間違って呼んだ
汝の名を応えよ
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その日は星座占いで、私は運勢が1位だった。
ラッキーカラーはブラック、隣にはグリムがいた。
起きた時から、何となく体調も良かった。
目覚めはスッキリ。
帰って作った朝ごはんは、ここ数ヶ月の朝ごはんで1番、美味しかった。ジャガイモのスープがじんわりと体に染みて、心地よかった事を記憶している。
グリムもツナ缶のチーズトーストを食べてか、とても機嫌が良かった。
久しぶりに余裕を持って、家を出ることが出来たのだ。
その後、ハーツラビュル寮に、エースとデュースを迎えに行った。
喧嘩することもなく、3人と1匹で駄べりながら、仲良く登校。
周りを見渡せば、他の寮生もゾロゾロと登校してきている。
普通に登校出来ている……!!と私は内心ちょっと感動した。
校門には、生徒達に挨拶する学園長がいた。挨拶すると同時に、身嗜みチェックもしているのだろう。
今日は大きな声で、優等生のような挨拶しよう!!と心に決め、爽やかな笑顔で、学園長の元へ駆けていく私は、どこの誰よりも青春をしていたと思う。
挨拶をしようと、私は大きく息を吸って、学園長にこう言った。
「おはようございます!パパッ!!」
◆
……それが昨日の事。
その後の事は……説明するのも億劫だ…
きっと分かっていると思うが、皆からの同情を買うためにキチンと説明しよう。
言った後、学園長を見ると、ポカーンと口を開けていた。
そりゃそうだ、血が繋がってないどころか、産まれ落ちた世界も違う女子生徒から『パパ』なんて呼ばれたのだ。
お父さんならまだマシだったかな?と思うが、今更すぎる。
周りの生徒も、最初は監督生は学園長の隠し子なのか……?とどよめきが起きたが、勘違いだと分かると、ヒソヒソクスクスと笑いだした。
学校でよくある先生をお母さんと。呼び間違えてしまう奴を、よりによって、学園長でやってしまったのだ。
マトモな教育者なら生徒が冷やかすのを、宥めるのが普通だろうに、あの学園長はこともあろう事か、生徒と一緒に冷やかしてきたのである!!
その事件の昼休みに「今日はパパと一緒に、ランチでもいかがですか?」と人が大勢いる、食堂で言い放った時には、ジビエ料理にしてやろうかと一瞬思った。
結局、沢山の生徒に見られ聞かれ、した結果。
たった1日で、私は学園長の娘として名を馳せてしまった。
そして今現在、サバナクロー寮に避難していた。
比較的に親しい、レオナ先輩のお部屋に。
この寮は何より重視されるのが上下関係。強いヤツには逆らえない。
故に寮長のレオナ先輩がいる前で、私を揶揄うやつなんていないのである。
「はぁもう死にたい……殺せ……」
「ククッいいじゃねーか。 パパにしてやれよ」
まぁ…レオナ先輩は例外だが。
人も気も知らないで、心底楽しそうに笑っている。
めちゃ広いレオナ先輩のベッド。
その上で転がり、クッションに。ずぅっと埋めていた顔をあげて、私は反論した。
「嫌ですよ!!あんなへんちくりん仮面をパパになんて!!」
私が、涙目で必死に言うのが、余っ程面白いのか、更に楽しそうに喉を鳴らすレオナ先輩。
……そりゃ変な人だから嫌だと言うのもあるが。
私はただでさえ学園長には、大きな借りがあるのだ。
確かに、私は色々面倒事を、押し付けられている。
しかし、この世界で生きていくには学園長がいないと、私なんて秒死だ……。学園長が私を退学と一言、口に出すだけで全く知らない、この世界で路頭に迷うことになる。それに比べれば、まだマシなのだ雑用は。
だから私は、学園長にあまり強い物言いが出来ない。その一言が怖いから、かといってあの人に、甘えっぱなしなんてのも、真っ平ゴメン。
受け取っている生活費はちゃんと、帳簿につけている。帰れなかった場合、ちゃんと就職先をみつけ全額返すつもりだ。だから早く私の痴態を忘れてくれ……。
今だけはレオナ先輩が、羨ましく見える。
私も授業をサボれる程の、傲慢な態度が欲しい。
「マコトくんもそんなプライドなんて捨てて、娘になればいいのに。 そうすればここにいる限り、食い物には困らないっすよ?」
シシッと笑いながら、ジュースとおやつを持ってくれたラギー先輩。
ほかほかで美味しそうなドーナツ
悲しい目をしながら、私はドーナツにかぶりついた。
「…じゃあ聞ききますけど、ラギー先輩。
想像してみてください。 自分の父親が、奇抜な服と仮面を常時着用していて、口癖が『私優しいですから!』の自己愛溢れた、年齢不詳の人間だと……」
「嫌っすね」
「そうでしょう!!」
ほらほら!!同情しろ!!今はお金より何より同情が欲しい!!欲を言えばお金も欲しいが。
