六年生と一年は組の段 中編
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裏々山へ行くには、川を渡らなければならない。
川の流れは割と早く、泳ぐこともできないし橋を作るにも時間がかかる。
「なぁーに言ってんだバカタレ!」
「うるせぇ!お前に言われたくない!」
川を眺めながらどう渡ろうかと考えていると
これまた聞き覚えのある口喧嘩が少し離れた川沿いで聞こえてきた。
留三郎と文次郎のチームだ。
あの口喧嘩をこっそり聞けば、何かの参考になるかもしれないと
過度な期待はせずに近づいてみることにした。
私たちは岩陰でこっそり文次郎チームと留三郎チームを観察してみる。
文「こんな流れの川など、泳ぐ他に選択肢などない。な?虎若?金吾?
お前たちは日頃から鍛えているから、一年生でもこんなのへっちゃらだろ!」
虎「ぇ!?...ここをですか...?」
金「...かなり流れが早いような...」
留「これだから鍛錬バカは困るんだ。頭を使え頭を!
俺たちは少々時間がかかっても安全且つ確実に渡れるように、竹で筏を作る!」
兵「僕らは作るのには自信があるけど...」
三「作るとなると、とことん追求しちゃうからぁ...」
文「バカめ!忍者たる者、身体を張らんでどうする!?」
留「忍者は思考を働かせてなんぼだろうが!!」
バチバチに火花を飛ばして喧嘩してるふたり。
それを見て困っている虎若と金吾、兵太夫と三治郎。かわいそうだ...。
口喧嘩も終わりそうにないので、私は岩陰から匍匐前進でこっそり四人の背後から近づき、保護することにした。
『虎若、金吾、兵太夫、三治郎。』
虎「ぅわ!」
金「あ、六年は組の...」
兵「朝霧弥苫先輩!?」
三「なぜここへ?」
『しっ!...君達、この喧嘩終わるの待ってたら日が沈んじゃうぞ?』
兵「では、どうすれば...」
『ふたりは放っておけ。私についてくるんだ。』
私は文次郎と留三郎に気づかれないように、
素直についてきてくれた四人を匍匐前進で岩陰に連れてきた。
乱「四人とも、弥苫先輩に会えてラッキーだったね。」
金「みんなもいたんだー!」
き「俺たちみんな保護されたんだ⭐︎」
伊助「しかし弥苫先輩、どうやって川を渡りますか?」
『実はさっき文次郎と留三郎の口喧嘩を見ていたらな...』
そう言って私は、まだ口喧嘩をしているふたりの少し先を指差した。
みんなもその方向を岩陰から覗く。
『なんとすぐ近くに、飛石があった。あそこから渡ろう。』
乱き団伊助虎金兵三「「「「なんですとっ!」」」」ミ☆
みんなひっくり返っちゃったよ(笑)
まぁこれで、あのふたりには相当観察能力がないということを改めて感じたわけだ。
そんなわけで、私とみんなは喧嘩してるふたりを放って飛石を器用に慎重に渡っていき、
無事みんなが川を渡りきったので、いよいよ裏々山へたどり着いた。
たどり着いた場所にはちゃんと道が作られていたので
おそらくこの道を行けば、先生たちの待つゴールへ繋がっているのだろう。
私を先頭に、乱太郎、きり丸、伊助、団蔵、虎若、金吾、兵太夫、三治郎の八人が一列に並び、道を歩いて行った。
♯ ○ ♯ ○