第四十六幕 迷い込むは千並ぶ異界
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まるで海と立場を逆転したかの様に空は大渦を巻き、街から立ち上る妖気を吸い込み、その澱みを濃く濁らせていく
巨大な妖気の柱を中心に周辺からは所々で戦闘後に上がる黒煙の様な細い妖気が立ち上る、暗雲立ち込める妖の街と化しつつある風景の異質さに雨造達は飲まれる
「うわ~~イ…イメージと違うなぁ、京都」
「雪女や青田坊は…もうこん中にいるんだよなぁ?」
「あいつら、何で先に入ったんだっけ」
「リクオ様と花雪様のご学友がこの京都に入るから、護衛に行ったんだよ」
「お、陰陽師の子は?どーなっちまったんかな!?」
「死んだか!?」
潜む事のない声による様々な臆測が花雪の背後でざわつく
知っているのだ、氷麗や青田坊が強い事は幼い頃から彼らに守られて来た花雪自身が何よりも知っている
……それでも、この京都の異質さや背後での小妖怪達の井戸端会議に彼らの強さを信じたいと思う気持ちとどうしようもない不安がぶつかり合い、摩擦し合う胸に花雪の心がすり減っていく様だ
「花雪」
「……リクオ、つららちゃんや青の事、どう……。?!」
「リクオ様、この状況は想定外…今一度作戦を――」
首無の視線の先を黒い端がはためく
え、と思った時には既に遅く、リクオは清十字団の無事を彼の口から聞いて安心しようとした言葉を遮り、彼は花雪をその腕に抱き、誰より早く京都の地に踏み入れた
「リクオ様、花雪!?」
このままでは共の一人もつけずにリクオは花雪を連れ、京都の奥地に行こうとすると察しがついた首無が二人の後を追う
花雪もまた自分を抱く彼を止めようと焦り始める、幾ら遠野で鬼憑・鬼發を取得したとしてもこの街にどんな想定外の手練がいるか分からないのだ、何とかしてリクオの足を止めなければ…
「リ、リクオ待って…向かう場所が分からないで闇雲に飛び出しちゃ…っ」
「待て!ぬらりひょんの孫」
思わぬ所からリクオを止める声が上がった
想定外の声の主からの呼び止めだったからか、首無や花雪の声を振り切ろうと歩を進めていたリクオも漸く立ち止まる
「は…白蔵主…?」
「私は…羽衣狐様にひろわれた者だ、お主らの味方になるわけにいかん!
だが一つだけ教えてやる…まずは伏目稲荷にむかえ、らせんの封印の一番目の場所だ…!!」
ーらせんの封印?
ーもしかして、ゆらちゃんのお兄さんが言ってた結界のこと…?
「ん?なんかきいたことあるな」
あれはいつの事だったか、――そう、確か京都で何が起こっているか知らずに夏休みが始まる事に胸を沸かせていた時の頃
山奥に打ち捨てられた廃墟の中で言葉を巧みに扱う陰陽師、ゆらの兄が言っていた事を花雪は思い出していた
確かあの時、彼は花開院家が京に張っている8つの結界を羽衣狐が2つ破ったと事態の深刻さをゆらに伝えていた筈だ、自分の記憶が確かなら
「さようならば失礼!! おぬしたちではかなわんよ!!」
「え!?」
「と…飛んだ!?」
「仲間にゃなんねーのかよ!!」
「……………なんだったんだ、一体」
どこぞの有名所の特撮ヒーローよろしく、退場ポーズを取って白蔵主は暗雲の果てに飛び去ってしまった、…本当にどこまでも掴めない妖だった
態々、敵に塩を送る真似をせずとも何も知らないまま、リクオ達が京都に向かうのを見ていれば一網打尽だったろうに、もしかしたら彼なりにこれで貸し借りなしという考えなのかもしれない
「しかし…この街を見るに…」
「いや…あいつの言う通りかもな…」
「なぁ…ちょ、ちょっと休んでかね?」
「そ、そーだぜ。ちょっとここで腰をすえてだな…」
再度、京都の街の様子を改める。何度見てもここが人の住む世界とは思えない程に街の様相は在り方を変えていた
今からここに踏み込むとなるとやはり、少し気を落ち着かせる時間が欲しいと小妖怪達は慎重さをアピールする
だが船外に出た事でもう彼らに安心出来る場所はないと知るのは数秒後となる
「そーだよ。宝船なら休めば回復するし…」
「え?こいつ、自然治癒しちゃうの!?」
「まだ船内には食料もあるしさぁ…」
中々、決心がつかずに平行線を辿る会話を繰り返す小妖怪達の背後には京都の至る場所を流れる川
