ツノ太郎VS恋愛アレルギー監督生
貴方のお名前
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
目が覚めると何もかもが違う世界にいた。
【ツイステッドワンダーランド】
そう呼ばれるこの世界には、魔法が存在し、獣人にゴーストまでいる、摩訶不思議な世界に異世界転移してしまったのだ。
でも、私は思った。どうせ、どうせなら……
「推しがいる世界が良かったな…」
◢◣◥◤◢◣◥◤◢◣◥◤
DAME×PRINCEという乙女ゲームをご存知だろうか。
田舎の姫である主人公が、隣国のダメ王子達を心略して、ハッピーエンドを目指す。ギャグテイストな風変わりしているが、名作と名高い乙女ゲームだ。
……もうサービスは終了しているのだが
どのキャラも、どこか憎めない深みのあるキャラをしていて、私はこのゲームが大好きなのだ。
しかし私には格別好きな相手がいた。
とあるダメ王子のルートの敵キャラのルートで出てくる敵キャラだ!
何を言ってるのか分からないと思う、もう少し説明しよう。
とあるダメ王子は敵キャラの傀儡だった。そしてその操っていた敵キャラも、実は事情があり、後に出てくる私の 推し に逆らえず手駒として扱われていたわけである。
その推し──総帥様が私は大好きであった。
◢◣◥◤◢◣◥◤◢◣◥◤
「でも総帥様も…事情があるんだよ……」
テーブルに突っ伏して泣きながらに私は語った。
「リョウ氏…その話もう何回目?」
私の目の前で浮いているイデア先輩のタブレットは 「コレだからオタクは嫌なんですわ…」やれやれとわざとらしいクソデカため息をついた。この人だけには言われたくない気もする。
「リョウ氏はその攻略も出来ないサブキャラに沼りすぎて、精神可笑しくさせてるオタクだと、拙者からは精神科をオススメするしかないっすわ」
「私はおかしくなんかない!」
「精神異常者は大体そういうんデスヨネ〜」
イデア先輩とは軽口を飛ばせる程親しい間柄だ。
一番最初に仲良くなったと言っても、過言は無い。
まずこの世界に来て私が絶望したことは。馴れ慕んだSNSを取り上げられたことだ
オタクにとって情報、つまりSNSは命。右も左も分からない世界に飛ばされた挙句、オタクがいきなりSNSを奪われたのだ。本当に絶望した。
瀕死になりながらも、何か…萌えを…と図書館を這いずり回っていた時、声をかけてくれたのが心優しい少年のロボット、彼の弟オルトくんである。
そこから、「兄さんは本にも詳しいよ!監督生さんが好きそうなタイトル聞いてきてみるね!」と言われ、後日、間接的に教えてもらったオススメの蔵書が好みにドストライクした。
またオススメを…お慈悲を…と繰り返してるうちに、シュラウド兄弟と少し仲が良くなり。
遂に学園長から与えられたスマホで鍵垢のマジスタで喋ってるうちに、過去にないレベルで仲良くなってしまった。オタクパワーすごい。
まぁ生身のイデア先輩にはまだ会ったことないのだが。
ふよふよと浮くタブレットを私はツンとつつく。
「ところでイデア先輩、話変わるんですけど、この学園に蛍を操れる人っています?」
「ホタルを操れるヒト?」
ふと思い出した昨夜のこと。
なんとなく、外に出て散歩していたら。
初夏でもないのに、空に舞う黄緑色の光を見た。
そして、男が一人。顔は日付が変わる寸前に近かったのもあって暗くて見えなかったが、美丈夫だった気がする。かなり巨漢だったことも覚えている。
「はい、近くに川もなかったので、蛍に好かれる人とかじゃないと思います。」
「どっちにしろそんな変人、聞いたことないけど」
変人だらけのNRCじゃ蛍を操れるだけでは変人としても微妙では?言おうと思ったが私は心の奥にしまい込んだ。
ほかの覚えている特徴をイデア先輩に身振り手振りで説明する。
「あと頭に角が生えてて、かなり背は高くて、名前は知らない方がいいとも言われました。世間知らずに免じて、好きな名前で呼べって言われたので……ってか世間に通じる名前なわけ?誰にしろ、深夜徘徊してたの怖ぇ…」
思い出してみるとそうだ。
わざわざ廃墟のようなオンボロ寮の近くを深夜徘徊している巨漢の角の男。B級映画にありそうでなさそうな議題に私は震えた。
友好的に感じたので、鉢合わせなければ問題ないかな?とも思うが。
私がぺちゃくちゃと喋ってる合間、イデア先輩は珍しくだんまりとしてしていた。
喋らないイデア先輩に気がついた私は、声をかける。
「先輩?」
「……なるほどね、理解。リョウ氏ってやっぱり、異世界転移するだけの素質あるよ。うんうん」
何故かいきなり玄人きどりするイデア先輩。
理解したといわれても、私は理解出来ていない。私は余計に首を傾げた。
「結局知ってるんですか?知らないんですか?」
「リョウ氏も乙女ゲーマーなら、この場合、名前を聞くのは本人からってのを察した方がいいですぞ〜〜ライト勢でも分かるやつ。今回拙者から情報もらってたら、間違いなく初見ハッピーエンドは無理でしたなフヒヒ」
なんかめちゃくちゃムカつくことを言われているが、気にしないことにする。名前を言うのも憚られるような人なのだろうか?
