第八十二幕 三代続きて、因縁尚深く
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「いいんだな、リクオ」
「ああ。羽衣狐は
「………いいんだね、あんたにとっても…この方は肉親みたいんなもんだろ…?」
息絶えた羽衣狐もとい乙女の体を抱きかかえ、何かを決意したらしいリクオ。今行われようとしているのは抱きかかえた彼女の体を、現世に残った京妖怪達ー彼らの代表である狂骨とがしゃどくろに明け渡す所であった
今までの話を共に聞いていた狂骨もこの体がリクオの実の親同然の妖のものだと知り、受けとる事を躊躇いはしたものの、やはり羽衣狐は自分達にとって何者にも変えられない妖。例えその抜け殻だとしても、傍にいたかった
「
「すまない、恩に着る」
リクオより乙女の体を受けとった狂骨はがしゃどくろと白蔵主を連れ立ち、激戦の跡地を立ち去る。主を失った今、最早奴良組と戦う意味を失った彼らを追いかける理由が奴良組にもない。静かにその背中をリクオ達は見送った
確かに京妖怪達はらせんの封印を破り、京都の街を妖の街へと変貌させたりと悪業を重ねた。だがそれも全ては羽衣狐の千年の願いー宿願を達成させる為に行ったもの、彼らは一途に主を思い、その信念の元、戦ったのだ
「……
オレは
「………リクオ、てめえで全面きってぶつかる気か」
「進ませてもらうぜ、止めんなよじじい」
ーずいぶん男っぽくなりやがってよぉ、リクオ
「………へっ、リクオォ」
「リクオ様…!」
「へぇーあいつ、大将っぽいこと言うなぁー」
「も、元から大将ですよ?」
思わず淡島の発言に花雪は突っ込んでしまうものの、その心はリクオの言葉に沸き立つ百鬼と同じ様に踊っていた。晴明という男は今まで戦って来た相手以上の強敵なのに変わりはない、それでもリクオは進む事を選んだ
新時代の幕開けを祝福するかの様に差し込む陽光と共に降って来る歓声を、ぬらりひょんと共にこの地へやって来た牛鬼と幹部達が見守っていた。これからいよいよ、奴良組は三代目の時代へと移り変わるのだ
「…いよいよですな」
「うむ」
「フン…来るんじゃなかったぜ。これじゃ、みとめざるをえんだろーがよぉ」
「………」
ーここは手打ちか、まぁいい
今までリクオに悉く反発し、反対姿勢を貫いてきた一ツ目入道もこれには認めざるを得ない。リクオとその百鬼の成長を鞍馬山にて、牛鬼と共にリクオの修行に当たっていた鞍馬天狗も暗がりから見上げていた
あわよくば羽衣狐…否晴明とリクオが相打ちになる事を目論んでいたものの、そう上手くはいかない。だが彼には晴明と戦う機会はまだまだある、今回は相打ちとはいかなかったものの、まだ機会はある筈だと自身を納得させた
「いくよ、あんたたち!! 情けない顔すんじゃないよ」
「きょ…狂骨~」
「しっかりおし!! お姉様がかえってきたときにガッカリさせたいのかい!?」
「え?」
「いつかきっと戻ってくる、このお姉様の体が我々の…羽衣狐様の殺生石なんだ!!」
その様子はいつか、リクオという主を失った時の奴良組を思い返される。その時と同じで彼らも羽衣狐という主を失った事、そして多くの仲間が羽衣狐の下を離れて晴明に着いていった事で気力を失ってしまっている
主や仲間を失った今、狂骨は信じていた。いつの日か羽衣狐が地獄から蘇り、再び自分達を束ねてくれる事を。それまでは何が何でもこの体を守り抜くのだ、肉親同様である乙女の体を自分達へ託してくれたリクオに報いる為にも
「ゆら。ちょっと、頼みを聞いてくれねぇか」
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