パクリと、噛み付いたドーナツは現実と違い、とっても甘かった。
ラッキーカラーはブラック、隣にはグリムがいた。
起きた時から、何となく体調も良かった。
目覚めはスッキリ。
帰って作った朝ごはんは、ここ数ヶ月の朝ごはんで1番、美味しかった。ジャガイモのスープがじんわりと体に染みて、心地よかった事を記憶している。
グリムもツナ缶のチーズトーストを食べてか、とても機嫌が良かった。
久しぶりに余裕を持って、家を出ることが出来たのだ。
その後、ハーツラビュル寮に、エースとデュースを迎えに行った。
喧嘩することもなく、3人と1匹で駄べりながら、仲良く登校。
周りを見渡せば、他の寮生もゾロゾロと登校してきている。
普通に登校出来ている……!!と私は内心ちょっと感動した。
校門には、生徒達に挨拶する学園長がいた。挨拶すると同時に、身嗜みチェックもしているのだろう。
今日は大きな声で、優等生のような挨拶しよう!!と心に決め、爽やかな笑顔で、学園長の元へ駆けていく私は、どこの誰よりも青春をしていたと思う。
挨拶をしようと、私は大きく息を吸って、学園長にこう言った。
「おはようございます!パパッ!!」
◆
……それが昨日の事。
その後の事は……説明するのも億劫だ…
きっと分かっていると思うが、皆からの同情を買うためにキチンと説明しよう。
言った後、学園長を見ると、ポカーンと口を開けていた。
そりゃそうだ、血が繋がってないどころか、産まれ落ちた世界も違う女子生徒から『パパ』なんて呼ばれたのだ。
お父さんならまだマシだったかな?と思うが、今更すぎる。
周りの生徒も、最初は監督生は学園長の隠し子なのか……?とどよめきが起きたが、勘違いだと分かると、ヒソヒソクスクスと笑いだした。
学校でよくある先生をお母さんと。呼び間違えてしまう奴を、よりによって、学園長でやってしまったのだ。
マトモな教育者なら生徒が冷やかすのを、宥めるのが普通だろうに、あの学園長はこともあろう事か、生徒と一緒に冷やかしてきたのである!!
その事件の昼休みに「今日はパパと一緒に、ランチでもいかがですか?」と人が大勢いる、食堂で言い放った時には、ジビエ料理にしてやろうかと一瞬思った。
結局、沢山の生徒に見られ聞かれ、した結果。
たった1日で、私は学園長の娘として名を馳せてしまった。
そして今現在、サバナクロー寮に避難していた。
比較的に親しい、レオナ先輩のお部屋に。
この寮は何より重視されるのが上下関係。強いヤツには逆らえない。
故に寮長のレオナ先輩がいる前で、私を揶揄うやつなんていないのである。
「はぁもう死にたい……殺せ……」
「ククッいいじゃねーか。 パパにしてやれよ」
まぁ…レオナ先輩は例外だが。
人も気も知らないで、心底楽しそうに笑っている。
めちゃ広いレオナ先輩のベッド。
その上で転がり、クッションに。ずぅっと埋めていた顔をあげて、私は反論した。
「嫌ですよ!!あんなへんちくりん仮面をパパになんて!!」
私が、涙目で必死に言うのが、余っ程面白いのか、更に楽しそうに喉を鳴らすレオナ先輩。
……そりゃ変な人だから嫌だと言うのもあるが。
私はただでさえ学園長には、大きな借りがあるのだ。
確かに、私は色々面倒事を、押し付けられている。
しかし、この世界で生きていくには学園長がいないと、私なんて秒死だ……。学園長が私を退学と一言、口に出すだけで全く知らない、この世界で路頭に迷うことになる。それに比べれば、まだマシなのだ雑用は。
だから私は、学園長にあまり強い物言いが出来ない。その一言が怖いから、かといってあの人に、甘えっぱなしなんてのも、真っ平ゴメン。
受け取っている生活費はちゃんと、帳簿につけている。帰れなかった場合、ちゃんと就職先をみつけ全額返すつもりだ。だから早く私の痴態を忘れてくれ……。
今だけはレオナ先輩が、羨ましく見える。
私も授業をサボれる程の、傲慢な態度が欲しい。
「マコトくんもそんなプライドなんて捨てて、娘になればいいのに。 そうすればここにいる限り、食い物には困らないっすよ?」
シシッと笑いながら、ジュースとおやつを持ってくれたラギー先輩。
ほかほかで美味しそうなドーナツ
悲しい目をしながら、私はドーナツにかぶりついた。
「…じゃあ聞ききますけど、ラギー先輩。
想像してみてください。 自分の父親が、奇抜な服と仮面を常時着用していて、口癖が『私優しいですから!』の自己愛溢れた、年齢不詳の人間だと……」
「嫌っすね」
「そうでしょう!!」
ほらほら!!同情しろ!!今はお金より何より同情が欲しい!!欲を言えばお金も欲しいが。
パクリと、噛み付いたドーナツは現実と違い、とっても甘かった。
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