仙蔵のモヤモヤの段
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カーン、と授業終わりの合図の鐘が鳴る。
さぁ、腹が減った、ランチタイムだ。
食堂の前に張り出された今日のメニューの前で悩んだ。
今日はAランチにしようか、Bランチにしようか...
仙「うん、今日はAランチにしよう。」
『あぁ〜仙蔵がAランチなら、私もAランチにしよ〜。一緒に食べよ?』
仙「弥苫か。構わんぞ。」
私は、六年い組、作法委員会委員長の立花仙蔵。
クールで冷静なキャラが売りだ。...厳禁シリーズ以外はな。
おばちゃん「お残しはゆるしまへんでぇ〜!」
『いただきます!』
仙「いただきます。」
今日のAランチも美味しそうだ。
たぶん、兵庫水軍の第三協栄丸さんが持ってきてくれた魚だろう。
食堂のおばちゃんが、こんがりといい具合に焼いてくれている。
弥苫も美味しそうに食べている。
ねぇ、朝霧弥苫先輩と立花仙蔵先輩がいるぅ!
ふたり並ぶと本当そっくりだし華があるわよね〜。
弥苫先輩がAランチ食べてる!私もAランチ!
あ、私も私も〜♪
そんなくノ一教室の生徒のきゃぴきゃぴした声が聞こえるのも、毎回のことなんだが
なんだか最近、やけにモヤモヤしてしまうんだ。
『はぁー!ごちそうさま!おばちゃん、Aランチ美味しかったです♪』
おばちゃん「おや〜ありがとうね弥苫くん。あんたが頼んだランチから売り切れていくのよ〜だからたまには野菜炒めも頼みなさい?」
『えぇ〜おばちゃん、そりゃないよぉ(汗)』
乱「あー!弥苫先輩がAランチ食べたなら僕も!」
きし「「僕も僕も〜!」」
毎度毎度のことだが、弥苫は本当に後輩に人気がある。ありまくりだ。
そもそも、Aランチを流行らせたのは最初に選んだ私だろう。
おばちゃんも、私に感謝して欲しいくらいだ、まったく。
...って、まぁクールな私は、いちいちそんなことは言わない。
冷静に、最後の味噌汁をすすって、おばちゃんに挨拶した後、ひとりで忍たま長屋に戻った。
そもそも、こうしてひとりで歩いている時は、声をかけられることは少ない。
くノ一に会っても、多少あいさつしてくれるだけで、きゃぴきゃぴされない。
最近のモヤモヤは、こうやって考え事をしているとどんどん膨らんでいく。
私は、弥苫のおまけなのだろうか?
『あぁん仙蔵〜置いていくなよ〜!』
そう言って後ろから走ってくる弥苫。
隣に並んだ時、目の前から一年生が歩いてきた。
伝「あっ!朝霧弥苫先輩っ!...と、立花先輩!」
左「こ、こんにちは!!」
一年い組の黒門伝七と任暁左吉。
会計委員会の左吉はまだしも、作法委員会の伝七までも、
私をおまけ扱いした!と、って言ったぞ!と、って!
『伝七、左吉、にんたまの友を読みながら廊下歩くと、転けるぞ〜?』
伝「はい!」
左「気をつけます!」
嬉しそうな顔をして去っていくふたりを見て、私はますますモヤモヤした。
『どうした仙蔵?なんかあったか?疲れてるのか?』
仙「別に...」
少し顔に出たのか、私の顔を覗き込む弥苫。
少しだけドキッとしたのは、内緒だ。仮にも女なんだからな。
『なんだか様子が...怒ってるのか?』
仙「怒っていない!!ほっといてくれ!」
『せ、仙蔵...!』
でも、弥苫といると、疲れる。
気にしなくていいことを気にしてしまうんだ。
弥苫を取り残して、忍たま長屋へ帰ってきた。
ピシャッと勢いよく戸を開いたので、同室の潮江文次郎がお茶を吹きこぼした。
文「な、なんだなんだ仙蔵!?作法委員長だろうお前?」
仙「うるさいアホもんじ!!」
文「なんで俺が怒られるんだ!?」
イライラするので、ふて寝してやった。
今は誰とも会いたくないし、話したくない。
文「...仙蔵?」
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