間違って呼んだ
汝の名を応えよ
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その日からというもの、私はオンボロ寮では学園長をパパと呼ぶようになった。
しょうがない、あのご飯を食べる為なら、自主的にパパと呼ぼう。
いつだって人間は、ご飯を与えてくれる人に、従ってしまうものなんだ。
私もヘンテコ仮面だからと言うことで、軽蔑する事はやめ、美味しいご飯を食べることを選んだ。
「それで、飯の為にクロウリーを寮にあげてんのか?」
昼休みも植物園で転がってるレオナ先輩の横に座り、学園長のご飯自慢をし始めたら、冷たい目で見られてしまった。
「だって……すごく美味しいんだもん!ご飯が増えたからか、グリムも比較的落ち着いてて、一人行動できるようにもなったんですよ!!
数時間、家にあげて、パパと呼べばあの美味しいご飯が食べれて、自由も得られるんですよ!!美味しいご飯と自由が!!」
大事な所なので、強調して言うと、大袈裟にため息をつれてしまった。
「呆れてモノも言えねぇな」
ゴロンとそっぽ向かれた。
「そもそも、そんなに言うなら、レオナ先輩が養ってくれればいいじゃん〜?ご飯も一緒に食べれますね〜」
そうだよ〜二番目だとはいえど王子様だから、私を養うなんて、楽だと思うんだ。せめて就職先を用意してくれるとかさ…と調子に乗ったことを言ってたら、ペシンッとしっぽで顔を叩かれた。
手加減したのかあんまり痛くなかったけど……レオナさんのそういうところ好きよ。
でも少し痛い……と頬を摩ってると、またゴロンとレオナさんはコッチを向いた。
「おめぇみたいな使えねぇやつを、養う趣味はねぇ」
ラギーみたいに使えるようになったら、考えてやってもいいが……ってそれ絶対無理なヤツじゃーん
「もーーレオナさんのケチ」
「ペットでいいなら飼ってやってもいい」
「なんです?レオナさんもしかして、私の事ペットにして、仔猫ちゃんとか言い出すやつですか?めっちゃ笑えますね」
「腸を抉りだされてぇのかテメェは」
「わ〜〜レオナさんこわい〜肉食動物〜」
ギロリと睨まれた。
今の私は、そんなの全然気にならないよ。
楽しいので、わはは〜と笑いながら逃げようとしたら、足をしっぽでぐるりとまかれ、逃げれないようにされて、ドテンと転けた。
見事に転けた、顔面から。
あぁ楽しいなぁ。こうやって楽しいのは久々だ。余裕があるとこんなにも幸せなのか。
転んだのにそれすら、なんかおかしくて笑っていたら、転けさせた本人であるレオナ先輩が、なんだか気まずそうに顔を覗き込んできた。
「お前、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ〜こんなことで怪我するほど、ヤワじゃないですって〜」
「いや頭ほうだ」
「うふふっ 先輩何言ってるんですか? 私の頭はいつも通り正常ですよ」
……どうやら真面目にヤバいらしいな。
とレオナ先輩が真剣な顔をする。そんな事ないのに。私はこんなにも正常。
「ほら先輩、予鈴なりますよ。 授業受けないとラギー先輩心配するんで、行きましょう。教室まで送ってあげますね」
「いや……いい俺一人で行くから、気にするな」
そう言うとレオナ先輩は体を起こして、立った。
あのレオナ先輩が!自分で立って!授業に行こうとしてる!
つれないなぁと思ったけれど、いつもなら私が「授業に出なきゃ」と言っても、動こうとしないし、寝ようとしてたんだから。
今日は行くだけまだマシだね!!偉いねレオナ先輩!!
スタスタ歩いていくレオナ先輩の後ろを、私はニコニコしながらついて行く。なんだか急ぎ足なのは、きっと席に余裕を持って着きたいんだろうね!!
