2人の旋律
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騒がしい祝勝会も、ひと段落してきた頃。
満天の星空の下、ひとつのテーブルの端に、ふたつの影が並んでいた。片手に残ったフルーツ酒を揺らしながら、ロゼが息を吐く。
「しつこいけどさぁ、まだ実感できないよ。あんな踊り、あたしたちにできるとは」
「俺と挑んだんだ、当たり前だろ」
ターレスはロゼの隣に立ち、何も言わずにティアラを見つめていた。淡く輝く宝石がいくつもはめ込まれた中心に、月光を吸い込むようなリュミエールの瞳。それは確かに力を宿していそうな代物だった。
「これでホントに強くなれるのかな?」
ロゼは慎重にティアラに触れながら、疑心暗鬼な表情でそれを眺めている。彼女の様子にターレスは肩を竦めた。
「さあな。だが、手に入れた価値はある」
「……そっか。あたしと、ターレスとで」
ロゼはその事実を噛み締めるように口にした。2人は千鳥足な状態から始まり、何日も共に練習を重ねてきたのだ。時には呆れるような言い合いをして、それでも協力して優勝を目指した。もう既にその経過にさえ、ダンスパーティー出場の意義はあったのかもしれない。
ターレスは静かに手を伸ばす。ティアラを持ち上げ、そのままロゼの頭へそっと乗せた。
「!」
ロゼの目が大きく見開かれる。彼女の髪色に溶け込んで煌めくティアラは、夜空と共に馴染んでいく。
「はっ、お前が1番よく似合うな」
「な、なに急に……!」
「今夜くらいは、その姿で誇っていろ」
ターレスの声は、いつもよりほんの少しだけ優しい気がした。それをどう返せばいいか分からず、ロゼはティアラを外そうとした手を押さえたまま、もごもごと唇を動かす。
「もう、お世辞とかいいから、さぁ……」
ロゼはそっと頬を赤らめ、俯きながらぽつりと言う。いつもの強気な彼女とは正反対な、汐らしい姿にターレスは面白がる様子を隠し切れずにいる。
「馬鹿、本心だ」
けらけらと笑う彼の表情には、純粋な喜びも混ざっていた。彼女の銀色の髪を手に掬いながら、ニヒルな笑みに反して、ティアラとドレスのよく映える姿を真剣な眼差しに焼き付けている。
「……ありがと、筆頭」
「そこは名前を呼ぶところだろ」
たった一言の言葉だったが、ターレスは満足そうに口元を緩めた。
騒がしい夜の片隅で、2人だけの静かな時間。彼らを見守る星々たちは、輝き続ける生涯と共に、末永い幸福を願っていた。
満天の星空の下、ひとつのテーブルの端に、ふたつの影が並んでいた。片手に残ったフルーツ酒を揺らしながら、ロゼが息を吐く。
「しつこいけどさぁ、まだ実感できないよ。あんな踊り、あたしたちにできるとは」
「俺と挑んだんだ、当たり前だろ」
ターレスはロゼの隣に立ち、何も言わずにティアラを見つめていた。淡く輝く宝石がいくつもはめ込まれた中心に、月光を吸い込むようなリュミエールの瞳。それは確かに力を宿していそうな代物だった。
「これでホントに強くなれるのかな?」
ロゼは慎重にティアラに触れながら、疑心暗鬼な表情でそれを眺めている。彼女の様子にターレスは肩を竦めた。
「さあな。だが、手に入れた価値はある」
「……そっか。あたしと、ターレスとで」
ロゼはその事実を噛み締めるように口にした。2人は千鳥足な状態から始まり、何日も共に練習を重ねてきたのだ。時には呆れるような言い合いをして、それでも協力して優勝を目指した。もう既にその経過にさえ、ダンスパーティー出場の意義はあったのかもしれない。
ターレスは静かに手を伸ばす。ティアラを持ち上げ、そのままロゼの頭へそっと乗せた。
「!」
ロゼの目が大きく見開かれる。彼女の髪色に溶け込んで煌めくティアラは、夜空と共に馴染んでいく。
「はっ、お前が1番よく似合うな」
「な、なに急に……!」
「今夜くらいは、その姿で誇っていろ」
ターレスの声は、いつもよりほんの少しだけ優しい気がした。それをどう返せばいいか分からず、ロゼはティアラを外そうとした手を押さえたまま、もごもごと唇を動かす。
「もう、お世辞とかいいから、さぁ……」
ロゼはそっと頬を赤らめ、俯きながらぽつりと言う。いつもの強気な彼女とは正反対な、汐らしい姿にターレスは面白がる様子を隠し切れずにいる。
「馬鹿、本心だ」
けらけらと笑う彼の表情には、純粋な喜びも混ざっていた。彼女の銀色の髪を手に掬いながら、ニヒルな笑みに反して、ティアラとドレスのよく映える姿を真剣な眼差しに焼き付けている。
「……ありがと、筆頭」
「そこは名前を呼ぶところだろ」
たった一言の言葉だったが、ターレスは満足そうに口元を緩めた。
騒がしい夜の片隅で、2人だけの静かな時間。彼らを見守る星々たちは、輝き続ける生涯と共に、末永い幸福を願っていた。
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