参拾九話 結ばれる前に溢れた結葉
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「芹罹を愛してる」
「…っ!」
「もう保たねぇ、ずっとお前が欲しいと願ってきた、主従関係でなく、だ
過去、全部を知ってから守りたい、お前は俺が幸せにしたいと願ってきた、だから主従でなく、芹罹個人として俺のものになってくれねぇか」
「政、宗…」
どうしよう、酷く心が暖かいのに苦しいの、双方の瞳は目の前の政宗が見えなくなる程にぼやけていく
でも、でもね…私じゃダメなの、貴方へ向けていた思いを封じていたいのに私は貴方の胸に手を置き、俯く
「芹罹?」
「政宗…」
「!お前…っ体が…!」
「あのね…」
「言うな!Sit!さっき言ってたのはこういう事かよ…!
行くな、芹罹!勝手に消えるのは許さねぇ!ずっと傍にいろ…っ!」
ぎゅうってまた抱きしめてくれる政宗の温度が遠のく、言わなきゃ、何も言わないで終わらせたくないの
精一杯に微笑んでみせる、私から発せられる光が私達を包んで綺麗だなって不意に思いながら、私は政宗の腕を解かせ、その頬に触れる
「次の世界で出会う日は抱きしめて、キスをして、ね…」
*** * ***
「よう芹罹ちゃん、お帰り」
「…潤、さん」
「ん?」
「私、私ね、あっちの世界で誰かの為に戦って、喜んで貰う幸せを知ったの」
「うん」
「それでどんなに暗い過去でも、少し一歩を踏み出せば…受け入れてくれる人もいるって知ったの、世界は暖かいって」
「ああ」
「そして…人を愛して…人に愛して貰うっていう…っ殺し名にも呪い名にも勝る奇跡で切なくて、痛くてっとても強い愛しい感情を知ったよ…!」
「上出来だよ、芹罹ちゃん
ごめんな、でもどんなに芹罹ちゃんが苦しくても人間らしさを取り戻して欲しかった、だから今は嬉しいよ
もう芹罹ちゃんは大人であたしの弟子じゃない―――あたしの家族で妹だ、だから今はこの家族の胸の中で泣きな」
「っ…!潤、さん…っ!っ、っう、うぅ…!あぁぁっ!」
政宗、私の大切な主で最初で最後の愛する人
一緒にいてくれて、戦わせくれて、愛してくれてありがとう、さよなら…
結ばれる前に溢れた結葉
(愛しくて愛し過ぎて、怖かった)