第四十八幕 朝靄に織られし六つ手の天災
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どこか、いじらしささえも感じられる文面にあらかた目を通し終わった、リクオと花雪の視線が思わずこれを記した氷麗の方へと引き寄せられる
何か言いたげな二人の視線に氷麗はと言うと、面映い表情で口元を袖口で隠すもので二人もそれに倣う様に自然と閉口、しばし言葉がない空間に取り残された
「なーなー、おいリクオー
もしかしてよーそいつが助けたいっつってた、超絶美人の友達ってやつかい?」
「花雪という奴がいながら、隅におけねーなー」
「超……?」
「いや、あっちだ」
傍目から見ると三角関係にも見えるであろう、花雪達の様子に茶々をいれずにはいられないとばかりに遠野の三人衆が含み笑いで探りを話の中心であるリクオへと入れた
だが彼らが期待する面白い色事というものは残念ながら、リクオが指差す人物が淡島達が上げに上げまくったハードルのせいもあって、その期待を打ち消す事となる
「ホンマに来たんや…奴良くん、月夜見さんまで一緒とは想定外やったけど…」
「……」
変化を解く動作で事なきを得た氷麗と共に中空へ放り出されたゆら、彼女こそがリクオと花雪を京都へ引きつけた理由であり、淡島達が想像を働かせていた超絶美人な友達
そんな彼女は自分の兄である竜二に抱きとめられていたが、兄は何を思ったか折角怪我なく済んだゆらを加減無しに鳥居へと投げ飛ばしたのだった
「ギャアア、何や―――!!」
「重い」
「アレが…」
「投げることあらへんやろ、クソバカ兄イイイ」
「お前最近、言葉遣いキタナイぞ!!」
鳥居へ投げ飛ばされても奇跡的に無傷で済んだゆらは他人の目があるにも関わらず、今の竜二の行動に不満をつける様に彼へとつばを飛ばし始める
たったの数秒の中で起こった出来事は淡島達の抱いていた女性像を打ち砕くには充分で、混乱しがちな淡島達の中で雨造だけが可笑しそうにそのテンションを維持していた
『おもろい子らや』
「あんた…秀元っつったな、"じじい"の知り合いなんだな」
途端に神社という新鮮な場所が妖怪と陰陽師というおかしな面子で賑わう、それを微笑んで見守っていた秀元だったがリクオの言葉を受けた彼の顔から表情が途端に消え去る
それに合わせ、あれ程に賑わっていた場は水が張った様な静けさが広がり、真剣味を帯びたリクオの声が反響する
「オレ達の因縁のこと…知ってんなら教えてくれ
オレは…その因縁を断ちに来たんだ!」
「秀元?十三代目秀元…
そ…そーだ!! "四百年前"一緒に羽衣狐倒した天才陰陽師じゃねーかぁ!!」
「四百年前…?」
らせんの封印、という言葉に聞き覚えがあり、この道中、その言葉をどこで聞いたかがずっと気掛かりであった納豆小僧が花開院 秀元――らせんの封印の制作者の名を聞き、全てのつじつまを繋ぎ合わせた
「思い出したぞ!! らせんの封印…京から妖を追い出す為に"地脈"を結んで作られたってぇ~最強の結界
妖怪が京に入るにゃー、一つ一つ順に封印を解いてかにゃーいけねぇって総大将、言ってたぜ!?」
「じゃあ、こうして京都に妖怪が蔓延っていたり、私達がこうして都に立ち入られたのはその封印が…」
『そう…ボクの作った最強の結界、もう破られたけどな』
ー京には重大な地脈がらせん状にめぐっている、地脈は気の流れとなる大地の血管のようなもの
そのうちの一つ、京の都千年の怨念が通う道……
京妖怪の力を排するためには、この通り道をふさがねばならなかった
彼が過去形で話すのは自分自身が言う様に最強と称していた結界が文字通り破られ、京都は妖が蔓延る都と化してしまったから。全ては羽衣狐の手によって
『そこで八つの場所に強力な妖を封じ、封印の"栓"とした……そこを花開院家が守ってたんや
因縁を断つと言うたね…君がぬらちゃんの意志をついでるなら、ぜひ……たのみごとをしたい。花開院家の陰陽師と共に再度封印を一つ一つ施して行ってほしい!!』
――その申し出は異例ともいえた
本来、黒と白と線引きをされた敵同士が手を組み、彼らが唯一の共通点として持つ巨大な妖怪の主を討つ、というのは
それが出来るのは秀元が四百年前、若き日のぬらりひょんと共闘した事があり、他の陰陽師達とは違い、妖怪に対して好意的であるからこそ、出来る芸当なのかもしれない
『ホントはボクがやるんやけど…あいにく死んでるんでな、今日にも羽衣狐は地脈の終末地たる弐條城に入る!! 奴はそこで"子"を産む…闇が支配する"象徴"を。生まれるまでの期限はおそらく七日程!!
