雪見大戦 鹿猫、犬狼



「校長先生~!その雪合戦は教師全員参戦・無礼講がいいと思いま~す!」

ジェームズの発言によって、異例の雪合戦が始まった。





「くたばれ!!クソじじい!!!」
ジェームズが両手を振り上げ巨大な雪の塊を投げた。
リーマスがびっくりする。

「ちょッ!!ジェームズ!何してんの!?」

ダンブルドアは背を向けたまま、ひょいと身をかわし、振り返った。

「ほっほっほっ威勢がよいの」

「…チッ」

ジェームズはリーマスが作った雪玉を持つと、見事なフォームで剛速球を投げた。ダンブルドアがまたかわす。

「ジェームズ!?」

リーマスがおろおろする。

「ごめん。手元が狂った」

そう言いながらも、その目はギラギラとダンブルドアを追っている。

雪合戦は敵味方なく訳の分からないものになっていた。
最初は組同士の争いだったが、そのうちあちこちで個人戦になっている。

リーマスは、ほふく前進しながら、近くにいたセブルスのところまで辿り着いた。

セブルスも本気で雪玉を投げている。対戦相手はシリウスとピーターのようだった。

「セブルス…ジェームズが!」

リーマスはセブルスに訴えた。

しかし、セブルスの投げる玉は三つのうち一つはダンブルドアに向けられていた。

「ルーピンか!」

セブルスは前を向いたまま言った。そして雪玉をリーマスに押し付けた。

「ルーピン!加勢しに来たんだな。あっちを頼む」

セブルスが雪を避けながら指差した。

「ええ!?あっちって校長先生だよ!」

リーマスが焦る。

「それがどうした」

雪を投げながらセブルスが言う。

「無理、無理だから!」

「何?じゃあお前敵か?敵だな?」

セブルスがまた雪を投げる。

ダンブルドアは二方向からの雪玉を楽しそうに避けている。まだ一つも当たっていないようだった。

リーマスは雪玉を持ったまま困っている。シリウスがそれを見つけた。
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