雪見大戦 鹿猫、犬狼
「あ!リーマス!お前そっちへついたのか!」
シリウスが叫ぶ。
「ええ!?違ッ!違うよ!」
リーマスが慌てる。シリウスは全く聞いていなかった。
「そうか…ならば俺の愛を受けてみろ!!」
シリウスが躍起になって雪玉を投げてきた。
セブルスとリーマスはとたんに劣勢に追い込まれた。
セブルスがシリウスに叫んだ。
「ブラック!想像しろ!リーマスのフリフリエプロン!!」
「何!?」
シリウスの手がぴたりと止まった。
「リーマスのフリフリエプロン…(シリウス、ご飯?お風呂?それとも…僕?)」
シリウスがにやけるのと同時に、巨大な雪玉が顔面に当たり見事に倒れた。
「フッ…馬鹿め!」
セブルスが得意そうに見下ろしたが、隣から飛んできた雪の塊に直撃され、真横に倒れた。
ジェームズはゼーゼーいいながら相変わらずダンブルドアに雪を投げていた。
「どれ、ワシも雪を投げようかの」
ダンブルドアはのんびりと言うと、「よっこらしょ」と腰を丸めた。その上を雪の塊が通過する。
「ほれ」
ダンブルドアは手首のスナップを利かせて、ジェームズに雪玉を投げた。
パーンと見事な音を立ててジェームズの顔面に当たり、眼鏡を雪まみれにした。
「ぎゃああ!目が!目があ!!」
ジェームズがわめく。
「ジェームズ!」
セブルスがリーマスの攻撃を受けながら歩み寄った。
「ああ!ジュリエット!僕達の敵は手強い…」
ジェームズがセブルスに助け起こされた。
「馬鹿言ってないで眼鏡をかけろ」
セブルスが眼鏡を渡した。ジェームズがようやくセブルスを見た。
「なんで雪まみれなの?」
「気にするな」
背後ではリーマスがセブルスとシリウスに雪玉を投げていた。