間違って呼んだ
汝の名を応えよ
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「パパと一緒にご飯を食べましょう!!」
「私のパパは死にました」
訪問者の顔を確認すると、私はすぐさま、バタンッと勢いよく扉を閉めた。
午後七時ぐらいに、突然のノック音。
嫌な予感はしていたが、見事に的中しやがった。
なんでそんなに、私を娘にしたがるんだ!!
入れてくださいよ!!とバンバン、ドアを叩く学園長。
知るか!!!!強く言えないとはいえ、もう我慢の限界だぞ!!
両耳を塞いで何も聞こえないようにする。
何も聞こえない、烏仮面おじさんの声なんて、私には聞こえません。
だが一向にドアを叩く音は鳴り止まない。
「(お願いだから、今日は主にアンタのお陰で、疲れてるんだ!帰ってくれ!!)」
私の必死の願いが叶ったのか、最後にドアを、二回バンバンッと叩いたかと思うと、突然静かになった。
「(……帰ったのか?)」
数十秒たっても何も聞こえない。
両耳を塞いでいた手を下ろす。
薄いドアに耳を立ててみるが、やはり何も聞こえない。
まさか私がドアを開けて、確認するのを待っているんではないのだろうか?
しかし、気にはなってしまう
「(……………開けるか)」
警戒しつつ、少しずつドアを開ける。
オンボロ寮のドア故に、ギギィと多少音はなるが、流石にきこえないだろう。
八割程、空いたところで、ドアを一気にバッと開け放してみると、学園長は消えていた。
カラスの羽、一枚さえ、落ちていない。外をぐるりと見渡せば、夜の静けさが戻ってきており、うるさかった騒音は何処へやら、木々のざわめきだけしか聞こえなかった。
「ふぅ……良かった。 これで心の安寧が保てるってもんよ」
「そういえば私、魔法が使えるんでした」
「ギャーーッッッ」
聞こえるはずのない声が、突如背後から聞こえ、悲鳴をあげる。
ビックリして思わず、不審者を殴ろうとするが、ひらりと華麗に避けられた。
そしてよく見たら、不審者ではなく学園長だった。
……いや学園長だったとしても、後ろに立たないでよ、びっくりするじゃん!ってか不法侵入!!
安心した後に、背後に現れるって、ホラー映画演出かな?タダでさえ短いが寿命縮む。
ギリッと睨みつけていると、ニコニコと笑う学園長。
「マコトくんがいれてくれないから、悪いんですよ〜」
いい歳した大人が口なんかをとがらせて、可愛く言うとすごくイラッとするな。
顔がいいので可愛いのだが。
だが、私は可愛いからと言って、許す質ではない。というか顔は可愛いからといって、中身がアレなら可愛いく見えなくなってくるんだぞ。
「はぁ…魔法の使えない監督生。仮にも貴方の生徒しかも、女の子の家に不法侵入なんて、教育者としてどうなんですか?」
そういえばギクッと露骨に焦る学園長。
「 貴女、この数日私に辛辣では?」
辛辣も何も、正論ではないか。
「私が何をしたと言うのです!!」という金切り声を無視して、すたすたとキッチンに向かう。
理由なら自分の胸に聞いてなさい!!
それでも懲りず。後ろから着いてきた学園長。
キッチンに入った瞬間に呟いた「驚く程、綺麗になっていますね…」という言葉は、素直に嬉しいので、余計な事を言うぐらいなら、そういう事を大声で言ってください。
私はテーブルに置いてあった、お気に入りのエプロンをつけ、せっせと夕飯の準備を始めようとする。
「あのですね、学園長。 私はこれから、グリムと夕飯なんですよ。 学園長みたいな高貴なお方に、出せる程のご飯はないので、ステイホームしてください。」
そう言って、サムさんのお店から買ってきた、お米とお芋を見せる。
安いのに、なかなか美味しくて気に入っているお米だ。
これはお芋のお粥になる予定である。
お芋のお粥は美味しくて好きだ。割とお腹がいっぱいになる。
食いしん坊のグリムは、ミルク粥が好きらしい。やっぱり黒猫の見た目してるだけあるね。
「おや?私はカラスですから、どんな不格好で、味がへんてこりんなモノが出てきても、食べますよ?雑食なので」
「どつきまわしてよいですか」
堂々と失礼な事を言い放つ、学園長を睨んだ。
カラスが食えない程、不味くはないわ!!