「まー別にいいですけど」
きっとこの広い学園で会うことなんて滅多にないだろうし、と私は思考を放棄した。
【ツイステッドワンダーランド】
そう呼ばれるこの世界には、魔法が存在し、獣人にゴーストまでいる、摩訶不思議な世界に異世界転移してしまったのだ。
でも、私は思った。どうせ、どうせなら……
「推しがいる世界が良かったな…」
◢◣◥◤◢◣◥◤◢◣◥◤
DAME×PRINCEという乙女ゲームをご存知だろうか。
田舎の姫である主人公が、隣国のダメ王子達を心略して、ハッピーエンドを目指す。ギャグテイストな風変わりしているが、名作と名高い乙女ゲームだ。
……もうサービスは終了しているのだが
どのキャラも、どこか憎めない深みのあるキャラをしていて、私はこのゲームが大好きなのだ。
しかし私には格別好きな相手がいた。
とあるダメ王子のルートの敵キャラのルートで出てくる敵キャラだ!
何を言ってるのか分からないと思う、もう少し説明しよう。
とあるダメ王子は敵キャラの傀儡だった。そしてその操っていた敵キャラも、実は事情があり、後に出てくる私の 推し に逆らえず手駒として扱われていたわけである。
その推し──総帥様が私は大好きであった。
◢◣◥◤◢◣◥◤◢◣◥◤
「でも総帥様も…事情があるんだよ……」
テーブルに突っ伏して泣きながらに私は語った。
「リョウ氏…その話もう何回目?」
私の目の前で浮いているイデア先輩のタブレットは 「コレだからオタクは嫌なんですわ…」やれやれとわざとらしいクソデカため息をついた。この人だけには言われたくない気もする。
「リョウ氏はその攻略も出来ないサブキャラに沼りすぎて、精神可笑しくさせてるオタクだと、拙者からは精神科をオススメするしかないっすわ」
「私はおかしくなんかない!」
「精神異常者は大体そういうんデスヨネ〜」
イデア先輩とは軽口を飛ばせる程親しい間柄だ。
一番最初に仲良くなったと言っても、過言は無い。
まずこの世界に来て私が絶望したことは。馴れ慕んだSNSを取り上げられたことだ
オタクにとって情報、つまりSNSは命。右も左も分からない世界に飛ばされた挙句、オタクがいきなりSNSを奪われたのだ。本当に絶望した。
瀕死になりながらも、何か…萌えを…と図書館を這いずり回っていた時、声をかけてくれたのが心優しい少年のロボット、彼の弟オルトくんである。
そこから、「兄さんは本にも詳しいよ!監督生さんが好きそうなタイトル聞いてきてみるね!」と言われ、後日、間接的に教えてもらったオススメの蔵書が好みにドストライクした。
またオススメを…お慈悲を…と繰り返してるうちに、シュラウド兄弟と少し仲が良くなり。
遂に学園長から与えられたスマホで鍵垢のマジスタで喋ってるうちに、過去にないレベルで仲良くなってしまった。オタクパワーすごい。
まぁ生身のイデア先輩にはまだ会ったことないのだが。
ふよふよと浮くタブレットを私はツンとつつく。
「ところでイデア先輩、話変わるんですけど、この学園に蛍を操れる人っています?」
「ホタルを操れるヒト?」
ふと思い出した昨夜のこと。
なんとなく、外に出て散歩していたら。
初夏でもないのに、空に舞う黄緑色の光を見た。
そして、男が一人。顔は日付が変わる寸前に近かったのもあって暗くて見えなかったが、美丈夫だった気がする。かなり巨漢だったことも覚えている。
「はい、近くに川もなかったので、蛍に好かれる人とかじゃないと思います。」
「どっちにしろそんな変人、聞いたことないけど」
変人だらけのNRCじゃ蛍を操れるだけでは変人としても微妙では?言おうと思ったが私は心の奥にしまい込んだ。
ほかの覚えている特徴をイデア先輩に身振り手振りで説明する。
「あと頭に角が生えてて、かなり背は高くて、名前は知らない方がいいとも言われました。世間知らずに免じて、好きな名前で呼べって言われたので……ってか世間に通じる名前なわけ?誰にしろ、深夜徘徊してたの怖ぇ…」
思い出してみるとそうだ。
わざわざ廃墟のようなオンボロ寮の近くを深夜徘徊している巨漢の角の男。B級映画にありそうでなさそうな議題に私は震えた。
友好的に感じたので、鉢合わせなければ問題ないかな?とも思うが。
私がぺちゃくちゃと喋ってる合間、イデア先輩は珍しくだんまりとしてしていた。
喋らないイデア先輩に気がついた私は、声をかける。
「先輩?」
「……なるほどね、理解。リョウ氏ってやっぱり、異世界転移するだけの素質あるよ。うんうん」
何故かいきなり玄人きどりするイデア先輩。
理解したといわれても、私は理解出来ていない。私は余計に首を傾げた。
「結局知ってるんですか?知らないんですか?」
「リョウ氏も乙女ゲーマーなら、この場合、名前を聞くのは本人からってのを察した方がいいですぞ〜〜ライト勢でも分かるやつ。今回拙者から情報もらってたら、間違いなく初見ハッピーエンドは無理でしたなフヒヒ」
なんかめちゃくちゃムカつくことを言われているが、気にしないことにする。名前を言うのも憚られるような人なのだろうか?
「まー別にいいですけど」
きっとこの広い学園で会うことなんて滅多にないだろうし、と私は思考を放棄した。
1/6ページ