六年生と一年は組の段 後編
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ふたりの謎忍がどこからどうやって戦ってくるかわからない。
よい子たちを安全な場所に避難させて、おにぎり荷物も預けた。
『どこのどいつか知らないが、楽しいピクニックの邪魔はさせない!』
私は懐からふたつの苦無を取り出した。シャキンという尖った冷たい音が響き、よい子たちはますます怯えた。
謎忍1「では、これでどうだ!」
ひとりの忍者が四方手裏剣と八方手裏剣を一度に投げる。
私はそれを苦無を使って素早くガードした。
謎人2「くらえ!」
『!!』
手裏剣を避けたと同時にもうひとりの忍者が私の頭上から煙玉を落とし、辺り一面が煙に包まれ何も見えない。
ゴホッ ゴホッ
謎忍達はマスクをしていたが私はマスクも何もない。少し苦しい。
これじゃあどこからくるかわからない。
乱「弥苫先輩ー!」
き「がんばれー!」
し「負けるなー!」
よい子たちの声が遠くから聞こえた。
下級生に格好悪いところは見せられない、六年生として頑張らなければ。
私は自慢の脚力でスタッと近くの大木の枝の上に着地した。
煙は風で流されて、辺りがはっきり見えたが、謎忍は完全に気配を消しており、どこにいるかわからない。
私も落ち着いて息を殺した。
すると、一瞬だけ背後に気配を感じ取り、後ろを振り返る。
謎忍1「まだ青いな。」
『わっ!?』
振り向いた私の目の前には、縄鏢の刃が向かってきた。
慌てて苦無で避けることはできたが、バランスを崩して地面に落ちてしまった。
うまく着地できたつもりだったが、少し足を踏み外してしまってふらついた。どうやら挫いてしまったようだ。
謎忍2「どうした、もう終わりか?」
謎忍1「優秀な六年生にしては、まだまだだな。」
優秀な、六年生?
なんでこいつら、私が忍術学園の六年生だとわかるんだ。
謎忍1「これで最後だ、覚悟しろ!」
謎忍1の言葉と共に、謎忍2が何かをこちらに投げようとした。
くそー、これは使いたくなかったけど、足が動かないならこれしかない。
『お前達も覚悟しろ!くらえ、忍法・南蛮オイル返し!!』
謎忍1「忍法!?南蛮!?」
謎忍2「オイル返し!?」
私は懐から手のひらサイズのガラス瓶を取り出し、片手で蓋をポンっと取り、
謎忍ふたりの足元へその瓶に入った液体を全て撒いた。
謎忍1「な、なんだこれ!」
謎忍2「滑る〜!」
謎忍1・2「「うわああああああ!!!!」」
裏々山の急な傾斜を利用して、謎忍ふたりの足元を滑らせて下まで落とす作戦は見事に成功した。
ふたりは、オイル、つまり油の滑りにより勢いよく下へ落ちて行った。
し「あ、あれは!」
乱「どうしたのしんべヱ?」
し「あれは弥苫先輩が僕にいつも頼んでるオイルだ!」
き「なるほど!弥苫先輩は、女々しいんじゃなくて、いざという時のためにオイルを武器として持ち歩いてたんだ!」
乱「弥苫先輩格好いい...!!」
庄「弥苫先輩!!」
一年は組
「「「「「すごーい!!!!」」」」」
私の元によい子たちが集まってきた。
私は無事...でもないか、少し怪我はしたけど、よい子たちに怪我がなかったのでよかった。
それにしても...
しんべヱにいつも頼んでいるオイル...あれ、最近手の乾燥が気になってて、持ち歩いていたやつなんだよ。
香りも好みで、保湿力抜群の南蛮オイル...変な忍者にばら撒いちゃうなんて...とほほ。
乱「弥苫先輩、足挫いちゃいましたよね。手当します。」
『乱太郎...』
どこから持ってきたのか知らないけど、乱太郎は救急箱を取り出して私の足を手当てしてくれた。
おかげさまで、あともう少しのゴールまで歩けそうだ。
『乱太郎、ありがとう!』
乱「いいえ、保険委員ですから♪」
『さ、行こうか!』
乱「はい!」
私は乱太郎と手を繋ぎ、その後ろからよい子たちがついてきた。
時刻は夕飯前の黄昏時。
ゴールには手を振る学園長とヘムヘムの姿があった。
乱「弥苫先輩、ゴールです!」
『やったな、乱太郎。』
私と乱太郎ペア、そして一年は組のよい子たちがみんな一斉にゴールできた。
今回のピクニックはこれで、幕を閉じた。
♯ ○ ♯ ○