「……次から寮に来た時は、肉を食わせてやるか」
ポツリと呟いたレオナ・キングスカラーの一言は、少しハイになっている監督生の小さな耳に、届くことはなかった。
しょうがない、あのご飯を食べる為なら、自主的にパパと呼ぼう。
いつだって人間は、ご飯を与えてくれる人に、従ってしまうものなんだ。
私もヘンテコ仮面だからと言うことで、軽蔑する事はやめ、美味しいご飯を食べることを選んだ。
「それで、飯の為にクロウリーを寮にあげてんのか?」
昼休みも植物園で転がってるレオナ先輩の横に座り、学園長のご飯自慢をし始めたら、冷たい目で見られてしまった。
「だって……すごく美味しいんだもん!ご飯が増えたからか、グリムも比較的落ち着いてて、一人行動できるようにもなったんですよ!!
数時間、家にあげて、パパと呼べばあの美味しいご飯が食べれて、自由も得られるんですよ!!美味しいご飯と自由が!!」
大事な所なので、強調して言うと、大袈裟にため息をつれてしまった。
「呆れてモノも言えねぇな」
ゴロンとそっぽ向かれた。
「そもそも、そんなに言うなら、レオナ先輩が養ってくれればいいじゃん〜?ご飯も一緒に食べれますね〜」
そうだよ〜二番目だとはいえど王子様だから、私を養うなんて、楽だと思うんだ。せめて就職先を用意してくれるとかさ…と調子に乗ったことを言ってたら、ペシンッとしっぽで顔を叩かれた。
手加減したのかあんまり痛くなかったけど……レオナさんのそういうところ好きよ。
でも少し痛い……と頬を摩ってると、またゴロンとレオナさんはコッチを向いた。
「おめぇみたいな使えねぇやつを、養う趣味はねぇ」
ラギーみたいに使えるようになったら、考えてやってもいいが……ってそれ絶対無理なヤツじゃーん
「もーーレオナさんのケチ」
「ペットでいいなら飼ってやってもいい」
「なんです?レオナさんもしかして、私の事ペットにして、仔猫ちゃんとか言い出すやつですか?めっちゃ笑えますね」
「腸を抉りだされてぇのかテメェは」
「わ〜〜レオナさんこわい〜肉食動物〜」
ギロリと睨まれた。
今の私は、そんなの全然気にならないよ。
楽しいので、わはは〜と笑いながら逃げようとしたら、足をしっぽでぐるりとまかれ、逃げれないようにされて、ドテンと転けた。
見事に転けた、顔面から。
あぁ楽しいなぁ。こうやって楽しいのは久々だ。余裕があるとこんなにも幸せなのか。
転んだのにそれすら、なんかおかしくて笑っていたら、転けさせた本人であるレオナ先輩が、なんだか気まずそうに顔を覗き込んできた。
「お前、大丈夫か?」
「大丈夫ですよ〜こんなことで怪我するほど、ヤワじゃないですって〜」
「いや頭ほうだ」
「うふふっ 先輩何言ってるんですか? 私の頭はいつも通り正常ですよ」
……どうやら真面目にヤバいらしいな。
とレオナ先輩が真剣な顔をする。そんな事ないのに。私はこんなにも正常。
「ほら先輩、予鈴なりますよ。 授業受けないとラギー先輩心配するんで、行きましょう。教室まで送ってあげますね」
「いや……いい俺一人で行くから、気にするな」
そう言うとレオナ先輩は体を起こして、立った。
あのレオナ先輩が!自分で立って!授業に行こうとしてる!
つれないなぁと思ったけれど、いつもなら私が「授業に出なきゃ」と言っても、動こうとしないし、寝ようとしてたんだから。
今日は行くだけまだマシだね!!偉いねレオナ先輩!!
スタスタ歩いていくレオナ先輩の後ろを、私はニコニコしながらついて行く。なんだか急ぎ足なのは、きっと席に余裕を持って着きたいんだろうね!!
「……次から寮に来た時は、肉を食わせてやるか」
ポツリと呟いたレオナ・キングスカラーの一言は、少しハイになっている監督生の小さな耳に、届くことはなかった。
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