始まりは唇から 鹿猫
「嘘だよね、あれ…」
ジェームズは口元に笑みを作って、スネイプに呟いた。
スネイプは何か考え込むように一点を見つめていた。
「もちろんだ…まだ卒業までに時間はある」
スネイプは静かに言った。しかし、それは嘘だった。スネイプはダンブルドアの瞳の強さに抗えない何かがあるのを感じていた。
「そうだよね。僕たちは始まったばかりだ!」
ジェームズはあっさりと考えを振り払うと、スネイプをいきなり抱き締め、抵抗する身体を軽々と抱き上げた。
「…ばッ馬鹿者!!放せ!放せー!!」
慌てながら叫ぶ。
ジェームズは楽しそうにスネイプを抱き上げたまま、生徒たちに見せびらかすように廊下を走った。
ー…大丈夫。僕たちはずっと一緒だ。
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「最後のキス・最後の涙」
卒業間近…