SS-p5
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「……暁くん、だよね…?」
「!仁奈?!」
双子の看守の手により、クラブへと改造されたベルベットルームに集められた怪盗団の面々
認知世界での出来事を知り、かつペルソナ能力者だけが集う筈の空間に突如として現れた仁奈の姿に暁は目を大きく見開き、動揺を露わにした。対面する彼女自身もどこか落ち着かない様子と見受けられた
「青い服を着た女の子達に踊りが上手いなら、"シュージン"の手助けをしてほしいって言われたんだ
私、確か家で寝てた筈なんだけど、気付いたらここにいて……」
「そうだったのか…」
「知らない場所で不安だったけど、暁くんの顔を見たら安心しちゃった」
ここにキミもいてくれて良かった、と安心感が滲む笑顔に暁の胸はときめきを覚えた。初めて見た時からその笑顔の虜となっている為、本人としては正常な判断をしているつもりだ
双子の看守、その姉妹との喧嘩にダンス対決を行う羽目になった時はまた厄介ごとに巻き込まれたものだと思ったものの、彼女がいるなら話は別である
シャドウとの戦闘もゼロに等しいのであるなら、安全も約束されたも同然。それが破られたとしても自分の手で仁奈を守ればいいだけの話だ
「……お迎えにあがるつもりでしたが、無用でしたか」
「あ、さっきの女の子達!」
「ジュスティーヌとカロリーヌって言うんだ」
「? 暁くんの知り合い?」
「それは──」
認知世界、ペルソナ、シャドウ──それら全てを知らない仁奈に彼女らとの関係を説明するには、一から十まで話さなければいけないだろう。例え説明が済んだにせよ、受け入れられるかどうかも定かではない
下手な発言をしたり、または有耶無耶に誤魔化した所で誤解を生んでしまっても、と暁は返答に口籠ってしまう。万一、それも意中の仁奈にロリコンとでも認定されれば、それだけで自分はムドオン級のショックで寝込んでしまうだろう、さてどうしたものか──
「オイ、貴様!」
「ひ、ひゃい?!」
「熟練者と評される芸、我らの目でも確かめさせてもらう!」
「なるほど。囚人の手本となるか、看守である我々で確認する必要はありますね」
「い、いきなりここで踊るのー?!」
「グズグズするな!」
無断で夢に介入し、無理やりここまで彼女を引っ張ってきたというのに何とも滅茶苦茶な対応である
日頃からベルベットルームで対応に慣れている自分とは勝手が違う、と仁奈を庇う事はいくらでも出来た。だがそれをせず、庇うのをよしとしなかったのは暁の中で疼き始めた高揚感であった
この時間が終わった後、仁奈はこの出来事を夢と処理し、現実に持ち帰る事はまずない。つまり彼女と一夜の夢に溺れても、どうにかなるという言い訳を手に入れたに等しいのだ
「仁奈。その二人、言い出したら止まらないんだ
だから諦めて…っていうのも可笑しな話だけど、俺に付き合ってくれないか?」
「それって……」
「俺と踊ってくれませんか、お嬢さん」
仰々しく左手は胸に、残された右手は未だ状況に頭が追いついていない様子の仁奈に向けて差し出す
どうせ忘れてしまう時間なら、今を楽しめばいい──言葉にはしないものの、自分を見上げていた彼女が苦笑を浮かべた事で、その想いは通じたものと暁は判断した
「お手柔らかにお願いね、暁くん?」
「それはこっちが言うべき台詞じゃないか?」
「私、そんなにスパルタじゃないよー」
差し出された手に応える、小さな手が一際眩しい
──つかの間の夢を楽しむ為、短い夜の間にしか開かれない空間で流れる音楽に乗って、二人の男女の影はステップを踏み始めるのであった。
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