ゆめ
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「すまん、ちょっと」
顔を上げると、左手に電子タバコを掲げた仁王くん。こういう時本当にすまなそうな表情をするのは少し意外だと未だに思う。
「うん」
別に部屋で吸ってもいいのに。紙タバコの頃は壁紙が黄ばむからと言っていたから、電子タバコに変えたタイミングで「別に気にしないから部屋で吸いなよ」と言ってみたことがある。「夢子が気にせんでも俺が気になる」と言った仁王くんは少し不機嫌だった。彼はわたしが自分を蔑ろにすると機嫌が悪くなる傾向がある、と思う。
ひとりぼっちになった部屋で、さっきまで読んでいた漫画に目線を落としたけれど、なんだかソワソワしてしまって内容がうまく頭に入ってこない。いつもそうだ、仁王くんがそばにいない時はどうにも落ち着かない。
続きを読むことは諦めて、レースカーテンの向こうにぼんやりと見える仁王くんの背中を眺めた。仁王くんは今、何を考えてるのかな。…あ、こっち見た。
カラカラとベランダに続く扉が開き、かき分けられたレースカーテンの向こうから名前を呼ばれた。
「夢子」
「ん?」
「星、綺麗なんじゃけど」
「ほんと?見る見る」
今日流星群の日だっけ?と思いながらベランダに近寄ると、少し冷えた大きな手に肩を押し返された。え、?しかめっ面だ、なんで。
「上着、持ってきんしゃい」
「…はあい」
なんだ、そんなことか。寝室に戻ってモコモコのパーカーを羽織り、ソファの上に置き去りにされていた仁王くんのブランケットを持ってベランダに戻る。さっきのしかめっ面はふにゃりと緩んでいた。
「俺のも持ってきてくれたん?やさし」
ブランケットを羽織った仁王くんに引き寄せられるがまま、彼の腕ごとブランケットに包まれた。あれ?もしかして…
見上げた星空は、いつもと変わらないように見える。
もしかして仁王くん、
「…さみしかった?」
「…そういうのは聞かんもんじゃろ…」
小さくモゴモゴと返された言葉に思わず笑ってしまった。胸がぎゅっとなって、恋に落ちたその先、より一層深い所に落とされたような気がする。
「すまん、ちょっと」
顔を上げると、左手に電子タバコを掲げた仁王くん。こういう時本当にすまなそうな表情をするのは少し意外だと未だに思う。
「うん」
別に部屋で吸ってもいいのに。紙タバコの頃は壁紙が黄ばむからと言っていたから、電子タバコに変えたタイミングで「別に気にしないから部屋で吸いなよ」と言ってみたことがある。「夢子が気にせんでも俺が気になる」と言った仁王くんは少し不機嫌だった。彼はわたしが自分を蔑ろにすると機嫌が悪くなる傾向がある、と思う。
ひとりぼっちになった部屋で、さっきまで読んでいた漫画に目線を落としたけれど、なんだかソワソワしてしまって内容がうまく頭に入ってこない。いつもそうだ、仁王くんがそばにいない時はどうにも落ち着かない。
続きを読むことは諦めて、レースカーテンの向こうにぼんやりと見える仁王くんの背中を眺めた。仁王くんは今、何を考えてるのかな。…あ、こっち見た。
カラカラとベランダに続く扉が開き、かき分けられたレースカーテンの向こうから名前を呼ばれた。
「夢子」
「ん?」
「星、綺麗なんじゃけど」
「ほんと?見る見る」
今日流星群の日だっけ?と思いながらベランダに近寄ると、少し冷えた大きな手に肩を押し返された。え、?しかめっ面だ、なんで。
「上着、持ってきんしゃい」
「…はあい」
なんだ、そんなことか。寝室に戻ってモコモコのパーカーを羽織り、ソファの上に置き去りにされていた仁王くんのブランケットを持ってベランダに戻る。さっきのしかめっ面はふにゃりと緩んでいた。
「俺のも持ってきてくれたん?やさし」
ブランケットを羽織った仁王くんに引き寄せられるがまま、彼の腕ごとブランケットに包まれた。あれ?もしかして…
見上げた星空は、いつもと変わらないように見える。
もしかして仁王くん、
「…さみしかった?」
「…そういうのは聞かんもんじゃろ…」
小さくモゴモゴと返された言葉に思わず笑ってしまった。胸がぎゅっとなって、恋に落ちたその先、より一層深い所に落とされたような気がする。