第四十幕 御影より漂い促すは香雲潺湲
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確かに今まで花雪は他者から呼ばれていた月詠姫という代名詞を詳しく知ろうと歩み寄った記憶がない
哀れむ様に苦笑を浮かべる紫に指摘された花雪は自分は自分の事を何も知らない事に気付いたのだった
「存在があやふやな妖怪なのよ、人の様でもあり神格化した存在の様で……
どっち付かずってことじゃないかしら、花雪が引く血は」
「そう言って頂けると有難いです…」
「畏を技にするというのは妖怪の特徴を具体的に出す事を言うの、河童なら水系の技、鎌鼬なら鎌の技を具現化するでしょうね、現にイタクと雨造がそうだから」
「じゃあ冷麗さんは氷の技ということなんですね、確かに特徴がしっかりと具現化出来てます
存在があやふやで特徴が掴めていない私が本当に畏を技に昇華して、母が遺したものを使いこなす事が出来る、のでしょうか…」
「先ずは自分自身を知る事から始めたらどう?"月詠"という血をあなたなりに理解して、初めて存在を確立出来たら…そうすればきっと見えてくるはずよ、自分の"技"が
それに貴女にはその羽衣以外にも楓から暗示して貰った言葉があるのでしょう?」
「!…はいっ」
だがお手軽に自分自身を理解するという事が出来る筈もなく、結局その日は遠野で受け持った役割である風呂掃除の後の食器洗いで時間は潰れてしまった
受け持った全てを終え、誰もが寝静まった屋敷の中で花雪はぽつんと残された釜に歩み寄り、中の人物に合図する
「誰だ…って花雪…!」
「リクオの怪我が心配で来ちゃった、今日凄い音がするくらいに戦ってたみたいだから…迷惑、だった?」
「迷惑なんかじゃねぇよ、寧ろ助かる」
不安げに自分を伺う彼女にそう言えば、花雪は良かったと花が開いた様にふわりと柔らかく微笑んだ
釜に寄りかかる形で座るリクオに両手を翳せば、月光に似た淡い光が彼を包み込む
「これで明日に差し支えないと思う」
「ああ、ありがとな花雪、そっちはどうだい」
「えっとね、お母さんから私宛に遺していた手紙を見たよ」
「…大丈夫だったか?」
「うん大丈夫っ寧ろ元気を貰ったの、前に進む元気を…
あのね、後この羽衣とこの煙管入れに入ってるものが私の戦いに必要なものになると思う」
「…」
「リクオ…?、ひゃ…っ」
母親の遺品を腕に纏わせて微笑む花雪は不意にリクオに抱き締められてしまい、どこに彼をそうさせるものがあったのかと不思議に思ってしまう
「出来るならお前に戦わせたくねぇ、オレがここに来たのは京都に対抗する為の力を得る為と同時に花雪を守る為の力が欲しかったからだ
でも前にそれでお前に怒鳴られた事があったよな、「守られるだけの重荷としているんじゃない、平等に傍にいたい」ってな」
「…うん、私だって同じだから…リクオの気持ち分かってるつもり、リクオや皆に傷付いて欲しくない、出来るなら戦って欲しくない…でもそれは出来ない事も知ってる
だったら私も一緒に戦いたい、リクオを…貴方が守りたいものを一緒に守りたい、あなたが私の事で気負わずに先陣を切れる様に私は私自身を守る力が欲しい…だから私はあなたとここに来たんだよ?」
「…叶わねぇな花雪には」
昔、自分が言った言葉を覚えていてくれたこと、そしてその意志を尊重しようとしてくれるリクオの言葉が酷く嬉しくて、
花雪は彼の胸を掴みながら穏やかに微笑むもので返す言葉がないリクオは苦笑するしか方法はなく、だがふと自分はとんでもない事を言ってしまったと気付いた彼女の顔は赤く染まる
「!あ、あう…勢いで言ったら凄く恥ずかしくなってき、ちゃった…」
「くく…」
「わ、笑わないで…!い、今の言葉は忘れてねっ」
「そりゃ無理だな、あんな可愛い言葉言われちゃあな」
「うぅ…!」
彼がこういうのは頭の何処かで分かっていたものの過去の自分に会えるのなら、その口を閉ざしてやりたいと花雪は深く後悔したのだった
「…えっと…これ、は…」
「イタクが言ってただろ?オレ達は戦闘好き、実戦あるのみ!だってよ」
夜が明け、自分の役割が終わった合間に赴いた闘技場でにぃっと笑みを浮かべる淡島に捕まってしまった花雪
実戦と言っても彼女は酷く弱く刀等を持った事がない、勝敗は見て明か、助けを求める為に傍に控えている冷麗に目線を向けるも…
「危なくなったら止めてあげるからやってみなさい」