それまでに開けられてしまった"栓"を再び閉じ…妖気の流れを止めるんや!! そしてそののち「破軍」と「祢々切丸」によって弐條城にて、羽衣狐を討つ!! 頼むで!!』
「…頼まれなくても、その為にオレは来たんだよ!」
「強ぇ奴、全部そろったなぁー」
朝靄に織られし六つ手の天災
(その地は大皿)
(そこにあるのは鬼の空腹を満たす、"食材")
何か言いたげな二人の視線に氷麗はと言うと、面映い表情で口元を袖口で隠すもので二人もそれに倣う様に自然と閉口、しばし言葉がない空間に取り残された
「なーなー、おいリクオー
もしかしてよーそいつが助けたいっつってた、超絶美人の友達ってやつかい?」
「花雪という奴がいながら、隅におけねーなー」
「超……?」
「いや、あっちだ」
傍目から見ると三角関係にも見えるであろう、花雪達の様子に茶々をいれずにはいられないとばかりに遠野の三人衆が含み笑いで探りを話の中心であるリクオへと入れた
だが彼らが期待する面白い色事というものは残念ながら、リクオが指差す人物が淡島達が上げに上げまくったハードルのせいもあって、その期待を打ち消す事となる
「ホンマに来たんや…奴良くん、月夜見さんまで一緒とは想定外やったけど…」
「……」
変化を解く動作で事なきを得た氷麗と共に中空へ放り出されたゆら、彼女こそがリクオと花雪を京都へ引きつけた理由であり、淡島達が想像を働かせていた超絶美人な友達
そんな彼女は自分の兄である竜二に抱きとめられていたが、兄は何を思ったか折角怪我なく済んだゆらを加減無しに鳥居へと投げ飛ばしたのだった
「ギャアア、何や―――!!」
「重い」
「アレが…」
「投げることあらへんやろ、クソバカ兄イイイ」
「お前最近、言葉遣いキタナイぞ!!」
鳥居へ投げ飛ばされても奇跡的に無傷で済んだゆらは他人の目があるにも関わらず、今の竜二の行動に不満をつける様に彼へとつばを飛ばし始める
たったの数秒の中で起こった出来事は淡島達の抱いていた女性像を打ち砕くには充分で、混乱しがちな淡島達の中で雨造だけが可笑しそうにそのテンションを維持していた
『おもろい子らや』
「あんた…秀元っつったな、"じじい"の知り合いなんだな」
途端に神社という新鮮な場所が妖怪と陰陽師というおかしな面子で賑わう、それを微笑んで見守っていた秀元だったがリクオの言葉を受けた彼の顔から表情が途端に消え去る
それに合わせ、あれ程に賑わっていた場は水が張った様な静けさが広がり、真剣味を帯びたリクオの声が反響する
「オレ達の因縁のこと…知ってんなら教えてくれ
オレは…その因縁を断ちに来たんだ!」
「秀元?十三代目秀元…
そ…そーだ!! "四百年前"一緒に羽衣狐倒した天才陰陽師じゃねーかぁ!!」
「四百年前…?」
らせんの封印、という言葉に聞き覚えがあり、この道中、その言葉をどこで聞いたかがずっと気掛かりであった納豆小僧が花開院 秀元――らせんの封印の制作者の名を聞き、全てのつじつまを繋ぎ合わせた
「思い出したぞ!! らせんの封印…京から妖を追い出す為に"地脈"を結んで作られたってぇ~最強の結界
妖怪が京に入るにゃー、一つ一つ順に封印を解いてかにゃーいけねぇって総大将、言ってたぜ!?」
「じゃあ、こうして京都に妖怪が蔓延っていたり、私達がこうして都に立ち入られたのはその封印が…」
『そう…ボクの作った最強の結界、もう破られたけどな』
ー京には重大な地脈がらせん状にめぐっている、地脈は気の流れとなる大地の血管のようなもの
そのうちの一つ、京の都千年の怨念が通う道……
京妖怪の力を排するためには、この通り道をふさがねばならなかった
彼が過去形で話すのは自分自身が言う様に最強と称していた結界が文字通り破られ、京都は妖が蔓延る都と化してしまったから。全ては羽衣狐の手によって
『そこで八つの場所に強力な妖を封じ、封印の"栓"とした……そこを花開院家が守ってたんや
因縁を断つと言うたね…君がぬらちゃんの意志をついでるなら、ぜひ……たのみごとをしたい。花開院家の陰陽師と共に再度封印を一つ一つ施して行ってほしい!!』
――その申し出は異例ともいえた
本来、黒と白と線引きをされた敵同士が手を組み、彼らが唯一の共通点として持つ巨大な妖怪の主を討つ、というのは
それが出来るのは秀元が四百年前、若き日のぬらりひょんと共闘した事があり、他の陰陽師達とは違い、妖怪に対して好意的であるからこそ、出来る芸当なのかもしれない
『ホントはボクがやるんやけど…あいにく死んでるんでな、今日にも羽衣狐は地脈の終末地たる弐條城に入る!! 奴はそこで"子"を産む…闇が支配する"象徴"を。生まれるまでの期限はおそらく七日程!!
それまでに開けられてしまった"栓"を再び閉じ…妖気の流れを止めるんや!! そしてそののち「破軍」と「祢々切丸」によって弐條城にて、羽衣狐を討つ!! 頼むで!!』
「…頼まれなくても、その為にオレは来たんだよ!」
「強ぇ奴、全部そろったなぁー」
朝靄に織られし六つ手の天災
(その地は大皿)
(そこにあるのは鬼の空腹を満たす、"食材")