第四十幕 御影より漂い促すは香雲潺湲
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「逃げ回ってるだけじゃ、誰にだって出来るぜぇ?!」
「そんなこと言われても…!ひゃあっ」
―何で私はこんなに弱いんだろう…!お母さんは凄く強かったのに何で…っ
『――花雪』
「…!」
「「?!」」
淡島から与えられる攻撃に逃げ回っていた花雪の脳裏に女性の声が響いたと同時、彼女は逃げ回っていた足を止める
突然の彼女の行動停止に追い回していた淡島も傍観していた冷麗も驚きを隠せないがそんな事も今の花雪には伝わらない程に記憶に没頭していた
『――花雪、月は闇を生きる者達の道標よ』
『やみ?』
『そう、アンタが好きな鯉伴とアンタと仲良しのリクオのこと
月はそんな闇に生きる者達を"等しく受け入れる"、決して自分を見上げる者達を否定せず、拒まない…ただ見守り、その光で包み込み道を指し示す存在』
『…むー?』
『あたし達はそんな月の名を冠った代行者だって思うの、だから花雪、アンタもあの月の様に広い心を…
もしアンタが傷付く様な事が起こってもそれを自分の力として受け入れる様な柔軟性を持っていれば、アンタの力になる筈よ
そして全てを受け入れて包み込む様な優しい心を持ちなさい、それこそがあたし達の本質、その本質をあたしは持てなかったけれどね、例えるなら――』
「…"――――"」
「ぼーっと立ってるだけじゃ切って下さいって言ってる様なもんだぜ、花雪!」
「!淡島っ!」
斬る事に集中していた淡島は気付かないが冷麗は気付いていた、花雪がその腕に纏う月鳴が微かに輝き始めたことに
その輝きは治まる事なく…斬り掛かってきた淡島の刀が触れる寸前、月鳴は閃光の様な光が弾け、淡島の瞳を一瞬の暗闇に翻弄させた
「うわっ何だ…?!」
「これは…鬼發…?」
「鬼發だけかぁ?花雪!」
一瞬の目くらましは直ぐに晴れ、再び彼女の姿を認識した淡島は刀を振るうがその攻撃から主人を守る様に月鳴が花雪を包囲し回転すると…彼の刀を畏諸共に受け流し、その刀を遠くに弾き飛ばしてしまった
ふわりと月鳴が花雪の腕に舞い戻る際の仕草の美しさは畏さえも抱く程、彼女は確かに淡島との実戦で自分を確立したのだ
「…花雪、見えたのね?自分の"技"が」
「はい思い出しました、母が私に遺していたヒントを…"私達"は全てを受け入れ、それ等を自分の力として扱う妖
相対する相手の畏を自分の力に反転する事が出来ると、さながら太陽の光を反射して輝く月、他の力に逆らわずに空を行く雲、流れる水…例えるなら"行雲流水"と言っていました」
「むやみに他の力に逆らわず、受け入れ…それを受け流す、か…面白ぇ技だなぁ、花雪!」
「これも淡島さんと冷麗さんのおかげです!これで…やっとリクオを振り返らせずに済みます」
恋する様に、夢見る様にリクオを思い、月鳴を抱く花雪の表情は確かに穏やかな月光の様であった
「そのリクオとイタク、遅いわね…いつもはとっくに来ている筈だけれど」
「いっちょ花雪がリクオより早く鬼憑を取得出来たって言いにいくかぁ、リクオ絶対に悔しがんぞー」
「ア、アハハ…」
御影より漂い促すは香雲潺湲
(少女が纏うは自然の流れにて、)