さくら色 ふわりひらり


高校入学式。
桜の花びらが舞い落ち、小学生が嬉々としてそれを掴もうとしている。

桜が特に好きという訳でもないが、確かにコレは…心が踊るな。

擦れ違う子供達を目で追った後、前に向き直る。
その瞬間

オレは息を呑んだ。


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ボクの隣を楽しそうに駆けていった子供達を見て、ボクは思わず笑った。
彼等に倣い、自分も舞い落ちる花びらに手を伸ばす。

ヒラリ、と上手く掌に乗ったそれが嬉しくて
「捕まえた」
なんて一言。

ふと視線を感じて振り返ると、自分と同じ制服を着た人物と目が合う。

…独り言聞かれちゃったかな?
ちょっと恥ずかしい……。


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花びらに手を伸ばし微笑む彼の姿が、この世のものとは思えない程美しいと思った。

「捕まえた」
という小さな声に胸が震える。

あぁ。
捕まってしまった。
--オレが。

食い入るように見つめていたオレに気付き、彼の頬が羞恥に染まる。

同じ色で綺麗だ。
この桜の色と……。

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