Baby Don't Cry 猫&子世代


それは小さな男の子だった。

その日、僕は正直に言うと、とてもむしゃくしゃしていた。
思い出すたびに気が沈む。

毎晩毎晩、ラベンダーから根拠のない嫌味を書き連ねた手紙が届く。
どうもロンとうまくいかないことの原因が、僕にあると思っているみたい。
確かに僕は、クィディッチの練習をもっとしたくて、ロンを連れて練習をした。だけど、もし僕のせいだとしても、それで僕に意地悪をするのは間違っている。
問題はロンとラベンダー、二人のことなんだ。
ラベンダーが必死なことは分かっている。僕に辛くあたりたいことも知っている。だけど、それで僕にあんなことを言うなんて間違っている。

僕は幾度目かの溜息をついた。

空が青くて、とても澄んでいる。だからよけいに、一点のシミみたいに僕はとても憂鬱になる。

コリンからの追跡を逃れて、いくつか階段を降りて、廃墟のような広場に出た。

たぶん、昔は温室か何かだったんだと思う。
錆びた鉄柱の囲いが鳥かごみたいにドームを作っている。

枯れた草木がそこら中にあって、まるでホグワーツじゃないみたいに静かだった。

その鳥かご状ドームの中央に、小さな男の子が立ち尽くしているのを見つけた。

黒い髪は肩まで伸びて、色白と言うには白すぎる、どちらかというと青白い肌の男の子だった。
大きすぎるシャツは少し汚れていて、広い襟のせいなのかな、首がとても細かった。

「君は…?」

僕が声をかけると、男の子は黒い目を思い切り見開いて、一目散に走っていってしまった。

「……変なの…」

僕は首を傾げて、彼を追ったけど、ついに見つからなかった。
だけど、あの見事なほど黒い瞳と、白い額、細い体にまとった雰囲気は、どこかで知っているような気がした。
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