はぁ〜〜通じないかなぁ〜〜〜学園長に出す食べ物はここにはないって意味なんだけど。
そもそも本当に食べさせられないんだよ。二人分しか材料ないもん。
遠回し過ぎた??でも家帰れってんだから、やっぱり、通じない学園長が可笑しいよ。
「というか、ご飯をたかりに来たんじゃないんですよ私は」
ふと思い出したように学園長が言った。
理由を聞いてやろうと思い、私は、シンクにもたれ掛かり、腕を組んで、話を聞く。
「へぇ、じゃあ何しに来たんですか?夜這い?」
「本当に辛辣ですねマコトくん!!教育者の鏡である!この私が!生徒に夜這いなんて、するわけないでしょう!!」
破廉恥ですよ!!とプンプンと怒る学園長は、おもむろにパチンと指を鳴らした。
すると腕の中にどこからともなく、紙袋が出現した。
なんだそれ。
「ほら、これを見なさい」
学園長の腕の中に出現した紙袋を渡される。
紙袋は、ずっしりと重く、微かにいい匂いがする…いうならば、スカラビア寮長の、カリム君のような匂い?…中身はなんだろうかと恐る恐る覗いてみた。
「こ、これは……お肉!!」
中身はなんと、お肉であった!!
ベーコンだ!!ソーセージだ!!ハムだ!!
いい匂いの元は、ハーブソーセージだった。お肉が紙袋にいっぱいだ!!何故ここに!!
私はお肉とは、久しくあいまみえてなかった。
だって夜ご飯にお肉を出すと、次の日からグリムがお肉 お肉 としか言わなくなるのが怖いから。
私だってグリムと同じで、お肉は大好きだ。特に加工肉。
かりかりベーコンエッグと白米と味噌汁を、朝ごはんに食べれた日には、どんな理不尽にあってもニコニコ出来るかもしれない。
「ふふっそうですよ。お肉です」
「アッッ」
ワーーッッと子供のように喜んでいると、学園長に紙袋をやんわりと取り上げられた。
え?私にくれるんじゃないの!?
紙袋を取り上げられた私は、なんとも言えない表情してたと思う。あれだ、ちゃちゃまる みたいな顔をしていたと思うの。わからない人はググッてね。
「そんな顔をせずとも、私の願いを叶えてくれるのならプレゼントしますよ。 紙袋はこの他にもありましてね。たんまりと、私が指を鳴らすだけで、お肉や野菜が入った紙袋が、それはもうたくさん……」
なんだと…?あの紙袋に入っていた分でも、かなりの量なのに、まだあるの?しかもお野菜まで……?
「食べたくないですか…?食べたいですよね、グリム君もコレを見たら、喜ぶ事間違いなしですよ」
まるでオクタヴィネル寮の寮長のように、魅惑的な条件を囁く学園長。悪魔の囁きだ。
魅惑的な条件を、耳元で囁かれた私は、イソギンチャクのように縮こまっていた。
「……何が望みなんですか?」
学園長に望みを聞く。
学園長は一歩さがり、神妙な表情の私を見ると、満足そうな笑みを浮かべた。
思い通りになってるということなのだろう。
「そうですねぇ、私がオンボロ寮に訪問した時に追い返さないと約束するのなら、あげてもいいですよ」
「(へーかまちょかな?)」
そんなにかまって欲しいのか。
生徒の家にまで押しかけて構ってもらうなんて……やっぱりレオナ先輩の言う通り、この人、相当、暇なんじゃ。
それにしても、追い返さないと約束するだなんて、別に約束しようがしまいが、今日のように勝手に入ってくるだろうに。必要なのだろうか。
「別に結局最後は、魔法で不法侵入してるから、約束なんて必要ないんじゃありません?」
正直にそう言うと学園長は、顎に手を当てせせら笑う。
「青いですねぇ、マコトくん。何事にも承諾というものはあって困ることはありませんよ。
約束というのは、紙でなくても十分効果はありますから、とにかくいざと言う時に使えるものなんです。 特に貴女みたいな人には、ねぇ?」
珍しく、犬歯が見えるほどに、ニタァと口元を歪めて私に笑いかける学園長。その妖しい表情にゾクリと背筋が凍った。
「アッそうですか」
……聞かなかった方が良かったようだ。
何故私みたいな人なのか、よく分からないが深追いはしないでおこう。
まぁそれはそうと、お肉は欲しい。
だってお肉だもん。
沢山あるなら1週間は持つかなぁ……生肉じゃなくて加工肉なら、そうそう腐ることもないだろう。
もしかしたらだけど、たまに来る時にこうやって、食料持ってきてくれるかもしれないし…。
「んーまぁそれぐらいならいいですよ。 真夜中とか常識的に、迷惑な時間帯以外なら……という事でお肉をくださいっ」
不意打ちで学園長の手元にある、紙袋に手を伸ばすが、またしてもひょいっと避けられる。
私を制止するように、顔の前に手を出された。
「私のパパは死にました」
訪問者の顔を確認すると、私はすぐさま、バタンッと勢いよく扉を閉めた。
午後七時ぐらいに、突然のノック音。
嫌な予感はしていたが、見事に的中しやがった。
なんでそんなに、私を娘にしたがるんだ!!
