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氷砂糖 鹿猫


ジェームズとシリウスは木々の間を器用に飛んだ。
そして、木が何本も倒れている場所を見つけた。

シリウスが感心して口笛を吹く。

「お前の恋人ってすげえな…」

「違うよ…」

ジェームズが倒された木を調べながら言った。

「たしかにセブは魔法力はあるけど…でも…これは血だ」

ジェームズは血痕を見つめたまま言った。

シリウスにも緊張が走った。

その時、バキバキバキという木々が倒れる音が聞こえた。

ジェームズとシリウスは杖を出して走った。



「セブルス!!!」

巨大な蜘蛛に追い詰められているセブルスがいた。

息を切らし、杖を掲げている。
片腕には小さな犬を抱えていた。ぐったりしている。

「来るなポッター!!」

セブルスが叫んだ。
あきらかに嫌悪に満ちた声だった。

ジェームズは蜘蛛の目に攻撃を放ち、悶えている隙にセブルスのそばに駆け寄った。

「僕に触るな!」

セブルスはジェームズを突き放すと蜘蛛に向かって呪文を放った。

蜘蛛の前足が振り下ろされ、かわしたセブルスはその場に倒れた。ジェームズがその前にしゃがんだ。
セブルスは起き上がりながら、尚も蜘蛛に攻撃をしようとしていた。

ジェームズがセブルスの前に立った。

「どけポッター!!」

セブルスが怒鳴った。

「どかない」

ジェームズが言った。

「君に嫌われるくらいなら死んでもいい」

ジェームズは杖を蜘蛛に向けた。

「ジェームズ!!」

シリウスが箒に乗りながら蜘蛛の頭に大きな石を落として、ジェームズに箒を投げた。

「痴話喧嘩は生き残ってからやってくれ!!」

ジェームズは箒を掴むと飛び乗った。

「乗るんだセブルス!」

ジェームズが有無を言わせずセブルスの腕を引いた。

凄まじい迫力に押され、セブルスは犬を片腕に抱え、ジェームズの後ろに座った。

振り下ろされる爪をかわし、3人は高く飛び上がった。
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