普段ならば、そのせせらぎに耳を楽しませる場所だろうがここはすでに妖と化した街の外れである事を忘れた時点で、勝敗が決してしまう
巨大な妖気の柱を中心に周辺からは所々で戦闘後に上がる黒煙の様な細い妖気が立ち上る、暗雲立ち込める妖の街と化しつつある風景の異質さに雨造達は飲まれる
「うわ~~イ…イメージと違うなぁ、京都」
「雪女や青田坊は…もうこん中にいるんだよなぁ?」
「あいつら、何で先に入ったんだっけ」
「リクオ様と花雪様のご学友がこの京都に入るから、護衛に行ったんだよ」
「お、陰陽師の子は?どーなっちまったんかな!?」
「死んだか!?」
潜む事のない声による様々な臆測が花雪の背後でざわつく
知っているのだ、氷麗や青田坊が強い事は幼い頃から彼らに守られて来た花雪自身が何よりも知っている
……それでも、この京都の異質さや背後での小妖怪達の井戸端会議に彼らの強さを信じたいと思う気持ちとどうしようもない不安がぶつかり合い、摩擦し合う胸に花雪の心がすり減っていく様だ
「花雪」
「……リクオ、つららちゃんや青の事、どう……。?!」
「リクオ様、この状況は想定外…今一度作戦を――」
首無の視線の先を黒い端がはためく
え、と思った時には既に遅く、リクオは清十字団の無事を彼の口から聞いて安心しようとした言葉を遮り、彼は花雪をその腕に抱き、誰より早く京都の地に踏み入れた
「リクオ様、花雪!?」
このままでは共の一人もつけずにリクオは花雪を連れ、京都の奥地に行こうとすると察しがついた首無が二人の後を追う
花雪もまた自分を抱く彼を止めようと焦り始める、幾ら遠野で鬼憑・鬼發を取得したとしてもこの街にどんな想定外の手練がいるか分からないのだ、何とかしてリクオの足を止めなければ…
「リ、リクオ待って…向かう場所が分からないで闇雲に飛び出しちゃ…っ」
「待て!ぬらりひょんの孫」
思わぬ所からリクオを止める声が上がった
想定外の声の主からの呼び止めだったからか、首無や花雪の声を振り切ろうと歩を進めていたリクオも漸く立ち止まる
「は…白蔵主…?」
「私は…羽衣狐様にひろわれた者だ、お主らの味方になるわけにいかん!
だが一つだけ教えてやる…まずは伏目稲荷にむかえ、らせんの封印の一番目の場所だ…!!」
ーらせんの封印?
ーもしかして、ゆらちゃんのお兄さんが言ってた結界のこと…?
「ん?なんかきいたことあるな」
あれはいつの事だったか、――そう、確か京都で何が起こっているか知らずに夏休みが始まる事に胸を沸かせていた時の頃
山奥に打ち捨てられた廃墟の中で言葉を巧みに扱う陰陽師、ゆらの兄が言っていた事を花雪は思い出していた
確かあの時、彼は花開院家が京に張っている8つの結界を羽衣狐が2つ破ったと事態の深刻さをゆらに伝えていた筈だ、自分の記憶が確かなら
「さようならば失礼!! おぬしたちではかなわんよ!!」
「え!?」
「と…飛んだ!?」
「仲間にゃなんねーのかよ!!」
「……………なんだったんだ、一体」
どこぞの有名所の特撮ヒーローよろしく、退場ポーズを取って白蔵主は暗雲の果てに飛び去ってしまった、…本当にどこまでも掴めない妖だった
態々、敵に塩を送る真似をせずとも何も知らないまま、リクオ達が京都に向かうのを見ていれば一網打尽だったろうに、もしかしたら彼なりにこれで貸し借りなしという考えなのかもしれない
「しかし…この街を見るに…」
「いや…あいつの言う通りかもな…」
「なぁ…ちょ、ちょっと休んでかね?」
「そ、そーだぜ。ちょっとここで腰をすえてだな…」
再度、京都の街の様子を改める。何度見てもここが人の住む世界とは思えない程に街の様相は在り方を変えていた
今からここに踏み込むとなるとやはり、少し気を落ち着かせる時間が欲しいと小妖怪達は慎重さをアピールする
だが船外に出た事でもう彼らに安心出来る場所はないと知るのは数秒後となる
「そーだよ。宝船なら休めば回復するし…」
「え?こいつ、自然治癒しちゃうの!?」
「まだ船内には食料もあるしさぁ…」
中々、決心がつかずに平行線を辿る会話を繰り返す小妖怪達の背後には京都の至る場所を流れる川
普段ならば、そのせせらぎに耳を楽しませる場所だろうがここはすでに妖と化した街の外れである事を忘れた時点で、勝敗が決してしまう