入れてくださいよ!!とバンバン、ドアを叩く学園長。
知るか!!!!強く言えないとはいえ、もう我慢の限界だぞ!!
両耳を塞いで何も聞こえないようにする。
何も聞こえない、烏仮面おじさんの声なんて、私には聞こえません。
だが一向にドアを叩く音は鳴り止まない。
「(お願いだから、今日は主にアンタのお陰で、疲れてるんだ!帰ってくれ!!)」
私の必死の願いが叶ったのか、最後にドアを、二回バンバンッと叩いたかと思うと、突然静かになった。
「(……帰ったのか?)」
数十秒たっても何も聞こえない。
両耳を塞いでいた手を下ろす。
薄いドアに耳を立ててみるが、やはり何も聞こえない。
まさか私がドアを開けて、確認するのを待っているんではないのだろうか?
しかし、気にはなってしまう
「(……………開けるか)」
警戒しつつ、少しずつドアを開ける。
オンボロ寮のドア故に、ギギィと多少音はなるが、流石にきこえないだろう。
八割程、空いたところで、ドアを一気にバッと開け放してみると、学園長は消えていた。
カラスの羽、一枚さえ、落ちていない。外をぐるりと見渡せば、夜の静けさが戻ってきており、うるさかった騒音は何処へやら、木々のざわめきだけしか聞こえなかった。
「ふぅ……良かった。 これで心の安寧が保てるってもんよ」
「そういえば私、魔法が使えるんでした」
「ギャーーッッッ」
聞こえるはずのない声が、突如背後から聞こえ、悲鳴をあげる。
ビックリして思わず、不審者を殴ろうとするが、ひらりと華麗に避けられた。
そしてよく見たら、不審者ではなく学園長だった。
……いや学園長だったとしても、後ろに立たないでよ、びっくりするじゃん!ってか不法侵入!!
安心した後に、背後に現れるって、ホラー映画演出かな?タダでさえ短いが寿命縮む。
ギリッと睨みつけていると、ニコニコと笑う学園長。
「マコトくんがいれてくれないから、悪いんですよ〜」
いい歳した大人が口なんかをとがらせて、可愛く言うとすごくイラッとするな。
顔がいいので可愛いのだが。
だが、私は可愛いからと言って、許す質ではない。というか顔は可愛いからといって、中身がアレなら可愛いく見えなくなってくるんだぞ。
「はぁ…魔法の使えない監督生。仮にも貴方の生徒しかも、女の子の家に不法侵入なんて、教育者としてどうなんですか?」
そういえばギクッと露骨に焦る学園長。
「 貴女、この数日私に辛辣では?」
辛辣も何も、正論ではないか。
「私が何をしたと言うのです!!」という金切り声を無視して、すたすたとキッチンに向かう。
理由なら自分の胸に聞いてなさい!!
それでも懲りず。後ろから着いてきた学園長。
キッチンに入った瞬間に呟いた「驚く程、綺麗になっていますね…」という言葉は、素直に嬉しいので、余計な事を言うぐらいなら、そういう事を大声で言ってください。
私はテーブルに置いてあった、お気に入りのエプロンをつけ、せっせと夕飯の準備を始めようとする。
「あのですね、学園長。 私はこれから、グリムと夕飯なんですよ。 学園長みたいな高貴なお方に、出せる程のご飯はないので、ステイホームしてください。」
そう言って、サムさんのお店から買ってきた、お米とお芋を見せる。
安いのに、なかなか美味しくて気に入っているお米だ。
これはお芋のお粥になる予定である。
お芋のお粥は美味しくて好きだ。割とお腹がいっぱいになる。
食いしん坊のグリムは、ミルク粥が好きらしい。やっぱり黒猫の見た目してるだけあるね。
「おや?私はカラスですから、どんな不格好で、味がへんてこりんなモノが出てきても、食べますよ?雑食なので」
「どつきまわしてよいですか」
堂々と失礼な事を言い放つ、学園長を睨んだ。
カラスが食えない程、不味くはないわ!!
