第四十六幕 迷い込むは千並ぶ異界
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「みんな、危ない!」
「ん?ひぇ…ええ~~!?
待ってー!! ここもう、京都の中なの~~~!?」
小妖怪達の会話を見守っていた花雪の目の前で、そして彼らの背後で水面を突き破り、雨造達とはまた違った性質の河童達が小妖怪達の声に引き寄せられ、上陸を果した
逃げ惑う小妖怪達を逃がそうと河童の群れの注意を引こうと花雪はその腕に巻いた月鳴に精神を注ぐが、その横を駈けた黒い羽織が小妖怪達の前面に躍り出ると群れを一閃に伏す
「ひ…わ…若…」
「臆するな!! それこそ敵の思うつぼだ、まずはつらら達と合流する!!」
「へ…へいっ……」
「久しぶりの上洛だろ!?および腰じゃあ、格好がつかねぇぜ!!
なに、例え薄闇の中でもオレ達には月…花雪がいる。道はこいつが照らす」
「リ、リクオ…」
肩を彼の方に引き寄せられ、誇らしく自分の存在を主張する言葉に花雪の引き締めていた頬に朱が指す
けれど小妖怪達がリクオの発破と自分の存在にほっと安堵している様子に気を引き締める、自分がいる事で彼らの支えになれれば、否ならなくては――と
京都――
伏目稲荷神社周辺
「ハァ、ハァハァ…」
京都に観光に訪れたカップルであろう男女は何かから逃げる様に逃げ道や助けを求め、必死に走っていた
「なんだよ…どーなってんだよぉおおー!!」
「なにこの街っ」
一体自分達の身に何が起こっているか、把握する暇もなく、せめてもの抵抗にと彼らは叫び声をあげる
だがその叫び声が餌となり、後ろから男女を追って来た影は彼らを捕捉し、先端に付属された手がとうとう女性の片足に届いてしまった
「ひぇ!?」
手に捕獲された女性の足は縺れ、その場に座り込む
自身の彼女を置いていけない男性は女性の元へ引き返し、餌が一箇所に集まった事でここぞとばかりに大きな影が這いよる
『生キ肝…生キ肝』
『クワセロ~、クワセロ~』
自分達を見下ろしてくる異形の姿を目の当たりにした彼らの顔色は一気に色を失い、次の瞬間には劈く様な悲鳴がそこ等中に撒き散らされる
住居街の筈なのに、昼間な筈なのに無人のそこに迷い込んだのが彼らの不運、でもなかった様だ
何者かの太刀が目の前の人間に注視し、背後を警戒していなかった妖怪の巨大な体躯を簡単に切り落とす
「いくぞ、おめーら
狐の因縁を…断ちに四百年ぶりの、百鬼夜行だ…………!!」
若き奴良組 三代目総大将が己の百鬼と月を従え、都へと立ち入った
「不幸中の幸いだな、不時着した九条の辺りからすぐ近くだった
………………あの下あたり…」
人を町中で堂々と妖怪が襲った所を見つけたからには捨て置けない、とリクオがその妖怪の屍を踏み越え、すぐの事
京都の地図をどこからか入手した首無は数少ない手がかりである白蔵主の言葉にあった伏目稲荷神社を確認する
思わず地図で確認したものの方角はあっている、間違いなかった
神社があるであろう山からは遠目で見ていた妖気の渦が黒々と立ち上っているのが確認出来た
「"伏目稲荷神社"」
「見るからに妖しいって感じだな…」
「お、おい、見ろ!!」
「なんじゃここ!!」
誰が先に気付き叫んだか、吸い上げられる様に上る妖気の柱だけが異質の象徴ではなかった
近付くにつれ、はっきりと姿を現す山は現実では有り得ない大量の鳥居が山を食い潰していた、幾ら連なる鳥居が有名な伏目稲荷でもこの数は有り得ない
――となると原因はこの鳥居の奥から漂う妖気を孕んだ風の主か
「………………すげぇ…」
「おびただしい数の鳥居が…」
「まるで鳥居の森だな」
「で、出そうだな…」
「ここに白蔵主が言ってた"らせんの封印"があるのかな
一体どんなものなんだろう…」
ー伏目稲荷へ向かえ、それが"らせんの封印"の一番目の場所だ…
すでに自分達がいる事で「出ている」のではないか、と思わず突っ込みそうになったものの、それは置いておいてだ
この異様な空間と立ち込める寒々しい空気に幹部クラスの妖達は眉を潜める、白蔵主は確かにここに向かえといったが、簡単に信じてしまってよかったのかと
「白蔵主に言われ、この地に向かったはいいが」
「何を信用して、リクオ様は」
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