第四十六幕 迷い込むは千並ぶ異界
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疑う訳ではないが、倒したとはいえ、敵である言葉をリクオは安直に信じすぎたのではないかと早々に後悔の念にかられる
「青田坊・雪女との連絡は一向につかず」
「ゆらや清十字団もなぜかダメ」
「妖気をたどろうにも多すぎて、京じゃ無理だ」
「らせんの封印、らせんの封印…はて…どこかで」
「…あの男は何かウソをつくような奴じゃねぇと思うぜ、とにかくここをさぐろう!」
先に入った友人や仲間と連絡がつかないのであれば、合流を急ぐ為にも尚更ここで手を拱いている場合ではない
リクオの背に率いられ、風に誘われるがままに鳥居の群れを潜った先の伏目稲荷神社と相見える
外見にあれ程の変化があるのだ、どんな事が待っているのか気を抜けない――そう意気込んでいた花雪達が訪れた神社は普通そのもので妖怪の姿はなく、観光客の姿さえも臨める
「まだけっこう参拝客とかいんのな」
「見えない奴らには柱も見えてないのだろう」
「暗いが時間は昼間だ」
「避難させたりしなくて大丈夫かな…
もしかしたら、戦いに巻き込まれる可能性もある訳だし」
幾ら今は危害がないとはいえ、自分達がここに踏み込んだ事を察し、闇に隠れた妖怪が姿を現すかもしれない、それが観光客を人質に取る可能性もあるかもしれない
異質な空間を作り出したのは間違いなく妖怪なのだ、先程の様に人が傷付くのを回避しようと花雪はあらゆる考えを張り巡らせていく
「だが鳥居や柱も見えない奴らにどう説明する?」
「それは…」
「下手に恐怖を煽るより、知らない内に何とかした方がいいだろうよ。それも優しさってもんじゃないか?
……花雪の気遣いが悪いってことじゃねぇけどな」
「…うん、ありがとう。リクオ」
知らない方が幸せな事もある、そんな言葉があった事を花雪はリクオの言葉に思い出す
そうだ、きっとここに訪れた人々はこの町の景観を楽しみ、回っている筈だ、楽しい一日を自分の言葉で壊す事は彼女自身も望んでいない為、花雪は微笑み、リクオの言葉を受け入れた
「こんな時間に女でいるなんて初めてだ!動きにくくってしゃーねぇよ!!」
「淡島ってさ…」
「"便所"ってどーしてんの?」
「あ~ん?男子便に決まってんだろ?オレは基本男だからな!!
リクオと花雪と一緒さ~。なぁ?あれ?二人って人と妖怪、どっちが主なんだ?」
「……」
昼間は男の姿を取る淡島も夜の姿である事に他ならない違和感がある、と訴えながら、リクオを女の姿のままに抱き締める
無心になっているのだろう、リクオは淡島の言葉にノーコメントを貫く様子を見つめていた毛倡妓は冷め冷めとした視線を送っていた
今はいない、清十字団の護衛に当たっているであろう氷麗がこれを見たら…簡単に思いつく、姫様の前で何しているんですか!と烈火の如く怒るだろう、十中八九
毛倡妓と同じ様にリクオと淡島のスキンシップを見つめていた花雪はそれをにこにこ、と菩薩の様に微笑んで見つめていた為に違和感を抱く
「花雪様、若の許嫁としてびしっと牽制しなくて良いんですか?」
「え?何で?」
「何でって…こう…焼きもちとかしないんで?」
「リクオと淡島さん、似た妖怪同士だから共感する部分もあるのかなって……」
「そ、そうですかー(花雪様、リクオ様が自分以外に目がないって無意識に分かってるのね)」
普段は弱々しく、リクオや自分達の後ろに守られてばかりの少女は意外にもどっしりと三代目の嫁という器に構えている事を知り、毛倡妓は首を傾げる花雪からしずしずと退散する
敵地に入り込んだとは思えない穏やかさの中、それに浸ってもいられない首無は掲示板に張られた参拝ルートを発見した
「奥に進むにはルートがいくつもあるから、何手かに別れよう」
「あの柱は妖気かなにかだ、きっと何かある!!」
「…………」
いくつかのルートをどのチームが向かうかの議論の裏で淡島は祠に祀られた石を見つけた、その石は看板によると「おもかる石」という類いのものらしい
物珍しそうに、そして何故こんな石が祀られているのかと怪訝そうに淡島はそれをまじまじと観察する
「何だこりゃ、重軽石?」
独り言にしては大きな声量に淡島が石に目をつけているのを黒田坊が気付き、注意するでもなく視線を注いでいる
黒田坊の視線にも気付かない程に石に夢中になっている淡島は徐にそれを手に取り、その形に見合わない重さに油断していた手が圧迫された
「重っ、なんだこれ…」
「淡島ーどーした?」
