利吉の心配ごとの段
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カーンと授業の合図の鐘が鳴ったので生徒たちは今頃授業だ。
食堂もすっかり終いきってるところ。
お「利吉君、まだうどんならあるけどそれでいいかしら?」
利「はい、よろしくお願いします。」
お「はいよ!お残しは許しまへんで〜。」
おばちゃんからほかほかのきつねうどんをいただき近くのテーブルに腰掛けた。
土「やあ、利吉君。」
利「土井先生、どうも。」
食堂の入り口から、一年は組の教科担当教師、土井半助先生が入って来て私の隣に座った。
今は実技の授業なので、空き時間らしい。
土「弥苫君に会いに来たんだろう?」
利「あ、あっち!ど、土井先生...。」
土「図星だね。」
まったく土井先生は勘が鋭い。熱々のうどんで舌火傷しちゃったじゃないか。
土「六年生は今頃教科の授業中だろう。次の鐘がなる頃に教室へ向かうといいよ。」
利「ははっ、こりゃどうも。」
土井先生が私の隣でお茶をすする。
ふぅ、とひとつひと息をつくと、私の耳元で小声で話した。
土「弥苫君、いい具合に成長してるな。」
利「っ!ごほっ!...そ、それどういう意味です!?」
土井先生が妙に変なこと言うんで、今度はむせてしまった。
まったく、鼻からうどんが出たらどうしてくれるんだ!
しかもすごくニヤニヤしてこちらを見てるし。なんか、黒い...。
土「何が?実技も教科も成績優秀で、素晴らしい生徒だよ?」
利「なんだかそういうことではない成長を言いたげなのでは?」
土「なぁに、私は忍術学園の先生だ。生徒の成長はいちいち嬉しくなるのだよ。」
またそんなこと言って。
弥苫は六年生で最上級生ではあるが、15歳の思春期真っ只中の女の子だ。
しかもくノ一教室ではなく忍たまとして男たちと生活している。
私が言うのもなんだが、六年生の大半は立派な男、すなわち狼。
かわいいかわいい妹的存在の弥苫がそんな環境の中にいるなんて
改めてゾッとする...。
そんな不安定になっている私の気持ちを察してか、土井先生は少し私をからかっているのだろう。
土「利吉君、考えすぎ考えすぎ〜♪」
利「土井先生?もしかして私の気持ち、読んでます?」
土「別に〜?」
ほら、あなたはそうやってまた意地悪そうに笑うんだ!
♯ ○ ♯ ○