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「あら、マスター。もうお休みですか?」
「うん!久しぶりのお休みだからね、いっぱい寝るんだ~」
「ふふ、そうですね。しばらくすれば、またレイシフトです
ゆっくりお休みなさってください、マスターがいい夢が見れますように」
「ありがとう、ジャンヌ!おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい。ルシティカ」
聖女の微笑よりも、その言葉でかつて挑んだ特異点の時の様に名前を呼ばれた事に喜びを覚えたルシティカは久し振りに名前、呼んでくれたね、と嬉しそうにジャンヌへと笑いかけた
サーヴァントというよりも友人に近しい存在に名前を呼ばれた事でいい気分で眠れそうだ、と確信めいた思いを抱きながら、ルシティカはマイルームのベッドに潜り込んだ
「マスター」
ひっそりとした空間に投げ入れられた、天草の一声
もう眠っているのか、という問いかけにも聞こえるその声は同時に、ルシティカが起きていない事を確信した言葉にも近しかった
その確信が本物だと分かると天草は静かにルシティカが眠るベッドへと一歩、また一歩と近付いていった。いつもの彼、そう見える筈なのに雰囲気や瞳のぎらつきは獣のそれに似ていた
壁側に体を向かせて眠るルシティカの肩を、引っ張る衝撃で起こさない様に慎重に反転させる。たちまちに露わになるルシティカの寝顔
無防備な顔と同じく、剥いたシーツの下から現れる黒のキャミソールワンピースだけの体は16歳という平均的な少女のもの。白い肌はまるで雪の下に咲く白い花を彷彿とさせた
思わずごくり、とルシティカを跨ぐ形でベッドに上がった天草の喉が鳴る
まずは味見とばかりに持ち上げ、口付けた手首をルシティカの頭の横に固定。そしてそのまま、蝶が花に吸い寄せられるかの様に首筋へ赤い花を残していく
鎖骨の間に刻まれたルシティカの令呪―自分とルシティカを結ぶ契約の証、その契約に自分は何を誓ったのか思い出せとばかりに赤く誇張する
「…何をしているんだ、俺は」
はぁ、と熱が籠った息を吐きだした天草の瞳に先程までの獣のぎらつきはない
カルデアからこの世に形を持っていられる程の魔力は十分に頂戴している、その筈だったのだが――ふと天草は疑問に思ってしまったのだ
何故、自分はルシティカと契約をしているのに、その大部分の魔力をカルデアから頂くしかないのか、と
これはある意味で本物の「魔力供給」ではない、「魔力供給ごっこ」に過ぎない戯れだ
それでも、その戯れで満足してしまっている自分がいる事に天草は聖人を気取りながら、救済すると言ったルシティカを求めていた事に気付いたのだった
このまま、流れのまま、獣になったままにルシティカを喰らう事も出来た。それを止めたのは天草の理性と――1人の青年として足りなかった覚悟
「…おやすみなさい、ルシティカ」
自分が剥いだシーツをかけ直し、ルシティカの額に口付け、天草は来た時と同じ様に静かな足取りでマイルームを出て行った
狼になり切れない青年未遂
(暗闇の中、呟かれた言葉)
(それは決して、一つだけではなく、)
「……シロウの、意気地なし」
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