小ネタまとめ

『見えない嘘』

幸せなキスしか、した事がなかった。


生まれて初めて恋をした相手はボクと同じ男の子。
小さい時からずっと好きで。
でもこの恋は叶うハズないんだって思ってた。
…思ってたのに。

「相棒…。………好きだ」

震える声が、揺れる瞳が、ボクにその言葉が真実だと告げる。

重なる唇の熱さが、これは現実なんだって教えてくれた。

初めての恋が叶ったから、幸せなキスしかした事がなかった。

だから、

胸が張り裂けそうになるくらい、哀しくて苦しいキスがあるなんて知らなかった。

…知らなかったんだ。


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