅は土蜘蛛の腕を一本奪った実績もある
こうなれば、最後までやってやろうではないか。氷麗と共に土蜘蛛を倒す、きっとこのリクオの決意を彼女も拒んだりはしないだろう
それこそが氷麗とリクオが生み出した鬼纏、やはり土蜘蛛を倒すにはその業…自分達しかいないと確信した氷麗が名乗り出る。自分ともう一度と、力にさせて欲しいのだと
「行きましょう、リクオ様!! "鬼纏"…お願いします!!」
「何?鬼纏?何かあんの?」
「あの土蜘蛛の腕を破壊した"業"だ」
「はあ!?まぁじかよ!?」
「リクオ!! そんな技もってんなら、さっさとやれよ!!」
「どーやんだ、それ?」
「…自分の畏を解放して、リクオにあずけるんだ
信頼関係が無けりゃ無理だが、そーすりゃ何倍もの力が得られる」
共に信じ合う者の畏を纏い、折り重なる力を身につける業――それこそがリクオが鞍馬山の修行で得た刃、鬼纏。かつて最強を誇った父から継承したともいえる、百鬼夜行の主の御業
それを使うのに必要なのはただ一つ、高い信頼関係を持つ仲間だけ。生まれた時から彼を見守り続けて来た氷麗にそれがあるかと問うのは愚問、寧ろこの中では一番の信頼関係があると自負してもいいだろう
ー私が、リクオ様を信頼することができる力…
「よし!! じゃあオレがやってやるよ!! オレ、リクオ好きだから大丈夫だな」
「……!?へえ!?」
どこからどんな自信が沸いてくるのか、そんな事を言いながら淡島はリクオに詰め寄る。自分をまとえと、力を貸してやると頼もしくも、けれど氷麗にとっては横槍気味の言い分を主張してきた
弾かれた様にそちらの方へ振り向く氷麗の抗議の念も露知らず、自分の力を売り出す淡島に他意はないのだろう。氷麗と同じくただ純粋にリクオの力になりたいだけで
「それ…おめーが修行で得た業だろ、どんなものか見せてくれよ」
「あ…?あのっ…」
「おい…淡島、本気か」
「おうよ!! ったりめーよ。よしリクオ、オレをまとえ!!」
「ブァ…」
ー何言ってんの、この娘は――――?
満面の笑顔で自身の本気度を現す淡島の言葉が、氷麗に大きな衝撃を頭に叩き付けた。まるで鐘木で鐘を打ち鳴らすかの様にそれは彼女の脳内で、木霊の様な衝撃として刻まれる
何とも図々しく、憎たらしいのか。幼い頃から一緒にいて、京都に来るまでの出入りを共にして来た自分を差し置いて、リクオと鬼纏なんて――
「無理です!! "鬼纏"は私とリクオ様だけができる業で…」
「大丈夫か…リクオ、"鬼纏"は何度も出せんのか?オレはきつかったぜ」
「そりゃあ、お前が体力ないだけだろ。気にすんな」
「~~~~え?え!?」
ここで氷麗は鴆やリクオ達と自分の間に食い違いがある事に気付く、というより何か重大な勘違いをしているのでは……?鬼纏というのは自分とリクオだけが成し得る業ではないのか
それがどうした事か、自分と鬼纏をする以前に鴆と鬼纏を使ったというではないか。そりゃあ確かに鴆とリクオは義兄弟の杯を交わし、信頼関係もお墨付きだろう
けれど、けれど…そんな、自分はただ自惚れて大きな勘違いをしていただけ?そう答えを突き詰めた氷麗の頬がこれ以上になく、熱を帯びる。雪女である彼女がそこまで熱を出しては溶けたりしないのか、心配になるくらいに
ー鴆様…ともま、ま、鬼纏を…!?私だけじゃなかったの…!!
ちょ…ちょっと待って下さい、リクオ様ぁ――――!?
「だがオレは淡島の畏を見てねぇ、どーなるか想像できねぇのにやれねぇな」
それが土蜘蛛に太刀打ちできる鬼纏ならいいが、淡島の畏を知らない状態で彼女を纏うにはあまりにもリスクが大きすぎる。やはり纏うなら、畏共に良く知った人物の方が好ましい
そうとなればとリクオは振り返る、彼の瞳が選んだのは誰が見ても納得する人物――自分を強く信頼し、ここまでついて来てくれた氷麗。彼女との鬼纏 雪の下紅梅は土蜘蛛の腕を一本奪った実績もある
こうなれば、最後までやってやろうではないか。氷麗と共に土蜘蛛を倒す、きっとこのリクオの決意を彼女も拒んだりはしないだろう