そう遠野での自分の師匠にそう言われてしまえば引き受けるしかなく、花雪は木刀に見立てられた木の棒で淡島と相対する、がやはりと言うか…
哀れむ様に苦笑を浮かべる紫に指摘された花雪は自分は自分の事を何も知らない事に気付いたのだった
「存在があやふやな妖怪なのよ、人の様でもあり神格化した存在の様で……
どっち付かずってことじゃないかしら、花雪が引く血は」
「そう言って頂けると有難いです…」
「畏を技にするというのは妖怪の特徴を具体的に出す事を言うの、河童なら水系の技、鎌鼬なら鎌の技を具現化するでしょうね、現にイタクと雨造がそうだから」
「じゃあ冷麗さんは氷の技ということなんですね、確かに特徴がしっかりと具現化出来てます
存在があやふやで特徴が掴めていない私が本当に畏を技に昇華して、母が遺したものを使いこなす事が出来る、のでしょうか…」
「先ずは自分自身を知る事から始めたらどう?"月詠"という血をあなたなりに理解して、初めて存在を確立出来たら…そうすればきっと見えてくるはずよ、自分の"技"が
それに貴女にはその羽衣以外にも楓から暗示して貰った言葉があるのでしょう?」
「!…はいっ」
だがお手軽に自分自身を理解するという事が出来る筈もなく、結局その日は遠野で受け持った役割である風呂掃除の後の食器洗いで時間は潰れてしまった
受け持った全てを終え、誰もが寝静まった屋敷の中で花雪はぽつんと残された釜に歩み寄り、中の人物に合図する
「誰だ…って花雪…!」
「リクオの怪我が心配で来ちゃった、今日凄い音がするくらいに戦ってたみたいだから…迷惑、だった?」
「迷惑なんかじゃねぇよ、寧ろ助かる」
不安げに自分を伺う彼女にそう言えば、花雪は良かったと花が開いた様にふわりと柔らかく微笑んだ
釜に寄りかかる形で座るリクオに両手を翳せば、月光に似た淡い光が彼を包み込む
「これで明日に差し支えないと思う」
「ああ、ありがとな花雪、そっちはどうだい」
「えっとね、お母さんから私宛に遺していた手紙を見たよ」
「…大丈夫だったか?」
「うん大丈夫っ寧ろ元気を貰ったの、前に進む元気を…
あのね、後この羽衣とこの煙管入れに入ってるものが私の戦いに必要なものになると思う」
「…」
「リクオ…?、ひゃ…っ」
母親の遺品を腕に纏わせて微笑む花雪は不意にリクオに抱き締められてしまい、どこに彼をそうさせるものがあったのかと不思議に思ってしまう
「出来るならお前に戦わせたくねぇ、オレがここに来たのは京都に対抗する為の力を得る為と同時に花雪を守る為の力が欲しかったからだ
でも前にそれでお前に怒鳴られた事があったよな、「守られるだけの重荷としているんじゃない、平等に傍にいたい」ってな」
「…うん、私だって同じだから…リクオの気持ち分かってるつもり、リクオや皆に傷付いて欲しくない、出来るなら戦って欲しくない…でもそれは出来ない事も知ってる
だったら私も一緒に戦いたい、リクオを…貴方が守りたいものを一緒に守りたい、あなたが私の事で気負わずに先陣を切れる様に私は私自身を守る力が欲しい…だから私はあなたとここに来たんだよ?」
「…叶わねぇな花雪には」
昔、自分が言った言葉を覚えていてくれたこと、そしてその意志を尊重しようとしてくれるリクオの言葉が酷く嬉しくて、
花雪は彼の胸を掴みながら穏やかに微笑むもので返す言葉がないリクオは苦笑するしか方法はなく、だがふと自分はとんでもない事を言ってしまったと気付いた彼女の顔は赤く染まる
「!あ、あう…勢いで言ったら凄く恥ずかしくなってき、ちゃった…」
「くく…」
「わ、笑わないで…!い、今の言葉は忘れてねっ」
「そりゃ無理だな、あんな可愛い言葉言われちゃあな」
「うぅ…!」
彼がこういうのは頭の何処かで分かっていたものの過去の自分に会えるのなら、その口を閉ざしてやりたいと花雪は深く後悔したのだった
「…えっと…これ、は…」
「イタクが言ってただろ?オレ達は戦闘好き、実戦あるのみ!だってよ」
夜が明け、自分の役割が終わった合間に赴いた闘技場でにぃっと笑みを浮かべる淡島に捕まってしまった花雪
実戦と言っても彼女は酷く弱く刀等を持った事がない、勝敗は見て明か、助けを求める為に傍に控えている冷麗に目線を向けるも…
「危なくなったら止めてあげるからやってみなさい」
そう遠野での自分の師匠にそう言われてしまえば引き受けるしかなく、花雪は木刀に見立てられた木の棒で淡島と相対する、がやはりと言うか…