「何でもねぇ!!オレの組は!?」
呼び掛けに何事もなかったかの様に淡島は石を祠に収め、リクオ達の元へ踵を返すものの黒田坊はそうはいかなかった
「青田坊・雪女との連絡は一向につかず」
「ゆらや清十字団もなぜかダメ」
「妖気をたどろうにも多すぎて、京じゃ無理だ」
「らせんの封印、らせんの封印…はて…どこかで」
「…あの男は何かウソをつくような奴じゃねぇと思うぜ、とにかくここをさぐろう!」
先に入った友人や仲間と連絡がつかないのであれば、合流を急ぐ為にも尚更ここで手を拱いている場合ではない
リクオの背に率いられ、風に誘われるがままに鳥居の群れを潜った先の伏目稲荷神社と相見える
外見にあれ程の変化があるのだ、どんな事が待っているのか気を抜けない――そう意気込んでいた花雪達が訪れた神社は普通そのもので妖怪の姿はなく、観光客の姿さえも臨める
「まだけっこう参拝客とかいんのな」
「見えない奴らには柱も見えてないのだろう」
「暗いが時間は昼間だ」
「避難させたりしなくて大丈夫かな…
もしかしたら、戦いに巻き込まれる可能性もある訳だし」
幾ら今は危害がないとはいえ、自分達がここに踏み込んだ事を察し、闇に隠れた妖怪が姿を現すかもしれない、それが観光客を人質に取る可能性もあるかもしれない
異質な空間を作り出したのは間違いなく妖怪なのだ、先程の様に人が傷付くのを回避しようと花雪はあらゆる考えを張り巡らせていく
「だが鳥居や柱も見えない奴らにどう説明する?」
「それは…」
「下手に恐怖を煽るより、知らない内に何とかした方がいいだろうよ。それも優しさってもんじゃないか?
……花雪の気遣いが悪いってことじゃねぇけどな」
「…うん、ありがとう。リクオ」
知らない方が幸せな事もある、そんな言葉があった事を花雪はリクオの言葉に思い出す
そうだ、きっとここに訪れた人々はこの町の景観を楽しみ、回っている筈だ、楽しい一日を自分の言葉で壊す事は彼女自身も望んでいない為、花雪は微笑み、リクオの言葉を受け入れた
「こんな時間に女でいるなんて初めてだ!動きにくくってしゃーねぇよ!!」
「淡島ってさ…」
「"便所"ってどーしてんの?」
「あ~ん?男子便に決まってんだろ?オレは基本男だからな!!
リクオと花雪と一緒さ~。なぁ?あれ?二人って人と妖怪、どっちが主なんだ?」
「……」
昼間は男の姿を取る淡島も夜の姿である事に他ならない違和感がある、と訴えながら、リクオを女の姿のままに抱き締める
無心になっているのだろう、リクオは淡島の言葉にノーコメントを貫く様子を見つめていた毛倡妓は冷め冷めとした視線を送っていた
今はいない、清十字団の護衛に当たっているであろう氷麗がこれを見たら…簡単に思いつく、姫様の前で何しているんですか!と烈火の如く怒るだろう、十中八九
毛倡妓と同じ様にリクオと淡島のスキンシップを見つめていた花雪はそれをにこにこ、と菩薩の様に微笑んで見つめていた為に違和感を抱く
「花雪様、若の許嫁としてびしっと牽制しなくて良いんですか?」
「え?何で?」
「何でって…こう…焼きもちとかしないんで?」
「リクオと淡島さん、似た妖怪同士だから共感する部分もあるのかなって……」
「そ、そうですかー(花雪様、リクオ様が自分以外に目がないって無意識に分かってるのね)」
普段は弱々しく、リクオや自分達の後ろに守られてばかりの少女は意外にもどっしりと三代目の嫁という器に構えている事を知り、毛倡妓は首を傾げる花雪からしずしずと退散する
敵地に入り込んだとは思えない穏やかさの中、それに浸ってもいられない首無は掲示板に張られた参拝ルートを発見した
「奥に進むにはルートがいくつもあるから、何手かに別れよう」
「あの柱は妖気かなにかだ、きっと何かある!!」
「…………」
いくつかのルートをどのチームが向かうかの議論の裏で淡島は祠に祀られた石を見つけた、その石は看板によると「おもかる石」という類いのものらしい
物珍しそうに、そして何故こんな石が祀られているのかと怪訝そうに淡島はそれをまじまじと観察する
「何だこりゃ、重軽石?」
独り言にしては大きな声量に淡島が石に目をつけているのを黒田坊が気付き、注意するでもなく視線を注いでいる
黒田坊の視線にも気付かない程に石に夢中になっている淡島は徐にそれを手に取り、その形に見合わない重さに油断していた手が圧迫された
「重っ、なんだこれ…」
「淡島ーどーした?」
「何でもねぇ!!オレの組は!?」
呼び掛けに何事もなかったかの様に淡島は石を祠に収め、リクオ達の元へ踵を返すものの黒田坊はそうはいかなかった