はぁ〜〜通じないかなぁ〜〜〜学園長に出す食べ物はここにはないって意味なんだけど。
そもそも本当に食べさせられないんだよ。二人分しか材料ないもん。
遠回し過ぎた??でも家帰れってんだから、やっぱり、通じない学園長が可笑しいよ。
「というか、ご飯をたかりに来たんじゃないんですよ私は」
ふと思い出したように学園長が言った。
理由を聞いてやろうと思い、私は、シンクにもたれ掛かり、腕を組んで、話を聞く。
「へぇ、じゃあ何しに来たんですか?夜這い?」
「本当に辛辣ですねマコトくん!!教育者の鏡である!この私が!生徒に夜這いなんて、するわけないでしょう!!」
破廉恥ですよ!!とプンプンと怒る学園長は、おもむろにパチンと指を鳴らした。
すると腕の中にどこからともなく、紙袋が出現した。
なんだそれ。
「ほら、これを見なさい」
学園長の腕の中に出現した紙袋を渡される。
紙袋は、ずっしりと重く、微かにいい匂いがする…いうならば、スカラビア寮長の、カリム君のような匂い?…中身はなんだろうかと恐る恐る覗いてみた。
「こ、これは……お肉!!」
中身はなんと、お肉であった!!
ベーコンだ!!ソーセージだ!!ハムだ!!
いい匂いの元は、ハーブソーセージだった。お肉が紙袋にいっぱいだ!!何故ここに!!
私はお肉とは、久しくあいまみえてなかった。
だって夜ご飯にお肉を出すと、次の日からグリムがお肉 お肉 としか言わなくなるのが怖いから。
私だってグリムと同じで、お肉は大好きだ。特に加工肉。
かりかりベーコンエッグと白米と味噌汁を、朝ごはんに食べれた日には、どんな理不尽にあってもニコニコ出来るかもしれない。
「ふふっそうですよ。お肉です」
「アッッ」
ワーーッッと子供のように喜んでいると、学園長に紙袋をやんわりと取り上げられた。
え?私にくれるんじゃないの!?
紙袋を取り上げられた私は、なんとも言えない表情してたと思う。あれだ、ちゃちゃまる みたいな顔をしていたと思うの。わからない人はググッてね。
「そんな顔をせずとも、私の願いを叶えてくれるのならプレゼントしますよ。 紙袋はこの他にもありましてね。たんまりと、私が指を鳴らすだけで、お肉や野菜が入った紙袋が、それはもうたくさん……」
なんだと…?あの紙袋に入っていた分でも、かなりの量なのに、まだあるの?しかもお野菜まで……?
「食べたくないですか…?食べたいですよね、グリム君もコレを見たら、喜ぶ事間違いなしですよ」
まるでオクタヴィネル寮の寮長のように、魅惑的な条件を囁く学園長。悪魔の囁きだ。
魅惑的な条件を、耳元で囁かれた私は、イソギンチャクのように縮こまっていた。
「……何が望みなんですか?」
学園長に望みを聞く。
学園長は一歩さがり、神妙な表情の私を見ると、満足そうな笑みを浮かべた。
思い通りになってるということなのだろう。
「そうですねぇ、私がオンボロ寮に訪問した時に追い返さないと約束するのなら、あげてもいいですよ」
「(へーかまちょかな?)」
そんなにかまって欲しいのか。
生徒の家にまで押しかけて構ってもらうなんて……やっぱりレオナ先輩の言う通り、この人、相当、暇なんじゃ。
それにしても、追い返さないと約束するだなんて、別に約束しようがしまいが、今日のように勝手に入ってくるだろうに。必要なのだろうか。
「別に結局最後は、魔法で不法侵入してるから、約束なんて必要ないんじゃありません?」
正直にそう言うと学園長は、顎に手を当てせせら笑う。
「青いですねぇ、マコトくん。何事にも承諾というものはあって困ることはありませんよ。
約束というのは、紙でなくても十分効果はありますから、とにかくいざと言う時に使えるものなんです。 特に貴女みたいな人には、ねぇ?」
珍しく、犬歯が見えるほどに、ニタァと口元を歪めて私に笑いかける学園長。その妖しい表情にゾクリと背筋が凍った。
「アッそうですか」
……聞かなかった方が良かったようだ。
何故私みたいな人なのか、よく分からないが深追いはしないでおこう。
まぁそれはそうと、お肉は欲しい。
だってお肉だもん。
沢山あるなら1週間は持つかなぁ……生肉じゃなくて加工肉なら、そうそう腐ることもないだろう。
もしかしたらだけど、たまに来る時にこうやって、食料持ってきてくれるかもしれないし…。
「んーまぁそれぐらいならいいですよ。 真夜中とか常識的に、迷惑な時間帯以外なら……という事でお肉をくださいっ」
不意打ちで学園長の手元にある、紙袋に手を伸ばすが、またしてもひょいっと避けられる。
私を制止するように、顔の前に手を出された。